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1】プロローグ
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1】プロローグ
俺の名前はギルベルト。
この国の騎士団長を務めている。王子のアーサーとは幼少より幼馴染で、兄弟のように育った。俺の方が少し早生まれで、身長も高いせいか、気持ちの上では俺の方が少し兄のような気持でいた。といっても、勿論。俺は臣下で、アーサーの方が立場が上だと理解している。
アーサーも俺も互いに成人し、まだ若いと言っても国を支える身だ。恋人は? 結婚は? と、将来について突かれることも増えてきた年頃。アーサーとも互いに、あの話は困るなぁと二人だけの時に話の種にすることも、しばしば。
俺は職業柄忙しくもあり、独身でも構わないと思っていた。いや……本音を言えば、自身の身体のこともあって、恋愛に積極的になろうとしなかったのは事実だ。恋愛になれば、将来的に「身体の関係」も出てくるだろう。そうなった時のことを考えると、色々と億劫になっていた部分も今思えばあったのだ。(俺のを見て、どんな反応をされるかと思うと、不安しかない。笑われでもしたら、他の人に知られたら。個人差はあれど、男としては傷つくものがあるのだ。)
そんなある時、アーサーが言った。
「ギルベルト、何か悩みがるのかい?」と。
別段、生活する上で悩み事は無かった。だが、やたらとアーサーが食い気味に聞いてくるものだから、何かないかと探し出した悩みが、唯一俺が気にしていること──ペニスが小さいことだった。
「……だ」
「ギルベルト?」
(ええい……!)
「お、俺の……ペニスが小さいんだ……」
「ペニスが小さい?」
「アーサー。そういう言葉を口にするんじゃない」
「照れているの? 可愛いね、ギルベルト。私だって、もう大人だというのに」
「だが、お前は王子だし……」
「そんなことより、ギルベルト。見せて」
「は?」
「ギルベルトのペニスを、私に見せて」
「は、はぁあああ!?」
意を決して言ってしまった後に、僅かな後悔。笑われたらどうしようだとか。
だがアーサーに、自身の悩み。ペ……ペニスが小さいことを相談すれば、アーサーが見せてだの、協力する! と躍起になったのは、記憶に新しい。(今思い返せば、いきなり見せてというのも、なかなかだよな)
(協力するって何だよ)
この小さいのが、大きくなるっていうのか? と思ったが、アーサーの考えも一理あると思った。多分、この時の俺はチョロかったのだ。
最初こそ、協力するってなんだと思ったが、俺のことを気遣うアーサーを無下にも出来ず。それに、俺自身も誰かに相談したかったのかもしれない。立場上、簡単に相談できるものでもない。非常にデリケートな内容だ。だからつい、分かったとアーサーに級力して貰ったわけだが……。
まぁ、それからは散々だった! そりゃあ、もう!!
