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96】【番外編】とある賢者の後悔②
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96】【番外編】とある賢者の後悔②
アラン様が、俺の言葉に傷ついた顏をしていて、それから逃げるように城を出た。まるで籠城するかのように籠った部屋で、禁酒していた酒を開けてやけ酒をした。久しぶりに喉を通るアルコールに、思わず咽そうになる。ジンワリと身体の熱を上げるようなアルコールに、身体を預けるようにテーブルの上に頭を伏せた。
「アラン様……」
咽るではなく、呟くのはアラン様の名前。
今の状況も、全部自分で蒔いた種だ。ただ俺が一人焦って、嫉妬して。一方的に、気持ちを押し付けて。そのくせ、肝心な気持ちは伝えていなくて。都合良くあわよくばと思いながら、アラン様の一番傍にいるのは俺だと勘違いして。その勘違いから目を覚まさせるように、ナイト殿が現れて。
ナイト殿のアラン様を見つめる眼差しが、どこか俺に似ていたから気づいていたんだ。ああ、この人もアラン様のことが好きなんだなって。いいよな、傍に居れてって。
勝手にライバル視していた相手が、偶然城の中を歩いていると視界に入って。嘘だろう? と驚いている文官殿に助け舟を出すかのように「どうしたんですか?」と声を掛けただけなのに────。
世間話程度に話をしていると、ナイト殿の話は俺の知らないアラン様の話ばかりをしていた。あの頃は……だとか、騎士団長になってからはとか。きっと、俺が羨ましいと思って見つめていた隣同士で話していたことだったりするのだろう。
適当に相槌を打ちながら、アラン様がやって来る前から俺の腹の中には苛立ちが溜まっていたんだ。だが、それを上手くかわせなかったのも、俺自身のせいだ。賢者が聞いて呆れる。
「本当に、最悪だ……」
今までは、不意打ちするように口づけはしてきたが、今日のように一方的で気持ちを押し付けるような行為は初めてだった。アラン様が俺を拒絶するように舌を噛んだ時、ようやく冷静になった。ハッとしたところで、俺のした行為に弁明する余地は無かった。全部嫉妬だった。
謝ったものの、こんなことをした自分を許せず。それでも俺を気遣うアラン様に、どんな言葉をかければ良いのか分からず。俺はこんな状態でいる。
「アラン様……俺は、貴方が好きなんです……」
騎士団長としての貴方は、王のため、国民のため、国のため。純粋で真っすぐな心で、本当に美しい人だと思っていた。だが、打ち明けて貰った秘密や、接していくうちに騎士団長としての肩書の取れた貴方が、案外と可愛らしい人であることを知ったら、また俺の中で「好き」の気持ちが大きくなっていた。出来るなら、この関係をいつまでも。なんて都合の良いことばかりを考えてしまうくらいに。
「アイツ……ナイト殿が現れたら、もう俺なんて必要ないよな……」
だって、俺よりも先にアラン様の隣に居たのはアイツだったから。
俺がアイツ。ナイト殿の気持に気づいたように、向こうも俺の気持に気づいている。だから、最後にああして牽制するかのように挨拶だと唇ギリギリの口づけを見せつけたんだ。
「本当、ナイト殿は性格が悪いな」
人のことを言えた義理ではないが。
「……」
アラン様は、よほどのことがないと約束を違えない人だ。きっと明日、話していた通りにナイト殿の元を訪れ、二人で楽しく時間を過ごすんだろう。
「…………畜生。嫌だな」
はぁっ……と溜息をついたあと。ジワリと視界が滲んだが、気のせいだと考えないことにした。
【番外編】とある賢者の後悔
(後悔したって、時間は戻せないんだけれど)
*********
詰みました。この続きも詰んだし、別の新しい話も何も浮かびません(´;ω;`)
アラン様が、俺の言葉に傷ついた顏をしていて、それから逃げるように城を出た。まるで籠城するかのように籠った部屋で、禁酒していた酒を開けてやけ酒をした。久しぶりに喉を通るアルコールに、思わず咽そうになる。ジンワリと身体の熱を上げるようなアルコールに、身体を預けるようにテーブルの上に頭を伏せた。
「アラン様……」
咽るではなく、呟くのはアラン様の名前。
今の状況も、全部自分で蒔いた種だ。ただ俺が一人焦って、嫉妬して。一方的に、気持ちを押し付けて。そのくせ、肝心な気持ちは伝えていなくて。都合良くあわよくばと思いながら、アラン様の一番傍にいるのは俺だと勘違いして。その勘違いから目を覚まさせるように、ナイト殿が現れて。
ナイト殿のアラン様を見つめる眼差しが、どこか俺に似ていたから気づいていたんだ。ああ、この人もアラン様のことが好きなんだなって。いいよな、傍に居れてって。
勝手にライバル視していた相手が、偶然城の中を歩いていると視界に入って。嘘だろう? と驚いている文官殿に助け舟を出すかのように「どうしたんですか?」と声を掛けただけなのに────。
世間話程度に話をしていると、ナイト殿の話は俺の知らないアラン様の話ばかりをしていた。あの頃は……だとか、騎士団長になってからはとか。きっと、俺が羨ましいと思って見つめていた隣同士で話していたことだったりするのだろう。
適当に相槌を打ちながら、アラン様がやって来る前から俺の腹の中には苛立ちが溜まっていたんだ。だが、それを上手くかわせなかったのも、俺自身のせいだ。賢者が聞いて呆れる。
「本当に、最悪だ……」
今までは、不意打ちするように口づけはしてきたが、今日のように一方的で気持ちを押し付けるような行為は初めてだった。アラン様が俺を拒絶するように舌を噛んだ時、ようやく冷静になった。ハッとしたところで、俺のした行為に弁明する余地は無かった。全部嫉妬だった。
謝ったものの、こんなことをした自分を許せず。それでも俺を気遣うアラン様に、どんな言葉をかければ良いのか分からず。俺はこんな状態でいる。
「アラン様……俺は、貴方が好きなんです……」
騎士団長としての貴方は、王のため、国民のため、国のため。純粋で真っすぐな心で、本当に美しい人だと思っていた。だが、打ち明けて貰った秘密や、接していくうちに騎士団長としての肩書の取れた貴方が、案外と可愛らしい人であることを知ったら、また俺の中で「好き」の気持ちが大きくなっていた。出来るなら、この関係をいつまでも。なんて都合の良いことばかりを考えてしまうくらいに。
「アイツ……ナイト殿が現れたら、もう俺なんて必要ないよな……」
だって、俺よりも先にアラン様の隣に居たのはアイツだったから。
俺がアイツ。ナイト殿の気持に気づいたように、向こうも俺の気持に気づいている。だから、最後にああして牽制するかのように挨拶だと唇ギリギリの口づけを見せつけたんだ。
「本当、ナイト殿は性格が悪いな」
人のことを言えた義理ではないが。
「……」
アラン様は、よほどのことがないと約束を違えない人だ。きっと明日、話していた通りにナイト殿の元を訪れ、二人で楽しく時間を過ごすんだろう。
「…………畜生。嫌だな」
はぁっ……と溜息をついたあと。ジワリと視界が滲んだが、気のせいだと考えないことにした。
【番外編】とある賢者の後悔
(後悔したって、時間は戻せないんだけれど)
*********
詰みました。この続きも詰んだし、別の新しい話も何も浮かびません(´;ω;`)
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