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悪役お嬢様は修羅場に出くわす
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ー次の日ー
「では行こうか!私立西園寺学園へ!」
私立西園寺学園はスポーツ、勉学共に優秀な学校であり、私は両親に今日は車でということで学園へと向かった。
「さあ、着いたよ!紫苑ちゃん」
「……ここが、私が通う学校…」
建物は白でガラス張りの窓が沢山…シンプルなデザインだけど、校庭も広くて、沢山の生徒達がスポーツをしていた。
…お茶会は何処でするのかしら?あ、そもそもそういうのはないのよね。
「…学校へ行くの楽しみかしら?大丈夫?」
お母様は心配そうに私を尋ねる。
「勿論楽しみですわ」
お母様は私の手をギュッと握りしめながら話す。
「あのね、私は記憶がなくなる前の紫苑ちゃんも、今の紫苑ちゃんも…大事な、大事な娘だからね?」
そう優しい眼差しで私を見つめてくれるお母様とお父様…この人達の為にも立派な令嬢に…いえ、魔法使いになってみせると私は強く決心をした。
学園の理事長と担任に会ったけれど、向こうはかなりビックリしていた。担任の先生なんて私を見て泣き出した。「か、改心してくれた!」とまたもや号泣する…どれだけ問題児だったのか、なんとなく察したわ。なんだか申し訳ない気持ちで困っていると、お母様は気を使ってくれたのか、まだ先生達と話すから学校を見学してきなさいと提案された。
「あ、でもどこに何があるかわからないわよね。やっぱりここにいてーー」
「お母様、大丈夫よ。わからなかったら、人に聞くわ」
そう私は先生方に頭を下げてから部屋を出た。廊下を歩いていると、チラホラと視線を感じる。制服を着てないから目立っているのね。
「…誰?あの可愛い子…みたことないんだけど」
「転校生?…でもなんか…見た事あるようなないような」
「ばーか。あんな美人の知り合いいるわけないじゃーん!」
「だよなー!」
そうアハハと男子学生達は話しをしていた。
「この時間帯は、真斗もいるわよね。確か部活をしているはず…サッカー部だったわね」
以前、テレビでサッカーとやらの試合を見る限り建物の中で部活動をするわけないわね。
「…となると、さっき校庭の方かしら?」
そう思い私は外へと向かおうとした時だ。階段近くの方で令嬢達が睨み合って、何やら争っていた。
髪が短い令嬢は涙目でもう一人の令嬢に突っかていた。
「ちょっと!人の男に手なんか出して許さない!ラインみたらアンタが誘ってたじゃん!ありえないんだけど!」
「うーわ。こっわ!嫉妬狂ってる女まぢうける!てかさ、私の方が可愛いからあっくんもこっちになびいたわけ。おわかりー?」
「あっくん、いうな!あーもう!最悪!…ぐすっ…」
とうとう、髪の毛が短い彼女は悔しさのあまり泣き出した。そんな彼女を二人の令嬢達は笑っていた。
責められている方は馬鹿にしたような笑みで彼女に更に追い討ちをかける言葉を投げた。
「てかさ、今どきキスも嫌とかオメー昔話の人かよ!」
…というか、あまりにも言葉が汚過ぎて解読不可能だわ…オメーって彼女のこと?昔話の何がいけないの?意味がわからないわ。
「本当アンタもあっくんも、さいってー!」
そう彼女は手を上げようとした時、髪の毛を束ねている令嬢が彼女を止めた。
「由美!落ちついて!この子ら貴女が悔しがってるの見て楽しんでるだけよっ!」
「文香!だって、だって…ヒック」
由美という令嬢は体が崩れて泣き出した。
反対に責められていた令嬢はニヤニヤしているだけだった。
…なんともまあ、醜い…。そうね…私も同じような経験をしたわね。
