とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛

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風紀委員長の紀さん

第18話 片思片愛

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 あの日から2週間ほど経った。面倒な定期テストが終わって学校全体の空気が抜け始めた頃、私はまた先輩を対峙していた。場所は生徒会室。頭の隅の冷静な自分がここでおっぱじめるのはどうかしていると言っているし、もう一人の自分はでもここが一番人が来ないと言っている。
「実はここかなり防音なのよね。なんでそんなことになっているかは知らないけど」
「だからってここ選びます?普通」
「一応これでも生徒会なのよ?ここの日程は把握出来るわ。空き教室なんかよりずっとマシよ。どっかの誰かさん達と違ってね」
「ぐぅの音も出ません」
「でしょ?ちょっとは頭を使うことね」
 前はあんまりしゃべってないので何となく雑談に花が咲く。あれだけ性欲に身を任せていれば互いのことを碌に理解してなくても性行為には及べる。でも同じ学校に通っているのなら、また会うことが確定しているのならそう話は簡単じゃない。
「先輩って生徒会役員だったんですね」
「風紀委員長を何だと思ってるのよ」
「あんまりそこら辺の話ちゃんと聞いてなかったので」
「呆れたわね・・・」
「でも、生徒会長となんだか怪しい雰囲気だという噂は聞いたことありま」
「別に何にもないわよ」
「ふぅん、の割には随分と手慣れた感じでしたけど」
 前の彼女の感じは確実にその場で私に応じただけじゃない。絶対に誰かと日常的にそういうことをしていないとあんなに上手くはできない。彼女がその道に天賦の才を持っているというのなら話は別だけど。
「別に、あんたには関係ないでしょ」
「ま、言いたくないなら良いですけど」
 食い気味で否定してくるぐらいには何か含むところはあるみたいだけど、この感じだとたぶん問い詰めたところで何も言ってくれない。
「まぁ、その誰かさんと日夜励んだおかげであんなに上手いんですね」
「・・・まぁ、不本意ながら、そうね」
 彼女をここまで鍛えたのは誰かわからないけど、その現場を想像するだけでなんだか、身体が熱くなってくる。
「そんなに興奮するところあった?」
「いや、先輩が抱かれてるところ想像したらなんか濡れてきました」
「はいはい」

