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5】早く仕事を終わらせたい
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5】早く仕事を終わらせたい
昼ご飯を食べ終え、仕事も午後の後半戦。途中、一度会社を出て外回りへ。
あちこち歩き回って、夕方になる頃にはまた腹が減るわけで。
(あ~~~~……やっぱり今日も、あのお店の弁当が食べたい……!)
戻って来た社内で、カタカタとパソコンのキーボードを打ちながら、そんなことを考えていた。今日も定時で終わらせるぞ! と気合だけはある。それも、いつも以上に。どうしてもまた、あのお店の弁当が食べたい。その気合は、俺の表情に現れていたらしい。
「水野君、今度は朝と違ってやる気に満ちた顔だね」
そう言って、俺に追加の書類を持ってきた人が言った。(俺、そんなにやる気に満ちているのか)
「はい! 今日も美味しい弁当を買って帰りたいので」
「お弁当……? あはは、正直だねぇ。まぁ、確かに。美味しいお弁当って、嬉しくなるよね。そんなに美味しかったの?」
「それはもう。なので、今日も定時で終わらせて、弁当を買って帰ります!」
朝も、ハンバーグが美味しかったからと答えたくらいだったし。
あはは、とまた笑われたが俺は大真面目だった。あのお店の弁当が売り切れてしまっては困る。ただでさえ、人通りが多い場所にあるのだ。おまけにイケメン店員がいるとなれば、女性のお客さんも多いだろう。
(絶対人気店に違いない……!)
俺、名探偵・水野の推理の結果。やはりあのお店には、早く行くに越したことは無い。そうと決まればと、俺は追加で受け取った書類を終わらせるべくラストスパートをかけた。
「よしっ! やるぞ!」
カタカタカタとキーボードを叩く音が速い。だが、文面と数字には注意する。フッ……俺は、やれば出来る男なのだ。さて、今日の仕事も終了に近い。定時終わり前の電話さえなければ、このままパーフェクトに仕事を終える。
(イケるぞ! 俺! 今日も定時で……!)
だが、こういう早く帰りたい時に限って電話がなるのを俺は知っているんだ。
パソコンの示す残り時間が、あと5分、4分、3分……となった頃。プルルルッ……と着信が入り。
「お電話有難うございます」
(ほらなぁあああ~~~~!)
出来る社会人の俺は、電話を無視せずちゃんと出た。(偉い)だが俺の肩はガクリと落ちている。そしてこういう時に限っての電話が、言っては何だが明日でも良くない? という内容であることが多いことも、俺は今までの経験で学んでいる。
「はい……、ではお電話失礼致します」
静かに受話器を戻して、一呼吸。それからガバッ! と机に伏した。
「……疲れた」
(明日でも良い質問だった~~~~~!)
社会人なんて、そんな毎日の積み重ねだ。すぐに気持ちを切り替えて、退勤処理をする。急がねば。弁当が売り切れる前に! 伏した身体をすぐに起こし、帰り支度を済ませる。
「お疲れ様でした! お先に失礼します」
「水野君、お疲れ様~」
タタッ……! と軽く速足で、会社を出て。俺は再びスーパーではなく、昨日のお店へと向かっていた。
(頼む。何か弁当残っていてくれ)
*******
昼ご飯を食べ終え、仕事も午後の後半戦。途中、一度会社を出て外回りへ。
あちこち歩き回って、夕方になる頃にはまた腹が減るわけで。
(あ~~~~……やっぱり今日も、あのお店の弁当が食べたい……!)
戻って来た社内で、カタカタとパソコンのキーボードを打ちながら、そんなことを考えていた。今日も定時で終わらせるぞ! と気合だけはある。それも、いつも以上に。どうしてもまた、あのお店の弁当が食べたい。その気合は、俺の表情に現れていたらしい。
「水野君、今度は朝と違ってやる気に満ちた顔だね」
そう言って、俺に追加の書類を持ってきた人が言った。(俺、そんなにやる気に満ちているのか)
「はい! 今日も美味しい弁当を買って帰りたいので」
「お弁当……? あはは、正直だねぇ。まぁ、確かに。美味しいお弁当って、嬉しくなるよね。そんなに美味しかったの?」
「それはもう。なので、今日も定時で終わらせて、弁当を買って帰ります!」
朝も、ハンバーグが美味しかったからと答えたくらいだったし。
あはは、とまた笑われたが俺は大真面目だった。あのお店の弁当が売り切れてしまっては困る。ただでさえ、人通りが多い場所にあるのだ。おまけにイケメン店員がいるとなれば、女性のお客さんも多いだろう。
(絶対人気店に違いない……!)
俺、名探偵・水野の推理の結果。やはりあのお店には、早く行くに越したことは無い。そうと決まればと、俺は追加で受け取った書類を終わらせるべくラストスパートをかけた。
「よしっ! やるぞ!」
カタカタカタとキーボードを叩く音が速い。だが、文面と数字には注意する。フッ……俺は、やれば出来る男なのだ。さて、今日の仕事も終了に近い。定時終わり前の電話さえなければ、このままパーフェクトに仕事を終える。
(イケるぞ! 俺! 今日も定時で……!)
だが、こういう早く帰りたい時に限って電話がなるのを俺は知っているんだ。
パソコンの示す残り時間が、あと5分、4分、3分……となった頃。プルルルッ……と着信が入り。
「お電話有難うございます」
(ほらなぁあああ~~~~!)
出来る社会人の俺は、電話を無視せずちゃんと出た。(偉い)だが俺の肩はガクリと落ちている。そしてこういう時に限っての電話が、言っては何だが明日でも良くない? という内容であることが多いことも、俺は今までの経験で学んでいる。
「はい……、ではお電話失礼致します」
静かに受話器を戻して、一呼吸。それからガバッ! と机に伏した。
「……疲れた」
(明日でも良い質問だった~~~~~!)
社会人なんて、そんな毎日の積み重ねだ。すぐに気持ちを切り替えて、退勤処理をする。急がねば。弁当が売り切れる前に! 伏した身体をすぐに起こし、帰り支度を済ませる。
「お疲れ様でした! お先に失礼します」
「水野君、お疲れ様~」
タタッ……! と軽く速足で、会社を出て。俺は再びスーパーではなく、昨日のお店へと向かっていた。
(頼む。何か弁当残っていてくれ)
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