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92】隣国からの客人⑥
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92】隣国からの客人⑥
「……ぁ」
「!」
「挨拶を忘れていました」
それは、ほんの数秒のこと。
ナイト殿が私の腰に触れたかと思えば、グッ……! と身体が引っ張られ。痛みこそないが、私とナイト殿の距離が一気に近づく。それからフワリと鼻孔にナイト殿の香りと共に、頬に柔らかな感触を感じた。
(ああ、口づけをされている)
それも、唇にギリギリ近いあたりで。
どこか他人事のように思っていれば、腰は抱き寄せられたまま。「アラン殿」と名前を呼ばれた。
「アラン殿。本当にお会いしたかったんです」
ん? と小首を傾げるナイト殿。挨拶をされたのだから、私も挨拶し返さなければと、ゆっくりとナイト殿の頬に手を置いて、顔を近づける。それからゆっくりと瞼を閉じようとすれば、「アラン様!」と荒げた声が聞こえた。
(あれ? 何だかレオ殿がいつも以上に荒れてるな?)
私の認識でいれば、その程度。だって、これは挨拶だし。レオ殿だって、私の頬に何度も触れる口づけくらい落としていたし。私だってレオ殿に同じようにしていたし。そうだ、これは挨拶なのに、どうしれレオ殿は、あんなに声を荒げているんだろう?
ふっ……、と目を閉じて私もナイト殿の頬に口づけた。小さなリップ音とともに、すぐに離れる唇。たった数秒だけだったというのに、「アラン様」ともう一度私を呼ぶ声の方を見れば、険しい表情を浮かべたレオ殿がいた。
「レオ殿? どうしたんですか。挨拶ですよ」
「そうですよ。挨拶です。賢者殿も私と挨拶しませんか?」
ニコリと微笑んだナイト殿が、私の腰から手を離す。それからレオ殿の方へ歩いて行った。
「私から口づけた方が良いですか?」
「俺は、これで結構です。」
「おや」
ガシッ! と見るからに強く拳を握るレオ殿のナイト殿。握手にしては、力が入り過ぎているようだったが、ナイト殿の表情は眉一つ動かない。レオ殿が下唇を噛みながら、ギリギリと歯ぎしりが聞こえる。
「賢者殿。貴方とは本当に仲良くなれそうですね」
「奇遇ですね。俺も、そう思います」
(え!? 本当に!? 本当に、二人は仲良くなれると思っているのですか それは、本心なんですか!?)
流石の私も、二人の空気感に仲良くなるのは難しいのでは? と感じるほどなのに、聞こえた言葉に驚きを隠せない。
「あの、二人とも?」
随分と長い時間、互いに握手をしたままだった。まるで勝負でもしているようで、やはり仲良くなれるのか? と疑ってしまう。
「すみません、アラン様。つい賢者殿に夢中になってしまいました。私は町の宿に数日宿泊しますので、おすすめの観光地があれば教えて頂けませんか?」
「そういうことでしたら……!」
「一応、宿の名前はコレです」
「この宿は、夫婦が気さくな方で料理も美味しいのでお勧めですよ」
「そうなんですか。早速幸先が良い」
「ナイト殿、でしたら明日宿へ伺っても? 私も休めと言われていて……」
「アラン様が良ければ、是非。では、私は一度お暇しましょう。では、これで」
軽く会釈をして、ナイト殿が来た道を戻って行く。ナイト殿の姿が遠く、小さくなっていけば、レオ殿の声が聞こえた。
「アラン様、何キスしてキスされて、おまけにデートまで決めちゃってるんですか?」
「……え?」
いつも冷静なレオ殿が、随分と早口で。それから、圧が強く私は言葉を返せなかった。
********
コメント有難うございます(´;ω;`)とっても嬉しいです!やる気~~!
どうなるか分かりませんが、ノロノロ妄想が練れればそっと続けていきます…!