 その言葉が彼女の引き金を引いたらしい。前回とは打って変わった積極性を以て彼女の唇が近づく。
「んん」
 彼女の低い身長でまるで彼氏にでもなったかのようだ。彼氏になるには私には何もついていないけれど。
 口の中に入ってくる舌が私と絡まる。ぬちゃりとした水音が口の中に広がる。同時に感じるのは少ししょっぱい味。今日のお昼ご飯の味だろうか。生徒会室、風紀委員長、どちらも私の日常にない光景だけれど、その中でもある日常の味がなんだか可笑しい。
「お昼ご飯、美味しかったですか?」
「は?」
「いや、キスが美味しかったので」
「教えるわけないでしょ」
「残念」
 彼女のスカートの中に手を入れれば、前回は履いていなかったスパッツの感触がある。太ももに指を這わせれば彼女のキメの細かい肌の柔らかな感触がよくわかる。彼女を煽るように、感触を楽しむように、ゆっくりと指を動かす。でもその時間は長くは続かない。だって全体的に短い彼女はスカートの中も短いから。スカートの裾からあっさりと彼女の足の間までたどり着く。
「ん」
 彼女の筋をゆっくりと撫でれば、しっとりと濡れていることがわかる。汗や気のせいでは片づけることが出来ない確実な湿り気が私の指を濡らす。きっとスパッツはもう今日は履けない程度には濡れているだろう。
「油断も隙も無いわね」
「先輩だけが経験豊富だと思ったら間違いですよ」
 私が先輩の足で遊んでいる内に先輩の手は私の制服の中に侵入する。今日のために着てきた新しくてかわいい下着には触れることも無い。せっかく上下で揃得てきたのに・・・。ちょっと乙女心を理解しなささすぎではなかろうか。
「先輩は女心がわからない人ですね」
「・・・よく言われるわ」
 ちょっと、いや、だいぶ嫌そうな顔をされた。何かあったのだろうか。別に今の私に何も関係がないけれど。
 私の制服の中に入ってきた指が私の胸を撫でる。触っているような触っていないような軽い触り方。むずむずとした感覚が胸に広がる。身体の芯の奥が熱くなるような感覚。久しく感じることのなかった圧倒的な気持ちよさを多分に含んだ快感が胸を疼かせる。
「ずいぶんと余裕が無いように見えるけど?」
「気のせいです」
 嘘だ。もう頭の中は今からどうやって彼女が快感をくれるのかで一杯だし、少し下半身に意識を向ければ無意識のうちに足は内側を向いている。
「ほら、こっち」
 先輩に手を引かれたのはソファーのある場所。なんで生徒会室にソファーがあるかなんて聞く暇はない。私が口を開いて何か言葉を発するよりも早く先輩は私をソファーの上に押し倒した。
「こうやって見ると随分と可愛い顔をしてるわよね」
「・・・気のせいです」
 いつもの感じにできない。所詮、ちょっとうまいだけのタチだと思ってたのに、これじゃまるであの人のようだ。初めてあの人に抱かれた夜のように手も足も出ない。
「本当に言ってるのよ?この前とはまるで別人じゃない。あなたはタチだと思ってたんだけど」
「まぁ、人によります、よ」
「私の時はネコってことね。可愛いところあるじゃない」
 もうこれ以上は聞くことは無いと言わんばかりに私の制服を脱がす。抵抗する気も無い私はどんどんと服を剥がされていってすぐに生まれた時の姿になった。
「聞き分けのいい子ね」
「・・・」
「言っておくけど、あんたのシてほしいように抱いてもらえる思った大間違いだからね」
 それだけ言うと彼女は何の遠慮もなく私の秘部に指を這わせる。昨日とは確実に違う犯すための指遣い。私を快楽で捕らえて離さないという意思を含んだ運指。
「ぅん」
 突起をつままれれば吐息が漏れるし、割れ目の上を押されれば、声にならない声が漏れる。今の私は彼女に演奏される楽器と言っても過言ではない。
「可愛い声がいっぱいね」
 それだけ私を快感の海に落としておいて、未だに私は達することも許されない。腰を動かしたって、足を動かしたって、快感が増すことは無いし達するわけもない。
「せんぱい、おねがい・・・」
「もっと可愛くお願いして?」
 急にSっ気を出した先輩の指が口の中に入れられる。私の反応を見ながらの意地の悪い笑みは、快楽で脳が溶けかけている私でもしっかりと認識できた。溶けて無くなりかけた理性と知性でも彼女を喜ばせないと快感がもらえないことはわかる。わかってしまう。

「せんぱぁい、おねひゃいだから、イひゃせてください」

「やればできるじゃない」

「う”」


 それからのことはあまり記憶が無い。気づけばびしょ濡れのソファーの上だった。隣のソファーには涼しい顔をした先輩が座っていた。
「うう」
「起きたの?」
「今何時ですか?」
「6時過ぎ」
 気絶していた時間は思ったよりも短かったらしい。とにかく服を着ないと風邪をひいてしまう。バックにある余ったお茶を飲んで一息つくと先輩が話しかけてきた。
「結局、私の方が上手いってことでいいね」
「何がですか?」
「もう忘れたの?前話したじゃない、どっちが上手いのか決めるって」
「・・・そんなこともありましたね」
「そんなって、あんたねぇ」
 一応、その話を忘れたわけじゃなかった。でも実際どっちが上手いかとかは正直なところどうでもいい。気持ちいい行為が出来て、満足できるならネコだろうがタチだろうかなんてどっちでもいいし、上手いかなんて本当にどうでもいい。
 先輩は意外と気にしてたらしいけど。
「ま、先輩のほうが上手いってことでいいですよ」
「ま、それで勘弁してあげる」
「じゃあ、一件落着ってことで」
「そうね」

「言い訳ないでしょ」
 急に聞き覚えのない声が生徒会室に入ってくる。生徒会室に入ってきた少し身長の高めな女性はやっぱりどこかで見たことがある気がした。
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