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16】目が離せない
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16】目が離せない
「おはようございます」
「おはよう」
そして、今日も仕事だ。前回と同じスタジオで、別の雑誌の撮影に向かう。待ち合わせの場所と時間は同じ。違うとすれば、一つだけ。バタン、と車の扉が閉まり車内に二人だけ。
(今日もラフな格好なのに、恰好良すぎるだろ)
スーツ姿の俺と異なり、またラフな格好ながら既に雑誌の一ページだ。ぐぬぬ……となるが、今日は先に話しておかなければならないことがある。
「夏希さん?」
「えっと……あの。昨日、俺が専属になる前に受けた仕事のインタビュー記事読んだんだけどさ」
「はい。どれですか? 結構インタビュー受けたんで、覚えていなくて」
「好きな人……についてなんだけど」
「あー……。俺、何て答えていました?」
この様子だと、本人も覚えていないらしい。無理もないか。もしかしすると、適当に答えた可能性だってあるし。
「います、って。今SNSじゃ吹雪が好きな相手は誰だて話題になってるみたいだからさ。一応、事務所としては恋愛関係の質問NGを出したけど……あんまりそういうのは答えない方が良いかなって」
「……すみません、あまり深く考えてませんでした」
「まぁ、うちの事務所はオープンだから良いんだけどさ」
シビアな一面を、きちんと伝えておく。
「まぁ、もしかすると質問されると思うけど、上手くかわしてくれ」
「はい……」
「吹雪?」
「あの、夏希さんは……俺に好きな人がいるって知って、どうでした?」
(どうでしたって、何だ!!??)
ドキドキドキ。
反省しているんだろうが、まさかの返しに言葉に詰まった。嫌だとかマイナスの気持ちは無くて、浮かんだことと言えば……──。
(どうですかって、俺のこと口説いているだろう?)
なら、普通に考えれば吹雪が好きなのは俺なのでは? と思う。思うが、多分ということにしておく。
「そ……んなことより! ほら、撮影に遅れるから出発するぞ」
少し自分でもズルイ逃げ方をしてしまった。
何となく助手席からの吹雪の視線を感じつつ、顔が見ることが出来ず。今日は無言のまま、スタジオへ。受付を通れば、また同じ部屋が控え室だった。だが、今日は来る前に話していたから、撮影時間が近い。貴重品を置き、吹雪の着替えだけで、俺は先にスタジオに入り吹雪を待った。
「宜しくお願いします」
少し遅れて、また礼儀正しくスタジオに入ってきた吹雪。カメラマンさんも、この前の人と同じで穏やかな空気。だが、仕事前に変な空気にしてしまったことが気がかりで、撮影場所に立った吹雪が心配だった。
「吹雪君、今日はクールな感じで撮影していくからね」
「わかりました」
一瞬だけ目を閉じた吹雪が、スッ……と再び瞼を開く。どことなく冷たい雰囲気を纏いながら、表情も変わった吹雪に安堵した。
ドキッ。
(あ、ヤバい)
ドキドキドキ。
吹雪から、目が離せない。カシャッ、とシャッターを切っている最中。視線を逸らした刹那。俺の方を見て、フッ……と笑ったように見える表情に、またドキリと胸が鳴った。
ドキドキドキ。
(息が止まりそうだ)
*******
お気に入り・イイネ有難うございます
あと1,2話くらいで終わらせます
「おはようございます」
「おはよう」
そして、今日も仕事だ。前回と同じスタジオで、別の雑誌の撮影に向かう。待ち合わせの場所と時間は同じ。違うとすれば、一つだけ。バタン、と車の扉が閉まり車内に二人だけ。
(今日もラフな格好なのに、恰好良すぎるだろ)
スーツ姿の俺と異なり、またラフな格好ながら既に雑誌の一ページだ。ぐぬぬ……となるが、今日は先に話しておかなければならないことがある。
「夏希さん?」
「えっと……あの。昨日、俺が専属になる前に受けた仕事のインタビュー記事読んだんだけどさ」
「はい。どれですか? 結構インタビュー受けたんで、覚えていなくて」
「好きな人……についてなんだけど」
「あー……。俺、何て答えていました?」
この様子だと、本人も覚えていないらしい。無理もないか。もしかしすると、適当に答えた可能性だってあるし。
「います、って。今SNSじゃ吹雪が好きな相手は誰だて話題になってるみたいだからさ。一応、事務所としては恋愛関係の質問NGを出したけど……あんまりそういうのは答えない方が良いかなって」
「……すみません、あまり深く考えてませんでした」
「まぁ、うちの事務所はオープンだから良いんだけどさ」
シビアな一面を、きちんと伝えておく。
「まぁ、もしかすると質問されると思うけど、上手くかわしてくれ」
「はい……」
「吹雪?」
「あの、夏希さんは……俺に好きな人がいるって知って、どうでした?」
(どうでしたって、何だ!!??)
ドキドキドキ。
反省しているんだろうが、まさかの返しに言葉に詰まった。嫌だとかマイナスの気持ちは無くて、浮かんだことと言えば……──。
(どうですかって、俺のこと口説いているだろう?)
なら、普通に考えれば吹雪が好きなのは俺なのでは? と思う。思うが、多分ということにしておく。
「そ……んなことより! ほら、撮影に遅れるから出発するぞ」
少し自分でもズルイ逃げ方をしてしまった。
何となく助手席からの吹雪の視線を感じつつ、顔が見ることが出来ず。今日は無言のまま、スタジオへ。受付を通れば、また同じ部屋が控え室だった。だが、今日は来る前に話していたから、撮影時間が近い。貴重品を置き、吹雪の着替えだけで、俺は先にスタジオに入り吹雪を待った。
「宜しくお願いします」
少し遅れて、また礼儀正しくスタジオに入ってきた吹雪。カメラマンさんも、この前の人と同じで穏やかな空気。だが、仕事前に変な空気にしてしまったことが気がかりで、撮影場所に立った吹雪が心配だった。
「吹雪君、今日はクールな感じで撮影していくからね」
「わかりました」
一瞬だけ目を閉じた吹雪が、スッ……と再び瞼を開く。どことなく冷たい雰囲気を纏いながら、表情も変わった吹雪に安堵した。
ドキッ。
(あ、ヤバい)
ドキドキドキ。
吹雪から、目が離せない。カシャッ、とシャッターを切っている最中。視線を逸らした刹那。俺の方を見て、フッ……と笑ったように見える表情に、またドキリと胸が鳴った。
ドキドキドキ。
(息が止まりそうだ)
*******
お気に入り・イイネ有難うございます
あと1,2話くらいで終わらせます
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