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ヒコウキとはなんでしょうか。

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「最近飛行機に乗りたくなってきた」

ジオ様がまた呟き始めた。周りはまたか、という残念な視線を送られてるのをわかってるのかわからないのか彼はため息をついていた。言動一つ一つ、残念過ぎるけど、、そんなジオ様も、ほんの少し可愛らしいと少しだけ思ってしまうのは惚れてしまった弱味かしら…

ジオ様の発言に食いついたのは言うまでもなくジャスミン様。
「わかるわかる!私イベントでよく飛行機使ってたもん!お年玉やバイトでコツコツと貯めて乗ってたわー
私はね、断然AN◯派だわー」

「航空会社とかは俺はどうでもいいんだよ。たださ、ここの国の交通機関はかなり不便じゃないか!?船か馬車ぐらいじゃん!船も微妙だし!ありえない!!はあー、でもそれ考えたら昔の人は凄いわ。うん」


まっっったく、意味がわからないわ。さきほどの可愛らしいわね、と思った気持ちが何処かへ消えたわ。

何を言っているの?この二人は、嫌な予感がするわ。

ヒコウキ、空を飛べる乗り物らしいけどそんな夢のようなものあり得ないし馬鹿げてる、ただ、なんだかジオ様なら作ってしまいそうな…

何故かジオ様もジャスミン様もお互い見てハッ!とし、二人は頷く。ジャスミン様は、なんとゆうかジオ様の女性版だと周りは最近囁いてます。


「決めた!」そう意気込むジオ様

え?なにが?

「そうね!やるしかないわ!」更にやる気満々のジャスミン様。

だから何をするの?


「「飛行機を作る」」


あぁ…またやはり始まった。しかもジャスミン様も一緒です。

「ふっ、ジャスミンよ、これが成功したら俺らはこの世界でのライト兄弟だな!」

…誰ですか、それは。


「ねえ、クロなんだかまた大ごとにならなきゃいいのだけど」

「諦めることですね。メアリー様…」

溜息ばかりがでる。そんな日だった。


さて、この話は本当にこれだけじゃ済まなくなったわ。

ジオ様もジャスミン様も何やら国のトップの人達を呼び、設計、職人、沢山の人と雇いヒコウキとやらは時間がかかるようなのでお楽しみは後でね、とジオ様に説明されたけど…

「ジオ様…そのヒコウキとやらはいつできるのですか?」

彼はとびっきりの笑顔で

「この世界でいうと後50年かかる!」

横でジャスミン様はもっとかかるかもーと同じく笑顔でサラッと答えてたわ。


あぁ、どこから何をつっこめばいいのか本気で悩んでしまったわ…。
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