売春少女を救う教師の話

神谷 愛

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落花を望む蕾

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「だって今この瞬間も私の価値が目減りしていくんだもの」
そんな言葉が耳にこびりつく。
別に悪意も軽蔑も彼女にあったわけではない、と信じたい。単なる冷静な自分の評価なのか強がりなのかそれすら判別できないけど。
真意はわからない、でもあの言葉がひたすらに頭の中で反芻する。

昨日、帰り道に繁華街を歩いていた。そこで見つけたのは隣のクラスの女生徒。思わず声を掛けた。授業で見たことがある程度の女生徒になんで声を掛けたのかわからない。魔がさした、というのだろうか。今回は逆の意味だが。別に教育に燃える熱血教師でもない私がなんでそんなことをしたのかいまだにわからない。
でもとにかく彼女を止めなければいけない。結果には責任が伴う。それが成人しているならなおさらだ。

「来てくれないかと思いました。双葉ふたばさん」
「あの場面を見られてこないわけないでょう。不昧らふまい先生」
「そ、そうですか」
「で?私は停学ですか、それとも反省文でも書かされるんですか?」
「?ああ、まだ誰にも報告も何もしていませんよ」
「は?なんでですか?」
「あなたの言葉が、すごく引っかかっているからです」
「言葉?」
「自分の価値が目減りしていく、と言っていたでしょう?」
「言ったかもしれないけど、それがどうかしたんですか?」
「私では絶対に思いつかない考え方だったので話を聞きたかったんです」
「そんなこと言われたって言葉通りですよ。今の若い私は今この瞬間だけなんです」
「・・・」
「中学生の時に保険の先生が言ってたんです。身体のピークは二十代が限界でそこから肉体は衰えていくって」
「・・・」
「だから私思ったんです。今の私は可愛いです。そこらの女子高生を集めてもたぶん上位に入れます。でもそのことは誰も褒めてくれません」
「だから援助交際を行っていたと?」
「そ、おじさんたちは私を褒めてくれて、お金もくれて、気持ちいいこともできる。一石三鳥です」
「つまり誰かに認めてほしい、ということであってますか?」
「まあ、ざっくり言えば」
「それは、私ではダメなんですか?」
「は?」
「私があなたを認めます。あなたが可愛いことも、頑張ってることも。それでは駄目ですか?」
「いや、だめとかそういう問題じゃ・・・」
「じゃあ、私が気持ちよくしましょう。お金は流石に難しいですけど」
「は?気持ちよくってどういうこと?男でも紹介する気?」
「まさか、それじゃあなたがやっていたことと同じでしょう?」
「まさか・・・」
「ええ、そのまさかです。こう見ても女性の扱いは男性よりも得意ですから」
「いやいや、女同士とかありえないでしょ!」
「じゃあ、残念ですが生徒指導の先生に報告するしかありませんね」
「教師が脅しですか!?」
「脅しではなく、然るべき対応です。別に一回ぐらい試してみればいいじゃないですか。さっきの口ぶりだとシたことないんでしょう?」
「う、まぁ、そうですけど。一回だけですからね」

「ほらこっち来て」
彼女を私の膝の間に呼び寄せる。意外と従順だ。急に服を脱ごうとする彼女を押しとどめる。今までどれだけ雑にしていたのだろう。碌な前戯もなく服を脱ぐなんて。
「なんで止めるんですか?」
「なんでって、もしかしていつもホテル行ってすぐ服脱いでってしてたの?」
「そうですけど・・・?」
「ひどいわね。じゃあ、ちゃんと気持ちよくなるってことを教えなきゃね」
「?」
彼女を後ろから抱きしめる。彼女の体温がよく伝わってくる。緊張しているのか心臓は激しめで、体温も高め。髪からはいい匂いがする。香水とかはつけていないらしく自然な甘さと石鹸の匂いが混ざった匂い。女子高生特有の匂い。
「何をしてるんですか?」
「いい匂いだなって思って」
「・・・変態みたい」
余計なことを言う唇を強引に塞ぐ。優しく、彼女をいたわるような、でも絶対に離さないキス。絡まる舌が互いの熱を混ぜていく。
抱きしめる彼女の体温が上がっていく。こういうキスをしたことがないらしい彼女の目がだんだんと溶けていく。完全に溶け切ったところで唇を離す。
「これが、大人の、キスよ」
「ふぇ」
「もっと、気持ちいいこと、してあげる、からね」
彼女の耳元で囁く。一言ずつ区切るように、彼女に脳に染みこませるように、甘く甘く囁く。
制服の上から彼女の胸を触る。揉むのではなくソフトに触るのがコツだったりする。蕩けた理性をさらに崩壊させるためにはいろいろと準備が必要だったりする。
キスで身体は完全に準備が整っている。でも肝心にところには何も触れず、ほとんど何もしていない。それが彼女の体にびっくりするほどの焦れと性欲を産む。
またキスをしてあげる。今度は口ではなく首筋だが。彼女の細い首に舌を這わせる。今の彼女にはとんでもない快楽だろう。
「んっ、せんせい・・・」
「まだ、ダメ。我慢してね?」
彼女を徹底的に焦らしながら、全身の感度を高めていく。

「ねえ、双葉さん。約束できる?もう援助交際なんてしないって」
「で、でも」
「約束できるなら続きをしてあげる。今までのセックスなんて霞んで忘れるくらいの快楽を教えてあげる」
「・・・」
「約束できないならここまでよ。あなたはこれ以上気持ちよくなることもないし、売春行為で停学処分を食らうことになるでしょうね」
結局彼女に選択肢などほとんどないのだ。更に実現可能な選択肢など実質一つしかない。
「わかった、先生の言うとおりにします」

「よく言えました。じゃ、続きをしましょうか」
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