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122】久しぶりに謁見してみたら
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122】久しぶりに謁見してみたら
私の名前はアラン。この国の騎士団長だ。今日も訓練と仕事に勤しんでいる。
「アラン様、おはようございます」
「文官殿。おはようございます」
「おや……アラン様」
「どうしました? 私の顔に何かついてたりしますか……?」
朝を挨拶と確認のため、文官殿たちの窓口を訪れれば、文官殿が私の顔を改めて見た。もしかして顔に何か付いているだろうか? もしそうなら、少し恥ずかしい。思わず顔に触れながら聞けば、「ああ」と文官殿が言った。
「ああ、失礼。何もついていないので安心して下さい。ただ、アラン様の表情が明るく元気になられたなぁと思ってしまって」
「明るく……」
「アラン様はご多忙なので、特に顔色が優れないように見えることが多かったので……。明るくなられたようで、安心したんです」
心当たりがあるとすれば、一つだけ。レオ殿だ。自分では顔に出ない方だと思っていたが、存外私は顔に出やすいのだろうか? それとも、気づかないうちに暗い表情になってしまうほど、レオ殿との関係に心を痛めていたのだろうか。
「アラン様?」
「そうですね。良いことがあったから元気になったんでしょうね。しかし、文官殿に心配されるほどとは……! 私もまだまだですね」
「いえっ! アラン様は働き過ぎなので、休まれるくらいが丁度良いんですよ!?」
あはは、と笑って今日の予定を確認。
「アラン様、これからお時間はありますか? 王様がアラン様とお話ししたいとおっっしゃっておりました」
「大丈夫ですよ。これから向かっても?」
「ええ、宜しくお願い致します。少し前まで、賢者様もお休みだったので寂しいみたいで」
「ははっ。王様は、レオ殿とお話しするのが好きなようですからね」
王様に謁見するのは、久しぶりだ。一体何を話そうかと思いつつ、私は王様の元へと向かった。
「おはようございます」
「おはようございます、アラン様」
王室の前を警備する門番へと挨拶。騎士団の中でも、とりわけ腕っぷしが強い者を選び職務につけた。他の団員たちよりも顔を会わせる頻度は少ないが、こうして会えるのは嬉しい。
「元気そうで何より。文官殿から、王様が話があると伺って来た。中へ入っても?」
「分かりました。では、どうぞ」
「有難う」
一歩カツン、と足音を鳴らし。それから深呼吸。スゥッ……と息を吐いて、遠くにいる王様へ届くような声量で言った。
「王様、アランです。謁見したく参りました。宜しいでしょうか?」
「おお! アランか! よく来た! 待っておったぞ!」
私の姿を見るや、嬉しそうに席を立った王様。近くにレオ殿の姿はない。会えなくて残念だという気持ちと、いなくて良かったと表現が難しい気持ちになったのは何故だろう?
(うん……?)
だが今は、王様の前だ。騎士団長として、しっかりしなくては。
王様が近くに来るように言って、門番へ二人で話がしたいので、人を近づけないこと。それから門を閉じておくようにと言った。私は王様の方へと近づく。
「王さま、どうされましたか?」
「何、世間話がしたくてな。おや、お主の顔色は随分良い」
「ははっ、先ほども同じことを文官殿に言われてしました」
「そうじゃろう。お主は働き過ぎじゃからな。何か良いことでもあったか?」
「ええ、良いことがありました」
レオ殿と仲直りしたんですとは言えず。ただ嬉しそうに首を振れば、王様が「聞いてくれ、アラン」というので身構えた。
「聞いてくれ、アラン」
「はい、王様」
「レオの奴、ワシと恋バナをしてくれんのじゃ!」
突然出されたレオ殿の名前と、恋バナという言葉に私は一瞬ポカンと口を開けてしまった。
********
お気に入り有難うございます!嬉しいです!(^^)
今度はちょっと健全が続きます><
私の名前はアラン。この国の騎士団長だ。今日も訓練と仕事に勤しんでいる。
「アラン様、おはようございます」
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「おや……アラン様」
「どうしました? 私の顔に何かついてたりしますか……?」
朝を挨拶と確認のため、文官殿たちの窓口を訪れれば、文官殿が私の顔を改めて見た。もしかして顔に何か付いているだろうか? もしそうなら、少し恥ずかしい。思わず顔に触れながら聞けば、「ああ」と文官殿が言った。
「ああ、失礼。何もついていないので安心して下さい。ただ、アラン様の表情が明るく元気になられたなぁと思ってしまって」
「明るく……」
「アラン様はご多忙なので、特に顔色が優れないように見えることが多かったので……。明るくなられたようで、安心したんです」
心当たりがあるとすれば、一つだけ。レオ殿だ。自分では顔に出ない方だと思っていたが、存外私は顔に出やすいのだろうか? それとも、気づかないうちに暗い表情になってしまうほど、レオ殿との関係に心を痛めていたのだろうか。
「アラン様?」
「そうですね。良いことがあったから元気になったんでしょうね。しかし、文官殿に心配されるほどとは……! 私もまだまだですね」
「いえっ! アラン様は働き過ぎなので、休まれるくらいが丁度良いんですよ!?」
あはは、と笑って今日の予定を確認。
「アラン様、これからお時間はありますか? 王様がアラン様とお話ししたいとおっっしゃっておりました」
「大丈夫ですよ。これから向かっても?」
「ええ、宜しくお願い致します。少し前まで、賢者様もお休みだったので寂しいみたいで」
「ははっ。王様は、レオ殿とお話しするのが好きなようですからね」
王様に謁見するのは、久しぶりだ。一体何を話そうかと思いつつ、私は王様の元へと向かった。
「おはようございます」
「おはようございます、アラン様」
王室の前を警備する門番へと挨拶。騎士団の中でも、とりわけ腕っぷしが強い者を選び職務につけた。他の団員たちよりも顔を会わせる頻度は少ないが、こうして会えるのは嬉しい。
「元気そうで何より。文官殿から、王様が話があると伺って来た。中へ入っても?」
「分かりました。では、どうぞ」
「有難う」
一歩カツン、と足音を鳴らし。それから深呼吸。スゥッ……と息を吐いて、遠くにいる王様へ届くような声量で言った。
「王様、アランです。謁見したく参りました。宜しいでしょうか?」
「おお! アランか! よく来た! 待っておったぞ!」
私の姿を見るや、嬉しそうに席を立った王様。近くにレオ殿の姿はない。会えなくて残念だという気持ちと、いなくて良かったと表現が難しい気持ちになったのは何故だろう?
(うん……?)
だが今は、王様の前だ。騎士団長として、しっかりしなくては。
王様が近くに来るように言って、門番へ二人で話がしたいので、人を近づけないこと。それから門を閉じておくようにと言った。私は王様の方へと近づく。
「王さま、どうされましたか?」
「何、世間話がしたくてな。おや、お主の顔色は随分良い」
「ははっ、先ほども同じことを文官殿に言われてしました」
「そうじゃろう。お主は働き過ぎじゃからな。何か良いことでもあったか?」
「ええ、良いことがありました」
レオ殿と仲直りしたんですとは言えず。ただ嬉しそうに首を振れば、王様が「聞いてくれ、アラン」というので身構えた。
「聞いてくれ、アラン」
「はい、王様」
「レオの奴、ワシと恋バナをしてくれんのじゃ!」
突然出されたレオ殿の名前と、恋バナという言葉に私は一瞬ポカンと口を開けてしまった。
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