【完結・BL】今をときめく大型新人の専属マネージャーになることになったわけだが!【タレント×マネージャー】

彩華

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13】社長いわく、相当入れ込んでいるらしい

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13】社長いわく、相当入れ込んでいるらしい

 専属マネージャーになったが、受け持った子から口説かれている。しかも、同性に。
そんな悩みを、誰に言えるだろう? ええい! これは……これは、俺を専属に抜擢した、社長しかいない! と、思い立ったら即行動で社長室へ向かった俺だが──。

「はい。笑わないで聞いて欲しいんですが、そのっ……。俺、吹雪に口説かれてるみたいで」

「高橋君が、吹雪君に口説かれてる……」

「はい……」

「知ってた!」

「は?」

(え? 何だ? 今社長、知ってたって言ったか?)

「正確には、知ってたというより、そうなるだろうなって思っていたよ」

「は??」

どちらにしても、は? 何だが。

「いや、どういう意味ですか? 俺が口説かれるの知ってて、俺を専属にしたんですか?」

「まぁ、それは最初にも言った通り吹雪君の強い希望だったし」

「何で俺を……」

そういえば、最初からだ。最初から、吹雪は俺のことを知っていた。

「吹雪君をスカウトした時にさ、僕逆に聞かれたんだよね」

「何と?」

「夏ってモデルを知っていますかって。夏なんて名前、探せばこの業界じゃあ何人もいるだろうけれど、吹雪君は結構細かくてね。数年前に短い間だったけれど、モデルをしていた夏。黒髪で切れ長の瞳の、突然現れ、忽然と姿を消した……なんて言われて、僕が知っているのは一人しかいなかったからね。この人かな? って写真を見せたら、吹雪君がそうだって」

「それって……」

「そう。高橋君のことだよ」

「は????」

「で、高橋君がうちの事務所にいるよって言ったら、結構あっさり事務所に来てくれることを了承してくれてね。驚いたのは、初対面の時にも言った通り、高橋君に会えるならって仕事も辞めてデビューしたことだよ。だから、これは相当高橋君に入れ込んでるなぁ……と思って。やっぱり口説かれたんだね」

「やっぱりじゃないですよ!」

待て待て待て、また情報量が多すぎる。

「吹雪、俺が前に活動していたの知っていたんですか……?」

「らしいね。いやぁ~、でも高橋君のおかげで吹雪君が来てくれたから、本当に嬉しいよ」

「いや! でも、俺! 口説かれてるんですよ!?」

「うん? 僕は恋愛禁止だとは思っていないから、良いと思うよ」

「しゃ……社長……!」

相談しに来たのに、逆に悩みが増えたというか。疲れてしまっただけだった。

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