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青年達は離れた仲間と共に欲望を肥大化させられる

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視界を閉ざす黒革製の目隠しのせいで、青年は自分を閉じ込めている狭い部屋の様子を伺うことさえ出来なくされてしまった。喉近くまでを貫く男根を模した黒い口枷のせいで、青年はしゃべることはおろか口を閉じることも許されず、屈辱からの脱出を求めて舌を噛み切ることすら叶わないよう縛めを加えられてしまった。
頭部に施された目と口への拘束を外したくても、青年は外せない。自身を捕獲した組織の手で衣服を一枚残らず剥ぎ取られた裸体に縄を打たれ手足の自由を奪われたばかりか身動きを大きく制限された裸体を一人掛けソファーへと遊び無く縄で括り付けられてしまった惨めな青年は、二の腕と胸部を繋がれ左右の手首を背中側で一まとめにされた上半身をもがかせ足首と太ももを短く結合された伸ばせぬ足に力を込めようとも全身に拘束を施された事実から抜け出せない。
両手両足を縄によって封じられ、窮屈に折り畳まされた足を間抜けに開いた姿となるようソファーに裸体を縫い付けられた青年はもう、幾ら足掻いてもビクともしない縄を虚しく軋ませながら無防備にさらけ出された恥部をいたぶる刺激に為す術無く辱められるしか無い。嬉々として塗り付けられた濃度の低い液体媚薬の力で勃起を強いられた男根の根本と亀頭の真下に巻かれたローターが内蔵されている黒革のベルトと、同じ液体媚薬の効果を借りた指で丹念に解された尻穴を奥まで満たす極太の張型が絶えず繰り返す微弱な振動という弱々しい責めにもどかしい悦楽を味わわされながら、青年は生殺しの淫獄を生み出す機械の後に仕上げとして装着されたヘッドホンによる無慈悲な拷問に追い詰められることしか出来ない。
自分と同じように枷を噛まされ不明瞭になっていても正体が判別出来る仲間達の声をヘッドホンを通して無理矢理に聞かされている青年は、別室に監禁され同じ拘束と足りない快楽を叩き込まれている四人の甘い苦悶に歪んだ切なげな悲鳴を耳にしながら、自らが堪えきれずに放った同じ悲鳴を他の仲間のヘッドホンへと送り込み続けさせられるしか無いのだ。

「んむっ、ふうぅ……あぉ、むおぉっ」
『ぶふっ、うぅ、むあぁ! んぐっ……もおぉっ』
『むごっ、も、あぶぅ。んぐ……きゅうぅ……っ!』

仲間に情けなく蕩けた鳴き声なんて聞かれたくない。そう願いながら青年達は仲良く枷に歯を立てて声を抑えようと試みるが、淫猥な声は願いとは裏腹に溢れ出るばかりだ。
自分一人の脳内で湧き上がる快感への渇望だけでもこの恥辱を生み出した憎き敵達への反抗を崩されてしまうくらいに苦しいのに、全く同じ苦しみに喘いでいる仲間達の声を四人分も聞かされていたら敵の手中に貶められた絶望を抱かされつつ余計に苦しみが増幅してしまう。
あまりの苦痛と際限無く強まっていく射精欲に苛まれながら、青年達は更なる悦びを無意識に欲する尻穴で小さな振動を継続する張型を熱烈に締め付け、男根からもっと嬲ってくださいと涙を零しておねだりをしているかのように透明な蜜を分泌させつつ、どんなに希求しても訪れない淫らな至福を求める思考を仲間と共に肥大化させ、憎き敵の思惑通りの陥落へと導かれていくのだった。
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