【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま

文字の大きさ
32 / 100
アメリー 下克上編

それぞれの思惑

しおりを挟む
一週間過ぎた。所変わって、ホワイト国の国王やルチータ王子達に知らせが届いた。

フォース国王は第一王子に謀反を起こされ、現在国は混乱して、殺され現在行方不明の姫を探していると。

「フォース国の第二王子が王位に?‥‥謀反をした第一王子は幽閉され、姫は行方不明‥‥ね。ありえないね」

そうキッパリと側近であるアルフレッドに言い放つルチータ王子にアルフレッドもコクンと頷く。

「国王陛下は向こうの国の問題だから、としか答えない。だけど‥‥フォース国の第二王子は知らないが、以前お前と一緒にフォース国へ行き第一王子フレデリック様とリリアン姫様はとても物腰が柔らかい人柄だ。自分の親を殺すなんて‥‥俺でもあるまいし‥‥」

ぎゅっと自分の手を握りしめるアルフレッドにルチータ王子は少し考えていた。

「‥‥三年前、アデライト嬢に手を貸したのはフォース国の第二王子だ。彼は色々と犯罪を犯してる。‥向こうの国王も自分の息子可愛さに罰が甘かったのかな。フォース国王になるには指輪が必要だけど、彼はまだなっていない。いや、なれないのか。それに少しずつだけど‥‥この国でもおかしな事が起きてる」

「あぁ、若い男性が行方不明になる事件だろう?」

「私の可愛い弟が狙われそうだね。さて‥‥フォース国と平和協定を結んでいたが今はまたどうなるかわからないし。‥‥父上はあーは言ってるけど、あの第二王子が怪しい。行方不明のお姫様を極秘で探してみようか。

ホワイト国は警備を徹底だね」

そうルチータ王子とアルフレッドが話している時に、慌てた様子で執務室に入ってきたシリウスがやってきた。

「ルチータ殿下」

「シリウス。今兄弟仲良く話しをしているところなんだけどね」

「‥‥ルチータ、何ふざけてる。シリウス様一体何が?」


シリウスは手紙をルチータ王子に見せた。
追放されたマカロン家の長男からの手紙だった。

「‥‥うん?全部妹達の心配や縫い物とお菓子について書かれてるけど?」

「‥‥あ、それは読まなくていい内容です。最後の方を読んで貰えれば」

そうルチータ王子は手紙を読むと、クスッとと笑った。そんなルチータ王子にアルフレッドは

「‥‥また悪い顔をしているぞ」

「天は我々の味方かもしれないね。今すぐにダイアナ国とホワイト国の国境近くの方へ行くよ。彼も今馬で向かってるようだしね」


そうルチータ王子は色々と指示をし、皆密かに動き始めていた。





「セバスチャン!人参サラダ、多くないかな?ねえ、多くないかな?私ブロッコリーとかもちゃんとお野菜食べてるよ?」

「旦那様とソフィア様の言いつけでございますから」

「がーん!」


倍になってる気がするんだけど‥‥。そう人参サラダをもぐもぐと食べ終えた時、シリウス伯父様が帰ってきた。ちょっと文句言ってもいいよね!?せめてプリンを二人食べてよいか、抗議してもいいよね?

「シリウス伯父様!あのね」

「ダイアナ国近くの国境まで行ってくる。今すぐにだ」

「へ?」

シリウス伯父様がまた出かけるみたいだと話しをしてくれた。ダイアナ国は‥‥ジェイコブお兄様が住んでるところだ。

シリウス伯父様はどうやらジェイコブお兄様に会うみたい!


「わ、私も!私もいく!」


「駄目だ。危険だからね」

「だって!だってお兄様と会うんでしょう!?」

「アメリー君は賢い。だけど本当に今回は駄目だ」


「シリウス伯父様みて!私人参沢山食べたわ!」

「駄目だ」

そうパタパタとシリウス伯父様は急いで準備をしていた。

‥‥私は大人しく待つ。うん。待つ‥‥。

でもシリウス伯父様が異常に慌ててる。あまり慌てない人なのに。これは何かの事件かな?それよりも‥‥私だってお兄様に会いたい!!!

