【完結・BL】今をときめく大型新人の専属マネージャーになることになったわけだが!【タレント×マネージャー】

彩華

文字の大きさ
18 / 18

17】【最終話】俺のこと見ていて下さいね?

しおりを挟む
17】【最終話】俺のこと見ていて下さいね?

 カシャッ、カシャッ、カシャッ。

シャッター音だけが、静かなスタジオに響く。時折カメラマンさんの指示と、吹雪を褒めてくれる言葉。それが止めば、またシャッター音。ただ違うとすれば、俺だけがシャッター音と自分の心臓の音が煩いくらいだ。ドキドキと胸から脈打つのに、呼吸は苦しい。

(何だこれ、不整脈か?)

あまり感じたことのないドキドキに、そんなことを思った。だが、そんなわけ無いだろうと冷静に頭のツッコミを入れる俺もいた。

『ドキドキしました?』

また思い出さなくても良いのに、吹雪の言葉を思い出してしまう。

(ああ、ドキドキしてるよ)

そう答えれば、吹雪はどんな顔をするんだろうか。
まぁ、実際。吹雪を見ていたのは俺だけじゃない。このスタジオにいるスタッフの人全員が、吹雪から目が離せなかった。


 「お疲れ様でした!」

撮影が好調なこともあり、時間を押すこともなく。それどころか、早く終わった。カメラマンさんが、また嬉しそうに俺に今日のおすすめの吹雪を見せようと、近づいて来る。

「高橋君、高橋君! 今日の吹雪君も良いね~!」

「有難うございます。今日は、この前と雰囲気が違っていて、俺も驚きました」

「本当だよ! いやぁ~撮影し甲斐があるなぁ」

ほら、と見せてくれたのは、吹雪の顔のアップだった。今日は少し多めに垂らした前髪の隙間から覗く瞳から、やはり目が離せない。

(こんな瞳で見つめられたら……)

ゴクリと生唾を飲んだのか、息を飲んだのか。

「夏希さん」

「お、吹雪君。今日もお疲れ様。今日イチの吹雪君を、高橋君に見せていたところだよ」

チラリと吹雪が俺を見た。

「ドキドキしたよ」

「え」

俺の言葉に、本当に驚いた顔をした吹雪。

「今日も有難うございました。俺たちも上がりますね、また宜しくお願いします!」

「お疲れ様でした」
「お疲れ様です」

行くぞ、と吹雪の腕を引いてスタジオを後にする。控え室へ向かう中、また心臓がドキドキと煩かった。

「夏希さん……夏希さん……!」

吹雪の声色が、いつもと異なる。どこか興奮めいた声色で、理由がなんとなく分かってしまう俺は少し照れる。

(俺の言葉で、喜んでいるんだろうなぁ)

だが、ここで迂闊なことをされては困る。

「……通路だろ」

「はい」

すぐに控え室について、部屋の鍵を閉めた。吹雪の顔に「良いですか?」と書いているように見えて、思わず笑ってしまった。

「夏希さん?」

「いや、何だか吹雪が大型犬みたいに見えて」

朝の空気も無くなって、ホッとしまう。だが、そのホッとした安堵も、すぐにドキリとした。

「まぁ、いいですけど。それよりも! 夏希さん。俺にドキドキしてくれたんですね」

ドキドキドキ。

(何て顔してるんだよ。そんな顔、他でしないだろう。何で俺なんだよ)

「どうして、俺のことそんなに好きなんだよ」

自然と口から出た言葉に、自分が一番驚いた。俺の言葉に、間をおいて吹雪が微笑む。

「……夏希さんは俺の初恋だから」

(俺が、初恋?)

「は? やっぱり、どっかで俺たち会ってるよな……?」

「まぁ、それはおいおい……ね? でも、この様子だと、夏希さんも俺のこと好きになってくれているみたいで嬉しいです」

近づいてきた吹雪に、これまた見惚れるほどの顔が近づいてきたかと思えば、「ちゅっ」と、頬に柔らかな感触。

「なっ……は??」

(え、俺。今キスされたよな?)

「もっと俺、夏希さんをドキドキさせられるように頑張るんで、俺のこと見ていて下さいね?」

「~~~~っ!」

あまりのイケメン具合に、息が止まるかと思った。悲鳴を上げなかっただけ褒めて欲しい。焦る俺に対して、何か吹っ切れた様子の吹雪は笑顔のまま。

「じゃあ、これからも夏希さん。俺の専属マネージャーで、俺のことだけ見ていて下さい」

コテン、と可愛らしく小首を傾げでながら、俺と視線を合わせる。そんなことを言われてしまえば、断ることも出来ないくらいに既に俺は、絆されていたらしい。

「……仕方ないな」

俺自身も、満更でもないから悔しかった。

■今をときめく大型新人の専属マネージャーになることになったわけだが!■

(なんとなく、このまま一生吹雪の専属な気がする)

