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20】二つ返事しか出来ない
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20】二つ返事しか出来ない
あれから。
春樹に好きな人いて、思わず泣いた夜を過ごし。俺の生活は、普段通りに戻った。授業は勿論、部活に委員会活動と学生生活は案外とすることが多い。だが、それも一旦落ち着こうとしていた。
「プリントは皆に回ったか? まず1学期の中間テストが始まるからな。配布したプリントの通り、テスト期間中は部活中止だ。早く帰っても、ちゃんと勉強するように」
「「「「「はーい」」」」」
中間テストだ。テスト期間中は、部活も出来ないし職員室にも入れない。帰りのホームルームも終わり、皆プリントを見ながらテストの現実に溜息をついている。
「テストって、いつまでたっても嫌だなぁ……」
うへぇっ……と顔に書いている表情で田中が言った。
「確かに」
「俺、数学苦手なんだよ」
「数学は、公式覚え解けばいけるって」
「英語は単語覚え解けばいけるみたいな。そしたらテストは全部暗記でイケルじゃん……! 俺、暗記苦手なんだよぉ……!」
「ちょっ、顔っ。くはっ……!」
「葵って、可愛い笑い方するのな」
「だろ~~? 俺の葵は、笑い方可愛いのよ」
「で、出た~! 春樹の幼馴染マウント」
「フッ……」
「くそ~。春樹ファン、こんな春樹の姿も見てくれよ~」
田中が更にうへぇっとしたので、思わず笑ってしまった。思わず笑えば、田中が俺の事を可愛いという。そうか? と思っていると、割り込むようい春樹が現れた。なんだ、俺の葵って。お前は俺の春樹になってくれるのかよ。田中と春樹が話す様子を見て、僅かに唇を尖らせた。
(好きな人いるくせに、そんなことばっかり言うなよ)
眠れなかった夜のように、キュゥッ……と胸の奥が切なくなる。一旦会話が終わったのか、春樹が俺の方を見た。
「葵、帰ろう」
「ああ。じゃあ、田中。また明日」
「おー。葵、春樹。また明日~」
最近は雨も降らない。晴れた空の下、生徒入口の玄関で二人並んで帰る。肩はぶつからないし、触れない。
「葵、聞いてる?」
ガバッ! と肩を掴まれるわけでもなく。春樹の腕が、俺の肩に回った。引き寄せるように密着し、チラリと視線を横にするだけで春樹の顔がある。
「また一緒に中間テスト、勉強しようって言ってるんだけど?」
「……ッ! 悪い。ちょっとボーッとしてた。勉強は、分かった。やる」
「じゃあ、俺ん家でどう? 早速明日から」
「分かった。ってか、だから近いって……!」
「だから、葵だから良いって言ってんじゃん」
ニカッ! と春樹の笑顔に弱い俺は、ドキドキと煩い心臓のまま二つ返事しか出来ないのだ。
******
あれから。
春樹に好きな人いて、思わず泣いた夜を過ごし。俺の生活は、普段通りに戻った。授業は勿論、部活に委員会活動と学生生活は案外とすることが多い。だが、それも一旦落ち着こうとしていた。
「プリントは皆に回ったか? まず1学期の中間テストが始まるからな。配布したプリントの通り、テスト期間中は部活中止だ。早く帰っても、ちゃんと勉強するように」
「「「「「はーい」」」」」
中間テストだ。テスト期間中は、部活も出来ないし職員室にも入れない。帰りのホームルームも終わり、皆プリントを見ながらテストの現実に溜息をついている。
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うへぇっ……と顔に書いている表情で田中が言った。
「確かに」
「俺、数学苦手なんだよ」
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「英語は単語覚え解けばいけるみたいな。そしたらテストは全部暗記でイケルじゃん……! 俺、暗記苦手なんだよぉ……!」
「ちょっ、顔っ。くはっ……!」
「葵って、可愛い笑い方するのな」
「だろ~~? 俺の葵は、笑い方可愛いのよ」
「で、出た~! 春樹の幼馴染マウント」
「フッ……」
「くそ~。春樹ファン、こんな春樹の姿も見てくれよ~」
田中が更にうへぇっとしたので、思わず笑ってしまった。思わず笑えば、田中が俺の事を可愛いという。そうか? と思っていると、割り込むようい春樹が現れた。なんだ、俺の葵って。お前は俺の春樹になってくれるのかよ。田中と春樹が話す様子を見て、僅かに唇を尖らせた。
(好きな人いるくせに、そんなことばっかり言うなよ)
眠れなかった夜のように、キュゥッ……と胸の奥が切なくなる。一旦会話が終わったのか、春樹が俺の方を見た。
「葵、帰ろう」
「ああ。じゃあ、田中。また明日」
「おー。葵、春樹。また明日~」
最近は雨も降らない。晴れた空の下、生徒入口の玄関で二人並んで帰る。肩はぶつからないし、触れない。
「葵、聞いてる?」
ガバッ! と肩を掴まれるわけでもなく。春樹の腕が、俺の肩に回った。引き寄せるように密着し、チラリと視線を横にするだけで春樹の顔がある。
「また一緒に中間テスト、勉強しようって言ってるんだけど?」
「……ッ! 悪い。ちょっとボーッとしてた。勉強は、分かった。やる」
「じゃあ、俺ん家でどう? 早速明日から」
「分かった。ってか、だから近いって……!」
「だから、葵だから良いって言ってんじゃん」
ニカッ! と春樹の笑顔に弱い俺は、ドキドキと煩い心臓のまま二つ返事しか出来ないのだ。
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