「泣いてんのマジうけんだけどー、鼻水なんて出して醜いよーあはは!」
「そうね。貴女はとても醜いわ」
私がそう答えると、四人の令嬢達の視線は一気に私の方へ集中した。
「は?誰あんた。転校生?みかけない顔だけど」
「いえ、如月紫苑といいます。わけあってお休みをしていて…」
「は?!え、なに?授業もろくにでない問題児がなに?…文句ある?」
先程までニヤニヤしていた彼女は、何故か私には少し怯えつつも威嚇していた。
ユミとフミカという令嬢は口を開けて黙ってしまっていた。私は泣いていたそのユミという令嬢にハンカチを渡した。
「これで涙を拭きなさい」
「え?あの…」
他人がどうこう言う必要ではないけれど、ちょっとそこのお馬鹿な令嬢はやり過ぎだわ。
私はくるりと振り返って、彼女の方を上から下まで見る
「ふふ。確かに、醜いわね。貴女」
「はぁああああ!??」
私は、怒りのあまり顔を真っ赤にしている彼女の頰をそっと触った。
「やっぱり…目がかなり充血していてるもの。夜更かしの証拠、ほら御覧なさいな。肌はゴワゴワでがさがさ。化粧品が合ってないようだわ。
まだ十代なのにレディとしてきちんと手入れをしてるのか疑問だわ。変な色をまぶたに塗っているけれど、腫れぼったい目にしか見えませんもの。あぁ、それと、変な香水をつけていて気持ち悪い」
そう話すと、彼女は顔を青ざめていた。
「ねえ、そこの貴女。そうユミさんだったかしら?」
急に私が話を振ってきたことに驚いた由美さんは
辿々しいものの、返事をしてくれた。
「え?は?え、うん。はい」
「こんな女にうつつ抜かしている男はそこまでの男だわ。女を見る目がない男性は将来出世もし#ないわ。だってこのような、不細工の女性にしかなびかないんですもの」
そうね。やっぱりきちんとレディとして教えてあげましょうかしら?そう私が振り向くと…
パァアアアン!
「家が金持ちだからっていばんな!クソ女!」
そう私の頰を叩いて逃げていった令嬢二人…。
頰を叩かれてビックリして固まってるわけではない、本当に言葉が汚いから何をどうしたらそうなるのか理解出来ず固まってしまった私に、恐る恐る残された令嬢二人は私に話しかけた。
「あ、あの……如月さん…や、なんか、え?ごめんなさい…」
ユミさんという方も混乱してるわね。無理もないわ…好きだった男性がほかの女性へ心移り変わったんですもの。
「如月さん、だよね…メイクしてないし、格好も普段と違うようだけど」
ユミさんの側にいた友人が私にハンカチをそっと出してくれた。たしかに頰は痛いわね。
「ハンカチが必要なのは私でなく、そこにいる由美さんではなくて?」
由美さんはポカンと口を開けていた。
「ハンカチはさっき、あんたから渡されたしいいよ。てか泣きたいの山々なんだけど…それ以上にあんたが、キャラ変してるとゆうか…」
「お2人共私をご存知なんですね」
「如月さんとクラス一緒だから…」
「え?なに?まぢでなに?どゆこと?」
更に混乱してるお2人。
「あまり、そういう言葉使いはよろしくないわ。可愛い顔が台無しですよ?私はそろそろ帰らせてもらいますわ」
結局真斗に会いにいくのはやめようと、先程の理事長室へと戻ろうとした。
「「え!?ちょっと…!?」」
私はピタリと足を止めて、二人の方へと振り返る。
「……あの…理事長室って何処かしら?」
「「……」」
二人の令嬢に道案内をしてもらい助かったと頭を下げてお礼をしたら二人はお互いの顔をつねっていた。痛くないのかしら…
「本当に助かったわ。ありがとう」
「いや、いやいやいや、こちらこそありがとうね!」
「うん、如月さん現れてビックリしたけど、なんだか止めてくれてありがとうね」
私はお2人にもう一度お辞儀をし両親の元へと戻った。