アーサーは平気で俺のペニスを弄ってくるし、最後にはアナルまで弄ってくるし。俺の身体は一人で自慰をしたって、中途半端に熱が燻ぶるばかりで上手く絶頂を迎えることが出来ない。なんでたよ! と思っていると、アーサーが俺に言った。
「好きだよ」と。
開き直ったようにアーサーは、俺に好きだと言うようになった。だが、はいそうですかと気持ちに応えるわけにはいかない。だって、俺たちは男同士で、アーサーは王子。それでも、アーサーは何度も俺に好きだと言って、身体に触れる。
分からない。恋愛経験がないから、分からなかったが、段々と絆されている自覚はあった。そして最後。
「……きだ」
「?」
「…………好きだ」
自身の気持ちを自覚して思わず口を出た言葉に、アーサーの目が見開く様を目の前で見た。
「ギルベルト……!」
また強い力で抱き締められる。苦しさを感じたが、嫌じゃない俺がいる。むしろ、抱き締められて嬉しいというか。満たされる気がする。
「アーサー、苦しいって」
ポンポンと抱き着く腕を叩けば、バッ! と伏せていた顔を上げたアーサー。俺の衣服に飾られた宝石と同じアンバーが、キラキラと輝いていた。
「嬉しい!」
「ははっ、何だそりゃ」
いつもは甘くて、沢山言うのに。短い感想に、思わず笑ってしまう。
(そうか。嬉しいのか)
俺に好きだと言われるのは。ふふんと、いつもしてやられてばかりで、主導権を握れたようで俺も嬉しいと思った。
「ギルベルト」
「何だ?」
「私とギルベルトは恋人同士ということで良い?」
「こ……いびと」
「だってそうだろう? お互いに気持ちは一緒。伝えただけで、ハイお終いとはならないよね?」
「そういうものか?」
「そういうものだよ。だから、ね?」
先ほど可愛いと囁いた耳元で、またヒソリと言った。
「ギルベルト。これからは自慰も気にせず、私と沢山気持ち良くなろうね?」
「は……?」
甘い顔をして、甘い空気をぶち壊すような言葉。アーサーの腕が、俺の腰へと回る。
「あ、おい! アーサー!」
「大丈夫。怖いことは何もしないから」
ニコニコと微笑んで、俺は寝室へと連れてこられ。
「あの時ギルベルトの悩みを聞いて良かったなぁ」
なんて。
嬉しそうに言うアーサーに、あの時食い気味にくるアーサーを交せていたら、少しは違っていたんだろうか? と思った。
(いや多分。遅かれ早かれ、結果はこうなっていそうだな)
なんて思いつつも、アーサーの力は強い。グイグイと力づくでベッドの上に押し倒そうとしているわけで。
「っておい! アーサー! 寝室に連れていくのを止めろ!」
「やだ♡」
とまぁ、こんな始まり。
********
【BL】俺がナニが小さい悩みを伝えたら、幼馴染の王子が食い気味に協力すると言い出したんだが?(やめろ!)【王子×騎士団長】
の短編読み切りの予定ですが、こちら単品でもお読み頂けるかと思います。宜しくお願い致します
俺の名前はギルベルト。
この国の騎士団長を務めている。王子のアーサーとは幼少より幼馴染で、兄弟のように育った。俺の方が少し早生まれで、身長も高いせいか、気持ちの上では俺の方が少し兄のような気持でいた。といっても、勿論。俺は臣下で、アーサーの方が立場が上だと理解している。
アーサーも俺も互いに成人し、まだ若いと言っても国を支える身だ。恋人は? 結婚は? と、将来について突かれることも増えてきた年頃。アーサーとも互いに、あの話は困るなぁと二人だけの時に話の種にすることも、しばしば。
俺は職業柄忙しくもあり、独身でも構わないと思っていた。いや……本音を言えば、自身の身体のこともあって、恋愛に積極的になろうとしなかったのは事実だ。恋愛になれば、将来的に「身体の関係」も出てくるだろう。そうなった時のことを考えると、色々と億劫になっていた部分も今思えばあったのだ。(俺のを見て、どんな反応をされるかと思うと、不安しかない。笑われでもしたら、他の人に知られたら。個人差はあれど、男としては傷つくものがあるのだ。)
そんなある時、アーサーが言った。
「ギルベルト、何か悩みがるのかい?」と。
別段、生活する上で悩み事は無かった。だが、やたらとアーサーが食い気味に聞いてくるものだから、何かないかと探し出した悩みが、唯一俺が気にしていること──ペニスが小さいことだった。
「……だ」
「ギルベルト?」
(ええい……!)