軽率に別の話を始めた際は、こちらもそっと宣伝するかと思います><
「……ぁ」
「!」
「挨拶を忘れていました」
それは、ほんの数秒のこと。
ナイト殿が私の腰に触れたかと思えば、グッ……! と身体が引っ張られ。痛みこそないが、私とナイト殿の距離が一気に近づく。それからフワリと鼻孔にナイト殿の香りと共に、頬に柔らかな感触を感じた。
(ああ、口づけをされている)
それも、唇にギリギリ近いあたりで。
どこか他人事のように思っていれば、腰は抱き寄せられたまま。「アラン殿」と名前を呼ばれた。
「アラン殿。本当にお会いしたかったんです」
ん? と小首を傾げるナイト殿。挨拶をされたのだから、私も挨拶し返さなければと、ゆっくりとナイト殿の頬に手を置いて、顔を近づける。それからゆっくりと瞼を閉じようとすれば、「アラン様!」と荒げた声が聞こえた。
(あれ? 何だかレオ殿がいつも以上に荒れてるな?)
私の認識でいれば、その程度。だって、これは挨拶だし。レオ殿だって、私の頬に何度も触れる口づけくらい落としていたし。私だってレオ殿に同じようにしていたし。そうだ、これは挨拶なのに、どうしれレオ殿は、あんなに声を荒げているんだろう?
ふっ……、と目を閉じて私もナイト殿の頬に口づけた。小さなリップ音とともに、すぐに離れる唇。たった数秒だけだったというのに、「アラン様」ともう一度私を呼ぶ声の方を見れば、険しい表情を浮かべたレオ殿がいた。
「レオ殿? どうしたんですか。挨拶ですよ」
「そうですよ。挨拶です。賢者殿も私と挨拶しませんか?」
ニコリと微笑んだナイト殿が、私の腰から手を離す。それからレオ殿の方へ歩いて行った。
「私から口づけた方が良いですか?」
「俺は、これで結構です。」
「おや」
ガシッ! と見るからに強く拳を握るレオ殿のナイト殿。握手にしては、力が入り過ぎているようだったが、ナイト殿の表情は眉一つ動かない。レオ殿が下唇を噛みながら、ギリギリと歯ぎしりが聞こえる。
「賢者殿。貴方とは本当に仲良くなれそうですね」
「奇遇ですね。俺も、そう思います」
(え!? 本当に!? 本当に、二人は仲良くなれると思っているのですか それは、本心なんですか!?)
流石の私も、二人の空気感に仲良くなるのは難しいのでは? と感じるほどなのに、聞こえた言葉に驚きを隠せない。
「あの、二人とも?」
随分と長い時間、互いに握手をしたままだった。まるで勝負でもしているようで、やはり仲良くなれるのか? と疑ってしまう。
「すみません、アラン様。つい賢者殿に夢中になってしまいました。私は町の宿に数日宿泊しますので、おすすめの観光地があれば教えて頂けませんか?」
「そういうことでしたら……!」
「一応、宿の名前はコレです」
「この宿は、夫婦が気さくな方で料理も美味しいのでお勧めですよ」
「そうなんですか。早速幸先が良い」
「ナイト殿、でしたら明日宿へ伺っても? 私も休めと言われていて……」
「アラン様が良ければ、是非。では、私は一度お暇しましょう。では、これで」
軽く会釈をして、ナイト殿が来た道を戻って行く。ナイト殿の姿が遠く、小さくなっていけば、レオ殿の声が聞こえた。
「アラン様、何キスしてキスされて、おまけにデートまで決めちゃってるんですか?」
「……え?」
いつも冷静なレオ殿が、随分と早口で。それから、圧が強く私は言葉を返せなかった。
********
コメント有難うございます(´;ω;`)とっても嬉しいです!やる気~~!
どうなるか分かりませんが、ノロノロ妄想が練れればそっと続けていきます…!
軽率に別の話を始めた際は、こちらもそっと宣伝するかと思います><
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