両親は私の頰が腫れているのに気づき、悲鳴をあげた。その悲鳴が廊下に響いていた…。
「では行こうか!私立西園寺学園へ!」
私立西園寺学園はスポーツ、勉学共に優秀な学校であり、私は両親に今日は車でということで学園へと向かった。
「さあ、着いたよ!紫苑ちゃん」
「……ここが、私が通う学校…」
建物は白でガラス張りの窓が沢山…シンプルなデザインだけど、校庭も広くて、沢山の生徒達がスポーツをしていた。
…お茶会は何処でするのかしら?あ、そもそもそういうのはないのよね。
「…学校へ行くの楽しみかしら?大丈夫?」
お母様は心配そうに私を尋ねる。
「勿論楽しみですわ」
お母様は私の手をギュッと握りしめながら話す。
「あのね、私は記憶がなくなる前の紫苑ちゃんも、今の紫苑ちゃんも…大事な、大事な娘だからね?」
そう優しい眼差しで私を見つめてくれるお母様とお父様…この人達の為にも立派な令嬢に…いえ、魔法使いになってみせると私は強く決心をした。
学園の理事長と担任に会ったけれど、向こうはかなりビックリしていた。担任の先生なんて私を見て泣き出した。「か、改心してくれた!」とまたもや号泣する…どれだけ問題児だったのか、なんとなく察したわ。なんだか申し訳ない気持ちで困っていると、お母様は気を使ってくれたのか、まだ先生達と話すから学校を見学してきなさいと提案された。
「あ、でもどこに何があるかわからないわよね。やっぱりここにいてーー」
「お母様、大丈夫よ。わからなかったら、人に聞くわ」
そう私は先生方に頭を下げてから部屋を出た。廊下を歩いていると、チラホラと視線を感じる。制服を着てないから目立っているのね。
「…誰?あの可愛い子…みたことないんだけど」
「転校生?…でもなんか…見た事あるようなないような」
「ばーか。あんな美人の知り合いいるわけないじゃーん!」
「だよなー!」
そうアハハと男子学生達は話しをしていた。
「この時間帯は、真斗もいるわよね。確か部活をしているはず…サッカー部だったわね」
以前、テレビでサッカーとやらの試合を見る限り建物の中で部活動をするわけないわね。
「…となると、さっき校庭の方かしら?」
そう思い私は外へと向かおうとした時だ。階段近くの方で令嬢達が睨み合って、何やら争っていた。
髪が短い令嬢は涙目でもう一人の令嬢に突っかていた。
「ちょっと!人の男に手なんか出して許さない!ラインみたらアンタが誘ってたじゃん!ありえないんだけど!」
「うーわ。こっわ!嫉妬狂ってる女まぢうける!てかさ、私の方が可愛いからあっくんもこっちになびいたわけ。おわかりー?」
「あっくん、いうな!あーもう!最悪!…ぐすっ…」
とうとう、髪の毛が短い彼女は悔しさのあまり泣き出した。そんな彼女を二人の令嬢達は笑っていた。
責められている方は馬鹿にしたような笑みで彼女に更に追い討ちをかける言葉を投げた。
「てかさ、今どきキスも嫌とかオメー昔話の人かよ!」
…というか、あまりにも言葉が汚過ぎて解読不可能だわ…オメーって彼女のこと?昔話の何がいけないの?意味がわからないわ。
「本当アンタもあっくんも、さいってー!」
そう彼女は手を上げようとした時、髪の毛を束ねている令嬢が彼女を止めた。
「由美!落ちついて!この子ら貴女が悔しがってるの見て楽しんでるだけよっ!」
「文香!だって、だって…ヒック」
由美という令嬢は体が崩れて泣き出した。
反対に責められていた令嬢はニヤニヤしているだけだった。
…なんともまあ、醜い…。そうね…私も同じような経験をしたわね。
「泣いてんのマジうけんだけどー、鼻水なんて出して醜いよーあはは!」
「そうね。貴女はとても醜いわ」
私がそう答えると、四人の令嬢達の視線は一気に私の方へ集中した。
