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73】
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(アーサー様は、部屋にいらっしゃるだろうか)
はぁっ……と夜空の下。息を吐けば、自身の吐いた息が白く見えた。城まで戻るのも、着た時と同じだ。時間は、そうかからない。城の守りは、門番くらいしかいないだろう。近づいて来た門を見れば、やはりポツンと門番が立っている。遅くまで毎日有難いと思う。
「やぁ、遅い時間まで毎日有難う」
「ギルベルト団長! お疲れ様です」
「俺じゃなく、君たちがお疲れ様だ」
「こんな遅くにどうされたんですか?」
「ちょっと出かけていてな、今戻ってきたところなんだ」
「そうでしたか、さぁ。お通り下さい」
「有難う」
労いの言葉をかけて、城へと戻る。文官方は勿論おらず、静かに俺の足音だけが薄明りの城の中に響いた。コツコツと歩きながら、俺とアーサー様の居住区へと向かう。アーサー様がいらっしゃるかもしれないと思うと急に心臓が速くなりながら、足早に部屋に戻った。それから一度衣服を脱いで着替える。ふと、頭に過ったのは、今まで着たことが無かった物。
(今まで着たこともなかったくせに、こういう時だけ……)
自分でもどうかしていると思ったが、静かに奥にしまい込んでいた山の中から一枚取ってみた。とてもじゃないが、本当に着るのか? と自身に問いかける。だが、出来ることはしなくてと、手にした物に着替え直し。俺は再び部屋を出た。
向かう先は、アーサー様の部屋。
(こんな夜更けに、俺は一体何をしているんだ)
だが認めた心が、行動しなくてはと俺の身体を動かしていく。迷わず辿り着いたアーサー様の部屋の前にくれば、扉の隙間から薄く灯が漏れていた。
(こんなに遅くまで起きてらっしゃるのか?)
コンコンとノックを数回。それから、「アーサー様」と名前を呼んで待ってみる。気づかれなかったら部屋に戻ろうと静かに待った。ふぅ……と溜息をついて、自分で何をしているんだと部屋に戻ろうとした時だった。
「ギルベルト……?」
「……夜分に大変申し訳ありません」
「ギルベルト。その恰好は?」
その恰好と指摘された姿は、最近呼ばれる事が無く着ることが無かった二人だけの夜に着る女性物の服。
「ご不要かと思いましたが、そのっ……」
「ギルベルト」
俺の方が身長が高いのに、頬に触れられ。顔を下ろすように下げられれば、アーサー様が色っぽく笑っていた。久しぶりに見るアーサー様の顔に、耳に聞こえる声に身体が反応するのが分かる。
「ギルベルト。私に用があったのかい?」
「ほ……奉仕をしに来ました……」
******
更新しました。お気に入りほか有難うございます。
もうすぐ終わります!(ハンドルをギュィン!)
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はぁっ……と夜空の下。息を吐けば、自身の吐いた息が白く見えた。城まで戻るのも、着た時と同じだ。時間は、そうかからない。城の守りは、門番くらいしかいないだろう。近づいて来た門を見れば、やはりポツンと門番が立っている。遅くまで毎日有難いと思う。
「やぁ、遅い時間まで毎日有難う」
「ギルベルト団長! お疲れ様です」
「俺じゃなく、君たちがお疲れ様だ」
「こんな遅くにどうされたんですか?」
「ちょっと出かけていてな、今戻ってきたところなんだ」
「そうでしたか、さぁ。お通り下さい」
「有難う」
労いの言葉をかけて、城へと戻る。文官方は勿論おらず、静かに俺の足音だけが薄明りの城の中に響いた。コツコツと歩きながら、俺とアーサー様の居住区へと向かう。アーサー様がいらっしゃるかもしれないと思うと急に心臓が速くなりながら、足早に部屋に戻った。それから一度衣服を脱いで着替える。ふと、頭に過ったのは、今まで着たことが無かった物。
(今まで着たこともなかったくせに、こういう時だけ……)
自分でもどうかしていると思ったが、静かに奥にしまい込んでいた山の中から一枚取ってみた。とてもじゃないが、本当に着るのか? と自身に問いかける。だが、出来ることはしなくてと、手にした物に着替え直し。俺は再び部屋を出た。
向かう先は、アーサー様の部屋。
(こんな夜更けに、俺は一体何をしているんだ)
だが認めた心が、行動しなくてはと俺の身体を動かしていく。迷わず辿り着いたアーサー様の部屋の前にくれば、扉の隙間から薄く灯が漏れていた。
(こんなに遅くまで起きてらっしゃるのか?)
コンコンとノックを数回。それから、「アーサー様」と名前を呼んで待ってみる。気づかれなかったら部屋に戻ろうと静かに待った。ふぅ……と溜息をついて、自分で何をしているんだと部屋に戻ろうとした時だった。
「ギルベルト……?」
「……夜分に大変申し訳ありません」
「ギルベルト。その恰好は?」
その恰好と指摘された姿は、最近呼ばれる事が無く着ることが無かった二人だけの夜に着る女性物の服。
「ご不要かと思いましたが、そのっ……」
「ギルベルト」
俺の方が身長が高いのに、頬に触れられ。顔を下ろすように下げられれば、アーサー様が色っぽく笑っていた。久しぶりに見るアーサー様の顔に、耳に聞こえる声に身体が反応するのが分かる。
「ギルベルト。私に用があったのかい?」
「ほ……奉仕をしに来ました……」
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