*******
お気に入り・イイネ有難うございました
伸び悩みなか、毎回イイネ下さっている方有難うございました。嬉しかったです
今回いつもより設定など考えて始めたのですが、難しいですね
また何か始めた際は、見て頂けると嬉しいです
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

ばーば
2025.07.25 ばーば

はじめまして。今回が最終話なのが寂しいですできれば番外編あると嬉しいなぁと思ってます。二人がどうなるのか気になるのでぜひお願いします。今回もいいねMAX推してます。次回作も楽しみにしてます😊

2025.07.26 彩華

はじめまして!
コメント有難うございます(⌒∇⌒)とても嬉しいです!
しかもイイネまで(´;ω;`) 感謝の言葉しかありません…!番外編は何か浮かべば書いてみたいです(⌒∇⌒)
本当にコメント有難いました!!

解除

あなたにおすすめの小説

アイドルですがピュアな恋をしています。

雪 いつき
BL
人気アイドルユニットに所属する見た目はクールな隼音(しゅん)は、たまたま入ったケーキ屋のパティシエ、花楓(かえで)に恋をしてしまった。 気のせいかも、と通い続けること数ヶ月。やはりこれは恋だった。 見た目はクール、中身はフレンドリーな隼音は、持ち前の緩さで花楓との距離を縮めていく。じわりじわりと周囲を巻き込みながら。 二十歳イケメンアイドル×年上パティシエのピュアな恋のお話。

魔法学校の城に囚われている想い人♡を救い出して結婚したい天才有能美形魔術師(強火執着)の話

ぱふぇ
BL
名門魔法学校を首席で卒業し、若くして国家機関のエースに上り詰めた天才魔術師パドリグ・ウインズロー(26歳)。顔よし、頭脳よし、キャリアよし! さぞかしおモテになるんでしょう? ええ、モテますとも。でも問題がある。十年越しの想い人に、いまだに振り向いてもらえないのだ。そんな片思い相手は学生時代の恩師・ハウベオル先生(48歳屈強男性)。無愛想で不器用、そしてある事情から、魔法学校の城から一歩も出られない身の上。先生を外の世界に連れ出すまで、全力求婚は止まらない! 26歳魔術師(元生徒)×48歳魔術師(元教師)

兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?

perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。 その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。 彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。 ……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。 口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。 ――「光希、俺はお前が好きだ。」 次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。

【短編】初対面の推しになぜか好意を向けられています

大河
BL
夜間学校に通いながらコンビニバイトをしている黒澤悠人には、楽しみにしていることがある。それは、たまにバイト先のコンビニに買い物に来る人気アイドル俳優・天野玲央を密かに眺めることだった。 冴えない夜間学生と人気アイドル俳優。住む世界の違う二人の恋愛模様を描いた全8話の短編小説です。箸休めにどうぞ。 ※「BLove」さんの第1回BLove小説・漫画コンテストに応募中の作品です

小石の恋

キザキ ケイ
BL
やや無口で平凡な男子高校生の律紀は、ひょんなことから学校一の有名人、天道 至先輩と知り合う。 助けてもらったお礼を言って、それで終わりのはずだったのに。 なぜか先輩は律紀にしつこく絡んできて、連れ回されて、平凡な日常がどんどん侵食されていく。 果たして律紀は逃げ切ることができるのか。

【完結】君の穿ったインソムニア

古都まとい
BL
建設会社の事務として働く佐野純平(さの じゅんぺい)は、上司のパワハラによって眠れない日々を過ごしていた。後輩の勧めで病院を受診した純平は不眠症の診断を受け、処方された薬を受け取りに薬局を訪れる。 純平が訪れた薬局には担当薬剤師制度があり、純平の担当薬剤師となったのは水瀬隼人(みなせ はやと)という茶髪の明るい青年だった。 「佐野さんの全部、俺が支えてあげますよ?」 陽キャ薬剤師×不眠症会社員の社会人BL。

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

不器用に惹かれる

タッター
BL
月影暖季は人見知りだ。そのせいで高校に入って二年続けて友達作りに失敗した。 といってもまだ二年生になって一ヶ月しか経っていないが、悲観が止まらない。 それは一年まともに誰とも喋らなかったせいで人見知りが悪化したから。また、一年の時に起こったある出来事がダメ押しとなって見事にこじらせたから。 怖い。それでも友達が欲しい……。 どうするどうすると焦っていれば、なぜか苦手な男が声をかけてくるようになった。 文武両道にいつも微笑みを浮かべていて、物腰も声色も優しい見た目も爽やかイケメンな王子様みたいな男、夜宮。クラスは別だ。 一年生の頃、同じクラスだった時にはほとんど喋らず、あの日以降は一言も喋ったことがなかったのにどうして急に二年になってお昼を誘ってくるようになったのか。 それだけじゃない。月影君月影君と月影攻撃が止まない。 にこにことした笑顔になんとか愛想笑いを返し続けるも、どこか夜宮の様子がおかしいことに気づいていく。 そうして夜宮を知れば知るほどーー

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。