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5】今はこれで
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5】今はこれで
淫魔が? 私を?? 好き???
赴任早々、知らぬ男にキスをされ。そのうえ、相手は人間ではなく淫魔だという。おまけに私のことが好きだと言って、勝手に使い魔契約まで結んでいたわけで。
クラリとする内容に、頭が考えるのを止めた。
「朝食、有難うございます。頂きます」
「はい、どうぞ」
ナイト。もとい、淫魔と共同生活をすることが決まってしまったが、私の一日の生活は普通に始まる。私は神父だ。教会へ向かわなければ。
淫魔が作った朝食と思うとなんだが、ナイトが作った食事は普通に美味しく。一口、また一口と口へ運び完食した。私が食べ始めれば、ナイトも遅れて朝食を食べ始めた。一応、人間の食べ物も口には出来るらしい。
「ごちそうさまでした。美味しかったです」
「それは嬉しいですね。最初に、アラン様の胃袋が掴めそうだ」
「なっ゛……」
油断も隙も無いと思ったが、手際よく私の皿を下げるナイト。
「着替えとかあれば、先にどうぞ。後片づけは俺がしておくので」
「有難うございます」
やはり変な感じだ。本当に淫魔か? と思うが、先ほど見せた羽と尻尾は、もう消えている。片づけを始めた背中を見つめ、私は一旦部屋へ。新しく身長した服に着替え、もう一度食事を取ったリビングへ向かえばナイトも身支度を終えていた。
「新しい服ですか? 似合ってます」
嘘はないような言葉に、何だか照れてしまう。かくゆうナイトは、昨日の恰好よりも随分とラフな格好だった。それから、「さぁ、行きましょうか」と言葉を続ける。
「まだ早いですが、教会へ行くんですか? なら行きましょうか」
「え? ナイトも来るんですか」
「ナイトって呼んでくれるんですね」
「……貴方の名前でしょう?」
名前一つを呼んだだけで、嬉しそうな顔をしたナイト。
「家にいても暇ですし。アラン様の傍にいますよ。一応、使い魔なんでね」
「教会平気なんですか?」
昨日も普通に入って来ていたけれど。教会が苦手というのは、我々人間の勝手なイメージだったのだろうか。
「ええ、俺は別に平気ですね。案外と、他の連中も平気だったりしますよ」
「他の連中……の部分は、聞かなかったことにします」
駄目だ。また情報量が多そうだ。
「あ、そうだ。アラン様」
「なんです……」
「か」と言い切る前に、私の唇は再びナイトに塞がれていた。
ちゅっ……レロッ……♡
「ん……ん゛……!?」
驚いて息を止めてしまう。触れるだけの感触のあと、舌先が入り込もうとしたが私が思い切り口を閉じたままだったので、入ることが無かった。すぐに唇は離れたが、一体どうして突然キスを!?
「俺の朝食です。本当は舌を入れたかったですが、アラン様の反応を見ると処女でしょう?俺は優しいので、今はこれで我慢しますよ」
「なっ……なんっ……!」
「アラン様。置いていきますよ?」
(やっぱり淫魔だ! 油断も隙も無い!)
私はそう思いながら、家の鍵を閉め。ズンズンとナイトを追い抜く勢いで、速足で教会へと向かったのだった。
******
更新しました!お気に入り・エール・イイネほか有難うございます(^^)嬉しいです!
淫魔が? 私を?? 好き???
赴任早々、知らぬ男にキスをされ。そのうえ、相手は人間ではなく淫魔だという。おまけに私のことが好きだと言って、勝手に使い魔契約まで結んでいたわけで。
クラリとする内容に、頭が考えるのを止めた。
「朝食、有難うございます。頂きます」
「はい、どうぞ」
ナイト。もとい、淫魔と共同生活をすることが決まってしまったが、私の一日の生活は普通に始まる。私は神父だ。教会へ向かわなければ。
淫魔が作った朝食と思うとなんだが、ナイトが作った食事は普通に美味しく。一口、また一口と口へ運び完食した。私が食べ始めれば、ナイトも遅れて朝食を食べ始めた。一応、人間の食べ物も口には出来るらしい。
「ごちそうさまでした。美味しかったです」
「それは嬉しいですね。最初に、アラン様の胃袋が掴めそうだ」
「なっ゛……」
油断も隙も無いと思ったが、手際よく私の皿を下げるナイト。
「着替えとかあれば、先にどうぞ。後片づけは俺がしておくので」
「有難うございます」
やはり変な感じだ。本当に淫魔か? と思うが、先ほど見せた羽と尻尾は、もう消えている。片づけを始めた背中を見つめ、私は一旦部屋へ。新しく身長した服に着替え、もう一度食事を取ったリビングへ向かえばナイトも身支度を終えていた。
「新しい服ですか? 似合ってます」
嘘はないような言葉に、何だか照れてしまう。かくゆうナイトは、昨日の恰好よりも随分とラフな格好だった。それから、「さぁ、行きましょうか」と言葉を続ける。
「まだ早いですが、教会へ行くんですか? なら行きましょうか」
「え? ナイトも来るんですか」
「ナイトって呼んでくれるんですね」
「……貴方の名前でしょう?」
名前一つを呼んだだけで、嬉しそうな顔をしたナイト。
「家にいても暇ですし。アラン様の傍にいますよ。一応、使い魔なんでね」
「教会平気なんですか?」
昨日も普通に入って来ていたけれど。教会が苦手というのは、我々人間の勝手なイメージだったのだろうか。
「ええ、俺は別に平気ですね。案外と、他の連中も平気だったりしますよ」
「他の連中……の部分は、聞かなかったことにします」
駄目だ。また情報量が多そうだ。
「あ、そうだ。アラン様」
「なんです……」
「か」と言い切る前に、私の唇は再びナイトに塞がれていた。
ちゅっ……レロッ……♡
「ん……ん゛……!?」
驚いて息を止めてしまう。触れるだけの感触のあと、舌先が入り込もうとしたが私が思い切り口を閉じたままだったので、入ることが無かった。すぐに唇は離れたが、一体どうして突然キスを!?
「俺の朝食です。本当は舌を入れたかったですが、アラン様の反応を見ると処女でしょう?俺は優しいので、今はこれで我慢しますよ」
「なっ……なんっ……!」
「アラン様。置いていきますよ?」
(やっぱり淫魔だ! 油断も隙も無い!)
私はそう思いながら、家の鍵を閉め。ズンズンとナイトを追い抜く勢いで、速足で教会へと向かったのだった。
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