「お、俺の……ペニスが小さいんだ……」
「ペニスが小さい?」
「アーサー。そういう言葉を口にするんじゃない」
「照れているの? 可愛いね、ギルベルト。私だって、もう大人だというのに」
「だが、お前は王子だし……」
「そんなことより、ギルベルト。見せて」
「は?」
「ギルベルトのペニスを、私に見せて」
「は、はぁあああ!?」
意を決して言ってしまった後に、僅かな後悔。笑われたらどうしようだとか。
だがアーサーに、自身の悩み。ペ……ペニスが小さいことを相談すれば、アーサーが見せてだの、協力する! と躍起になったのは、記憶に新しい。(今思い返せば、いきなり見せてというのも、なかなかだよな)
(協力するって何だよ)
この小さいのが、大きくなるっていうのか? と思ったが、アーサーの考えも一理あると思った。多分、この時の俺はチョロかったのだ。
最初こそ、協力するってなんだと思ったが、俺のことを気遣うアーサーを無下にも出来ず。それに、俺自身も誰かに相談したかったのかもしれない。立場上、簡単に相談できるものでもない。非常にデリケートな内容だ。だからつい、分かったとアーサーに級力して貰ったわけだが……。
まぁ、それからは散々だった! そりゃあ、もう!!
アーサーは平気で俺のペニスを弄ってくるし、最後にはアナルまで弄ってくるし。俺の身体は一人で自慰をしたって、中途半端に熱が燻ぶるばかりで上手く絶頂を迎えることが出来ない。なんでたよ! と思っていると、アーサーが俺に言った。
「好きだよ」と。
開き直ったようにアーサーは、俺に好きだと言うようになった。だが、はいそうですかと気持ちに応えるわけにはいかない。だって、俺たちは男同士で、アーサーは王子。それでも、アーサーは何度も俺に好きだと言って、身体に触れる。
分からない。恋愛経験がないから、分からなかったが、段々と絆されている自覚はあった。そして最後。
「……きだ」
「?」
「…………好きだ」
自身の気持ちを自覚して思わず口を出た言葉に、アーサーの目が見開く様を目の前で見た。
「ギルベルト……!」
また強い力で抱き締められる。苦しさを感じたが、嫌じゃない俺がいる。むしろ、抱き締められて嬉しいというか。満たされる気がする。
「アーサー、苦しいって」
ポンポンと抱き着く腕を叩けば、バッ! と伏せていた顔を上げたアーサー。俺の衣服に飾られた宝石と同じアンバーが、キラキラと輝いていた。
「嬉しい!」
「ははっ、何だそりゃ」
いつもは甘くて、沢山言うのに。短い感想に、思わず笑ってしまう。
(そうか。嬉しいのか)
俺に好きだと言われるのは。ふふんと、いつもしてやられてばかりで、主導権を握れたようで俺も嬉しいと思った。
「ギルベルト」
「何だ?」
「私とギルベルトは恋人同士ということで良い?」
「こ……いびと」
「だってそうだろう? お互いに気持ちは一緒。伝えただけで、ハイお終いとはならないよね?」
「そういうものか?」
「そういうものだよ。だから、ね?」
先ほど可愛いと囁いた耳元で、またヒソリと言った。
「ギルベルト。これからは自慰も気にせず、私と沢山気持ち良くなろうね?」
「は……?」
甘い顔をして、甘い空気をぶち壊すような言葉。アーサーの腕が、俺の腰へと回る。
「あ、おい! アーサー!」
「大丈夫。怖いことは何もしないから」
ニコニコと微笑んで、俺は寝室へと連れてこられ。
「あの時ギルベルトの悩みを聞いて良かったなぁ」
なんて。
嬉しそうに言うアーサーに、あの時食い気味にくるアーサーを交せていたら、少しは違っていたんだろうか? と思った。
(いや多分。遅かれ早かれ、結果はこうなっていそうだな)
なんて思いつつも、アーサーの力は強い。グイグイと力づくでベッドの上に押し倒そうとしているわけで。
「っておい! アーサー! 寝室に連れていくのを止めろ!」
「やだ♡」
とまぁ、こんな始まり。
********
【BL】俺がナニが小さい悩みを伝えたら、幼馴染の王子が食い気味に協力すると言い出したんだが?(やめろ!)【王子×騎士団長】
の短編読み切りの予定ですが、こちら単品でもお読み頂けるかと思います。宜しくお願い致します
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