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みんな、かぼちゃに見える
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「‥‥セイロン、お前‥‥俺の物にならないか?」
「‥‥‥‥腕を離して下さい。ダージリン王太子」
「なんだよ!?あの時(剣術大会)の事を忘れたのか!一目惚れしたんだ!お前‥俺をもて遊ぶだけもて遊んでポイか!?」
「‥朝から誤解されるような発言は辞めてください」
いつからだろうか。学園の目玉となっているこの二人のやり取り‥‥。
ダージリン王太子はどうしてもセイを自分の側近へとそばに置きたいみたいだけど、セイはガン無視。出世できていいのに、セイは無関心みたい。
他の男子生徒達は最初は羨ましがり嫉妬もしていたけど、ダージリン王太子のしつこさに段々とセイには同情の眼差しを向けていた。一部の女子生徒達は、何やらダージリン王太子とセイの身分差恋とか、カップルだとか、騒いでる。密かに二人の禁断の愛の小説を書いてる人もいるとか‥‥!
「また朝から、面白い事してるわね」
そうダージリン王太子とセイを見つめるけど‥‥あれ以来、何故かセイがキラキラして見える。明らかに輝いて見える。
私は頭がおかしくなったのかしら?
‥‥ダージリン王太子も、その他の男子生徒が‥‥セイ以外、かぼちゃに見える!!
「おはようございます、リゼ様」
「‥‥エリザベス様!あの‥‥朝から申し訳ないのですがご相談に乗ってくださいますか?」
「??」
私はコッソリとエリザベス様と二人きりで話しをした。
「リゼ様が私に相談なんて、一体どうされましたか?」
「‥‥これは‥これは私の友人の友人のまた友人のお話なんですけどね!?」
「友人の友人のまた友人、のお話ですか」
「そ、そうです!あの‥今まで気にもしなかったのに何故か彼を見ると、胸焼け?みたいな、むず痒いというか‥‥しかも彼以外の男性を見ると全員かぼちゃに見えるんですよ‥‥」
私がアレやコレやと話しているのを、ずっと黙って聞いてくれたエリザベス様はただ頷いた後、私に微笑んだ。
「その女性は、彼がとても気になるのでしょうね」
「え、かぼちゃが?」
「ふふ、違いますよ。その彼を、ですよ」
「で、でも、彼女はもう好きとか恋愛はいらないはずだったのに。ただ‥‥」
「ただ?」
「‥‥‥こんな簡単にすぐ人に惹かれるなんて‥‥気になって、信じて、また裏切られて傷ついて、悲しんで、苦しくなるのって‥‥‥なんだか怖いんです」
この気持ちを認めてしまえば、また傷ついて悲しむことがあるかもしれないのが‥‥
私はセイとどうしたいのかな。
今のままでは駄目なのかしら‥‥。
「‥‥でも本当に些細な事がきっかけで気になってるだけで‥‥よくわからなくて‥」
エリザベス様は私の手を握って話す。
「私にはその友人の友人のまた友人の彼女様がどんな方かは知りませんが‥‥人を好きになる時って実はそんなに理由などないのですよ。結構しょうもない事で好きになるものです」
「‥‥エリザベス様‥‥」
エリザベス様はやっぱり‥‥素敵な女性だわ。
「私、男だったらエリザベス様を好きになってました」
そう私達が笑い合っていた時
「リゼ!」
この声は‥アッサム様!?‥‥‥いや、うん。いたわ。そういえば‥‥剣術大会以来というか‥学園でも顔を合わせないから忘れていたわ!!
「‥‥リゼ?あの‥‥久しぶりに一緒に出かけないかなと声をかけてみたんだけど‥リゼ?あれ?聞いてるかい?」
「‥‥‥‥‥びっくり。かぼちゃだわ」
「え?かぼ?」
「ううん、こちらの話よ。あと一緒に行かないです」
私はかぼちゃ、いやアッサム様の誘いを断り、エリザベス様に頭を下げてから自分の教室へと戻っていった。
固まっているアッサムをエリザベスも無視して、自分の教室へと向かう時ダージリン王太子がやってきた。
「エリザベス!またセイロンに振られたわ!」
「‥‥かぼちゃさんは黙っててくださいませ」
「え?何?なんでかぼちゃ?」
「‥‥私の場合は‥貴方以外、ジャガイモなんですけどね」
クスッと眼鏡では分かりづらいが、エリザベスは笑う。ダージリン王太子はよくわからないと首を傾げていた。
セイロンはダージリン王太子のしつこい絡みから解放され自分の教室へと戻る姿をキャンディは見つめていた。
「‥‥リゼお姉様はアッサム様とくっつくべきよね。‥‥本当に悪魔みたいで怖い人ね、ロン様は‥」
そう呟いていた。
「‥‥‥‥腕を離して下さい。ダージリン王太子」
「なんだよ!?あの時(剣術大会)の事を忘れたのか!一目惚れしたんだ!お前‥俺をもて遊ぶだけもて遊んでポイか!?」
「‥朝から誤解されるような発言は辞めてください」
いつからだろうか。学園の目玉となっているこの二人のやり取り‥‥。
ダージリン王太子はどうしてもセイを自分の側近へとそばに置きたいみたいだけど、セイはガン無視。出世できていいのに、セイは無関心みたい。
他の男子生徒達は最初は羨ましがり嫉妬もしていたけど、ダージリン王太子のしつこさに段々とセイには同情の眼差しを向けていた。一部の女子生徒達は、何やらダージリン王太子とセイの身分差恋とか、カップルだとか、騒いでる。密かに二人の禁断の愛の小説を書いてる人もいるとか‥‥!
