檻の中の騎士達は淫猥な魔術で無慈悲に壊される

五月雨時雨

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檻の中の騎士達は淫猥な魔術で無慈悲に壊される

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二の腕を胴体へと結わえ付け、胴体の真後ろで交差させた手首にその位置とその形を強要している上半身の縄は、男達が雄々しき筋肉を程良く携えた腕を幾らもがかせても緩む気配すら見せない。右の足首と左のすね、左の足首と右のすねをきつく一つに括る縄を与えられ、それらの縄から付け足す形で伸ばされた縄を首へと巻き付けられた男達はあぐらの姿勢に固められた状態から離れられず逃げる以前に立つことすら許されない格好へと追いやられてしまっている。
仮に左右の手に握り拳を強いる鍵付きの黒革手袋を嵌められていなかったとしても、二人は自分と背後の仲間に施された縛めを解けはしない。視界を閉ざす目的で頭部に被せられた麻袋と麻袋の上から口に噛まされた白布の猿轡を装着され手足に自由に続いて見ることとしゃべることを不可能にされた事実に対する屈辱と焦りを募らせながら裸体をなりふり構わずに暴れさせても、二人はそれぞれに一人ずつもたらされた金属製の檻を構成する鉄格子を虚しく内側から押す程度の動きしか取れはしない。
ありとあらゆる選択肢を没収され、逞しき縄塗れの裸体を檻に閉じ込められた無様その物な男達。別の檻に入れられている仲間と意思疎通を図ることはおろか、檻の外側に感じる自分達を捕らえた存在の気配に怒りの意思を示すことさえままならない惨め極まりない男達。そんな男達を檻の堅牢さとは裏腹な絢爛に彩られた私室と共に愉しんでいた残忍な男は、丸出しにさせられた男根を間抜けに震わせつつ無意味な試行錯誤を積み重ねる二人に対して一層醜悪な笑みを浮かべながら、二つの檻の上側に位置する格子を繋ぐように部下に命じて作られた残酷な器具を、非道な術が込められた魔法製の拷問器具を嬉々として接続した。
その接続を音で察しても男達は抑えきれぬ戦慄を全身から滲ませながら、覚悟を抱くことしか出来ない。地獄の到来を予測出来ていても、到来を拒む手段を奪われた二人はあぐらから抜け出せなくされた裸体を強ばらせながら身構えるくらいの策しか打てない。誇りであった武具と共に衣服と自由を没収され、為す術無く弄ばれるだけの生物へと貶められた男達は、騎士の矜持のみならず人間として雄としての尊厳を容赦無く切り刻む淫猥な責め苦に、ただただ悶え狂い鳴き喚くしか無いのだ。

「ふぶっ!? んも、むうぅぅっ!!」
「んぅ、んぐっ、むふぅぅっ!!」

檻同士を繋いだ器具から放たれた魔術製の甘い電流が、格子を駆け巡り、底の部分に配置されている分厚い鉄板に染み渡り、逃げ場の無い空間に封じられた哀れな騎士達に望まぬ発情と快楽を味わわせ始める。
身体中が気持ち良い。脳の内側まで快感に蝕まれているように感じる。そんな淫らな刺激に翻弄させられる騎士達は、檻の外側にいる敵国の男の存在も忘れて塞がれた口でくぐもった喘ぎを発しながら、露出させられた乳首と男根の硬度を我慢さえ挟めぬまま引き上げていく。
そうしてあっという間に全身から淫蕩な香りを漂わせ始めた騎士達を悠然と檻の外部から鑑賞する敵国の男は、気高き騎士から自分の私室を飾る滑稽な生きた調度品へと陥落した二人の男の悶絶を堪能しながら、言葉にならぬ絶叫に掻き消されることを前提とした音量で自分の物となった騎士達に今日から数日続く絶望の内容を笑い混じりに語った。

「まずは今みたいに、ただただずーっと緩く苛めてあげるよ。気持ち良いのに、もっと気持ち良くなりたいのになれない苦しさで。みっともなく精液を吐き出したいのに吐き出せない生殺しの地獄で。二人仲良く頭をいやらしく壊してあげるからね、騎士さん達?」

この責めは、絶頂を許さぬ快楽を延々と流し込み理性の瓦解を促す為の物だ。語られる言葉を自分達の悲鳴で散らしながら悦びに堪えようと頑張る騎士達は、その頑張りが無くとも自らの意思では絶頂には辿り着けなくされていることを知る由も無いまま無駄に耐え忍ぶ様を自分達の頭上で淡く発光する魔術製の責め具が常に作り出す出口の無い淫らな至福に嬲られつつ、自身と仲間の飼い主に君臨した敵国の男の眼前に愉快で滑稽な娯楽としてさらけ出していくのだった。
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