【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】

彩華

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6】昼休みに答えたのに

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6】昼休みに答えたのに

 今日も一日が終わり。疲れた~と言いながら、通い慣れた道を春樹と二人で帰る。

「……」

(珍しく無口だな?)

いつもなら、夜にあるテレビ番組だとか、やっているゲームの話だとか。出された宿題が難しいだとか。何か話すはずの春樹が、何故だか無口だった。

「どうしたんだ、春樹? 体調が悪いのか?」

春樹の顔を覗き見る。顏が良いのは変わらずで、顔色も悪くない。熱とかは無さそうだ。

「春樹?」

「葵、モテるんだなぁって考えてた」

「どういう意味だよ、それ」

そりゃあ、俺は春樹みたいに告白されたことは無いけど? 山田と田中情報だから、俺を慰めるために言っただけかもしれないけど?? と、幼馴染だからこそ出来る、拗ね方をしてしまった。

「いや、悪い意味じゃなくて」

「じゃあ、どういう意味だよ」

「んー? 俺だけが知っておきたかった、葵の良いところに気づいた人がいるんだなぁ……って思って」

俺の方が拗ねていたのに、春樹の表情は俺以上に拗ねていた。何なら片方の頬が膨らんでいる。片思いを拗らせた俺だから、心の中で悶えるで済んでいるが、きっと春樹のことが好きな女子が見たら「きゃー!」と黄色い悲鳴を上げたことだろう。

「何で俺じゃなくて、春樹が拗ねてるんだよ」

「駄目だって分かってるけど、葵の良いところは誰にも知られたくなかった」

「何だそりゃ」

あまりの理由に笑ってしまった。

ドキドキドキ。

(馬鹿。そんなこと言われたら、俺は嬉しくなっちまうだろうが。何だか特別に思われてるって勘違いしちまうだろうが)

「なぁ、葵」

今度は春樹が、俺の顔を覗き込んで来る。俺だって背は高い方で、クラスで俺より高いのは春樹だけ。小首を傾げるように覗き込んできて、「なぁ」と言葉を続けた。

「葵は、恋愛より俺と一緒にいる方が楽しい?」

「は……?」

まさか春樹が、昼休みのことを改めて確認するかのように聞いて来るとは思わず、驚いた。

ドキドキドキ。

(何で? 何でそんなこと聞いてくるんだ?)

もしかして、春樹も俺のことを特別に思ってくれているのか? なんて。自分に都合の良い期待ばかりしてしまう。

「そ……んなの、昼休みに答えただろ? ほら、帰るぞ!」

「やだ、また葵の口から聞きたい」

ドキドキドキ。

「葵。俺は葵と一緒にいる方が楽しいよ?」

「分かったから! お……俺も、春樹と一緒にいる方が楽しいし……ってうか、俺は春樹みたいに告白されたこと無いし」

ドキドキドキ。

平常心、平常心と言い聞かせながら、チラリと春樹の方を見た。

「嬉しい」

「もういいだろ! 帰るぞ!」

ドキドキドキ。

どうにか春樹に背を向け。きっと赤いであろう顔を見られずに済んだ。

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