「は?誰あんた。転校生?みかけない顔だけど」
「いえ、如月紫苑といいます。わけあってお休みをしていて…」
「は?!え、なに?授業もろくにでない問題児がなに?…文句ある?」
先程までニヤニヤしていた彼女は、何故か私には少し怯えつつも威嚇していた。
ユミとフミカという令嬢は口を開けて黙ってしまっていた。私は泣いていたそのユミという令嬢にハンカチを渡した。
「これで涙を拭きなさい」
「え?あの…」
他人がどうこう言う必要ではないけれど、ちょっとそこのお馬鹿な令嬢はやり過ぎだわ。
私はくるりと振り返って、彼女の方を上から下まで見る
「ふふ。確かに、醜いわね。貴女」
「はぁああああ!??」
私は、怒りのあまり顔を真っ赤にしている彼女の頰をそっと触った。
「やっぱり…目がかなり充血していてるもの。夜更かしの証拠、ほら御覧なさいな。肌はゴワゴワでがさがさ。化粧品が合ってないようだわ。
まだ十代なのにレディとしてきちんと手入れをしてるのか疑問だわ。変な色をまぶたに塗っているけれど、腫れぼったい目にしか見えませんもの。あぁ、それと、変な香水をつけていて気持ち悪い」
そう話すと、彼女は顔を青ざめていた。
「ねえ、そこの貴女。そうユミさんだったかしら?」
急に私が話を振ってきたことに驚いた由美さんは
辿々しいものの、返事をしてくれた。
「え?は?え、うん。はい」
「こんな女にうつつ抜かしている男はそこまでの男だわ。女を見る目がない男性は将来出世もし#ないわ。だってこのような、不細工の女性にしかなびかないんですもの」
そうね。やっぱりきちんとレディとして教えてあげましょうかしら?そう私が振り向くと…
パァアアアン!
「家が金持ちだからっていばんな!クソ女!」
そう私の頰を叩いて逃げていった令嬢二人…。
頰を叩かれてビックリして固まってるわけではない、本当に言葉が汚いから何をどうしたらそうなるのか理解出来ず固まってしまった私に、恐る恐る残された令嬢二人は私に話しかけた。
「あ、あの……如月さん…や、なんか、え?ごめんなさい…」
ユミさんという方も混乱してるわね。無理もないわ…好きだった男性がほかの女性へ心移り変わったんですもの。
「如月さん、だよね…メイクしてないし、格好も普段と違うようだけど」
ユミさんの側にいた友人が私にハンカチをそっと出してくれた。たしかに頰は痛いわね。
「ハンカチが必要なのは私でなく、そこにいる由美さんではなくて?」
由美さんはポカンと口を開けていた。
「ハンカチはさっき、あんたから渡されたしいいよ。てか泣きたいの山々なんだけど…それ以上にあんたが、キャラ変してるとゆうか…」
「お2人共私をご存知なんですね」
「如月さんとクラス一緒だから…」
「え?なに?まぢでなに?どゆこと?」
更に混乱してるお2人。
「あまり、そういう言葉使いはよろしくないわ。可愛い顔が台無しですよ?私はそろそろ帰らせてもらいますわ」
結局真斗に会いにいくのはやめようと、先程の理事長室へと戻ろうとした。
「「え!?ちょっと…!?」」
私はピタリと足を止めて、二人の方へと振り返る。
「……あの…理事長室って何処かしら?」
「「……」」
二人の令嬢に道案内をしてもらい助かったと頭を下げてお礼をしたら二人はお互いの顔をつねっていた。痛くないのかしら…
「本当に助かったわ。ありがとう」
「いや、いやいやいや、こちらこそありがとうね!」
「うん、如月さん現れてビックリしたけど、なんだか止めてくれてありがとうね」
私はお2人にもう一度お辞儀をし両親の元へと戻った。
両親は私の頰が腫れているのに気づき、悲鳴をあげた。その悲鳴が廊下に響いていた…。
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