「また朝から、面白い事してるわね」
そうダージリン王太子とセイを見つめるけど‥‥あれ以来、何故かセイがキラキラして見える。明らかに輝いて見える。
私は頭がおかしくなったのかしら?
‥‥ダージリン王太子も、その他の男子生徒が‥‥セイ以外、かぼちゃに見える!!
「おはようございます、リゼ様」
「‥‥エリザベス様!あの‥‥朝から申し訳ないのですがご相談に乗ってくださいますか?」
「??」
私はコッソリとエリザベス様と二人きりで話しをした。
「リゼ様が私に相談なんて、一体どうされましたか?」
「‥‥これは‥これは私の友人の友人のまた友人のお話なんですけどね!?」
「友人の友人のまた友人、のお話ですか」
「そ、そうです!あの‥今まで気にもしなかったのに何故か彼を見ると、胸焼け?みたいな、むず痒いというか‥‥しかも彼以外の男性を見ると全員かぼちゃに見えるんですよ‥‥」
私がアレやコレやと話しているのを、ずっと黙って聞いてくれたエリザベス様はただ頷いた後、私に微笑んだ。
「その女性は、彼がとても気になるのでしょうね」
「え、かぼちゃが?」
「ふふ、違いますよ。その彼を、ですよ」
「で、でも、彼女はもう好きとか恋愛はいらないはずだったのに。ただ‥‥」
「ただ?」
「‥‥‥こんな簡単にすぐ人に惹かれるなんて‥‥気になって、信じて、また裏切られて傷ついて、悲しんで、苦しくなるのって‥‥‥なんだか怖いんです」
この気持ちを認めてしまえば、また傷ついて悲しむことがあるかもしれないのが‥‥
私はセイとどうしたいのかな。
今のままでは駄目なのかしら‥‥。
「‥‥でも本当に些細な事がきっかけで気になってるだけで‥‥よくわからなくて‥」
エリザベス様は私の手を握って話す。
「私にはその友人の友人のまた友人の彼女様がどんな方かは知りませんが‥‥人を好きになる時って実はそんなに理由などないのですよ。結構しょうもない事で好きになるものです」
「‥‥エリザベス様‥‥」
エリザベス様はやっぱり‥‥素敵な女性だわ。
「私、男だったらエリザベス様を好きになってました」
そう私達が笑い合っていた時
「リゼ!」
この声は‥アッサム様!?‥‥‥いや、うん。いたわ。そういえば‥‥剣術大会以来というか‥学園でも顔を合わせないから忘れていたわ!!
「‥‥リゼ?あの‥‥久しぶりに一緒に出かけないかなと声をかけてみたんだけど‥リゼ?あれ?聞いてるかい?」
「‥‥‥‥‥びっくり。かぼちゃだわ」
「え?かぼ?」
「ううん、こちらの話よ。あと一緒に行かないです」
私はかぼちゃ、いやアッサム様の誘いを断り、エリザベス様に頭を下げてから自分の教室へと戻っていった。
固まっているアッサムをエリザベスも無視して、自分の教室へと向かう時ダージリン王太子がやってきた。
「エリザベス!またセイロンに振られたわ!」
「‥‥かぼちゃさんは黙っててくださいませ」
「え?何?なんでかぼちゃ?」
「‥‥私の場合は‥貴方以外、ジャガイモなんですけどね」
クスッと眼鏡では分かりづらいが、エリザベスは笑う。ダージリン王太子はよくわからないと首を傾げていた。
セイロンはダージリン王太子のしつこい絡みから解放され自分の教室へと戻る姿をキャンディは見つめていた。
「‥‥リゼお姉様はアッサム様とくっつくべきよね。‥‥本当に悪魔みたいで怖い人ね、ロン様は‥」
そう呟いていた。
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