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獣人達は不器用に愛を育む

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辺境の町から少し離れた場所に存在する農園。白銀の体毛を持つ狼獣人のオーナーとその狼獣人の下で働いている虎獣人の男が二人で経営しているその農園は帝都から距離のある場所でも新鮮な作物を食べられるようになったと町の人々から感謝の念を向けられており、また二人の人柄もあって町の子供達が学校の体験学習で農園を訪れることを喜び、それ以外でも自ら足を運ぶ場所となっている。
大人も子供も関係なく、町の人間は二人の獣人に感謝と尊敬を抱いている。一切の警戒も疑念も無い。町の人々が寝静まった真夜中に、農園を訪れる人が誰一人としていない時間に、二人が表では見せない秘密の関係を愉しんでいることなど、誰も想像していない。
農園の横にある家の中で、二人は作物が実った木々達が夜風に揺られる音を聞きながら、淫らな行為に耽っていた。

「もっと足を開いて。そう、尻尾も持ち上げて。私の目に、君の可愛いところがよく見えるようにね」

昼間に子供達に見せていた物と同じ笑みを浮かべながら、木製の椅子に腰掛けた狼獣人が命令を下す。すると、その命令を受けた虎獣人は石の床の上で四つん這いの体勢を取っていた裸体を指示に従って動かし、先程よりも大きく開いた足の間から狼を逆さに見つめながら蕩けた声で問いかけた。

「ご主人、さまっ。どうですか……っ? 俺のいやらしいケツマ○コと、おチ○ポ、よく見えてますか……?」

椅子に腰掛けた狼に恥部を至近距離で観察されている。その事実に興奮を募らせた虎は、言葉を甘く掠れさせ、口を開く度に甘く濡れた荒い息を漏らしている。
すっかり発情しきっている淫らな虎。恥ずかしいところを見られながら更に発情し、男根の硬度を高めながら尻穴をヒクヒクと収縮させる淫乱な虎。そんな虎を眺めて愛しげな笑みを濃くしながら、狼は虎の問いに答えた。

「うん、よく見えているよ。私に苛められるのが大好きな君のはしたないところがよく見えている。さすが……元肉奴隷ってくらいにエッチに昂ぶっているね」
「あふ、はぁぁ……っ!」

農園での作業の際に掻いた汗で蒸れていた尻穴の匂いを嗅がれながら狼の口から零れた吐息で男根を撫でられた虎は、四つん這いの裸体を堪らなさそうにくねらせながら、縞柄の尻尾を揺らめかせた。
かつての自分の立場を愛しい狼に口に出された虎は、もう自分を抑えられない。強まる一方の全身の疼きに身を震わせ、尻穴をパクパクと開閉させた虎は、無意識に恥部を狼の顔に突き出しながらおねだりを口にした。

「お願いしますぅ、ご主人様っ。ご主人様のおチ○ポ、俺のケツマ○コにくださいぃっ。ご主人様のおチ○ポで、ケツマ○コずぼずぼして、肉奴隷の俺を情けなくイきまくらせてくださいぃっ……!」

逞しく鍛えられた裸体をよじらせ、肉厚な尻を左右に振り乱しながら行われる一生懸命なおねだりに狼は思わず今すぐに襲いかかりたい衝動に駆られるが、理性でその欲望を押しとどめて虎に優しく言う。

「駄目だよ、まだ入れてあげない。ここのところ忙しくて、するのは数日ぶりだからね。まずは、しっかり解してあげるよ……」
「ふぁっ!? あぅ、あひ、ひゃぁぁ……」

驚きと快楽が混じった声を上げて身悶える虎に構わず狼は虎の尻穴に舌を這わせ、窄まった穴を男根をすんなり受け入れられるよう解していく。左右の手で尻肉を掴んで開かせ、奥まった場所でヒクつく虎の尻穴を丹念に舐めしゃぶる狼。そんな狼に、虎はうろたえた声で制止を放つ。

「あぁ、駄目、らめれす……ご主人さまぁ、そこ、汚い……ご主人様の舌が、汚れちゃい、まひゅ……っ!」

足の間から夢中で自分の尻穴を舐める狼を見つめながら、虎は主を汚したくない一心でやめて欲しいと伝えた。だが、狼はやめない。汚いだなんて欠片も思っていない上に、愛しい虎が恥ずかしがりながらも気持ち良さそうに喘ぐ様子が見られるこの尻穴責めをやめようと思えないからだ。
この尻穴を執拗に舐め回す責めを施している時だけは、その責めにひどく弱い虎は肉便器として扱われていた過去を忘れて心の底から甘く鳴いている。無意識の淫猥な演技も挟まれない虎の反応を見られるのが幸せで、狼は虎を可愛がる際にほぼ必ず、何かしらの理由を付けて虎の尻穴を舐めていた。

「んぁ、はぁ、あんっ、んあぁ! ふぁ、くぅ、んはぁぁ……っ!」

駄目を口にすることもしなくなり、ただただ嬉しそうに鳴く虎の声を聞きながら狼は目を細め、尖らせた舌でヒクつく尻穴をこじ開けて腸内までもを舐め回し始める。
いつか、虎が淫欲の捌け口として奴隷市場で売られていた過去を忘れ。奴隷市場が摘発された後に行き場の無くなった自分を従業員として雇った狼に、泣きながら淫らに扱って欲しいと望んだ過去を忘れ。虎の心と身体に染みついた肉奴隷として弄ばれる悦びが消え去って普通の恋人同士のように愛し合える日々を思い描きながら、狼はこれ以上無い恋情を寄せている虎に奴隷商人達の手で注がれた非道な悪意を舐め溶かすか如く舌を動かす。
不器用に愛情を交わす二人の獣人達に育てられている作物達は、まだ本当の意味での愛を育て切れていない二人の秘め事を隠すかのように、ざわざわと音を立てて恋人達の声を掻き消していた。
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