「今日‥‥悪い子になっちゃうかも。でも‥‥」


私はジェイコブお兄様が大好きな甘いお菓子を持ちリュックに入れて、コッソリとシリウス伯父様の馬車の荷物のところへと紛れて乗った。






リリアン姫を馬に乗せて走るジェイコブは、まっすぐ北の方へと向かっていた。


「‥あ、あの、ジェイコブ様‥‥」

「どうしましたか?ここの地域は寒いのでマフラーを。国境近くになれば暑くなりますよ」

「ウサギ柄‥‥‥」

とても可愛いらしい、ピンクのウサギ柄マフラーにほんの少し困惑するものの、クスッと笑ったリリアン姫だった。






別の場所で何人かの騎士団と共に国へ帰ろうと馬に乗っていた銀髪の少女がいた。

その銀髪の少女に、城からやってきた使者が手紙を渡す。

「‥‥ダイアナ国近くの国境?何故かしら」

綺麗なストレートでポニーテール姿のソフィアは帰る方向を変えて手紙の指示通りに向かっていった。


しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます

冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。 そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。 しかも相手は妹のレナ。 最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。 夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。 最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。 それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。 「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」 確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。 言われるがままに、隣国へ向かった私。 その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。 ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。 ※ざまぁパートは第16話〜です

婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。

パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。

「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。

パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、 クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。 「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。 完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、 “何も持たずに”去ったその先にあったものとは。 これは誰かのために生きることをやめ、 「私自身の幸せ」を選びなおした、 ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。

婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~

ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。 そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。 シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。 ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。 それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。 それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。 なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた―― ☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆ ☆全文字はだいたい14万文字になっています☆ ☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆

邪魔者は消えますので、どうぞお幸せに 婚約者は私の死をお望みです

ごろごろみかん。
恋愛
旧題:ゼラニウムの花束をあなたに リリネリア・ブライシフィックは八歳のあの日に死んだ。死んだこととされたのだ。リリネリアであった彼女はあの絶望を忘れはしない。 じわじわと壊れていったリリネリアはある日、自身の元婚約者だった王太子レジナルド・リームヴと再会した。 レジナルドは少し前に隣国の王女を娶ったと聞く。だけどもうリリネリアには何も関係の無い話だ。何もかもがどうでもいい。リリネリアは何も期待していない。誰にも、何にも。 二人は知らない。 国王夫妻と公爵夫妻が、良かれと思ってしたことがリリネリアを追い詰めたことに。レジナルドを絶望させたことを、彼らは知らない。 彼らが偶然再会したのは運命のいたずらなのか、ただ単純に偶然なのか。だけどリリネリアは何一つ望んでいなかったし、レジナルドは何一つ知らなかった。ただそれだけなのである。 ※タイトル変更しました

【完結】王女と駆け落ちした元旦那が二年後に帰ってきた〜謝罪すると思いきや、聖女になったお前と僕らの赤ん坊を育てたい?こんなに馬鹿だったかしら

冬月光輝
恋愛
侯爵家の令嬢、エリスの夫であるロバートは伯爵家の長男にして、デルバニア王国の第二王女アイリーンの幼馴染だった。 アイリーンは隣国の王子であるアルフォンスと婚約しているが、婚姻の儀式の当日にロバートと共に行方を眩ませてしまう。 国際規模の婚約破棄事件の裏で失意に沈むエリスだったが、同じ境遇のアルフォンスとお互いに励まし合い、元々魔法の素養があったので環境を変えようと修行をして聖女となり、王国でも重宝される存在となった。 ロバートたちが蒸発して二年後のある日、突然エリスの前に元夫が現れる。 エリスは激怒して謝罪を求めたが、彼は「アイリーンと自分の赤子を三人で育てよう」と斜め上のことを言い出した。

王命って何ですか? 虐げられ才女は理不尽な我慢をやめることにした

まるまる⭐️
恋愛
【第18回恋愛小説大賞において優秀賞を頂戴致しました。応援頂いた読者の皆様に心よりの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました】 その日、貴族裁判所前には多くの貴族達が傍聴券を求め、所狭しと行列を作っていた。 貴族達にとって注目すべき裁判が開かれるからだ。 現国王の妹王女の嫁ぎ先である建国以来の名門侯爵家が、新興貴族である伯爵家から訴えを起こされたこの裁判。 人々の関心を集めないはずがない。 裁判の冒頭、証言台に立った伯爵家長女は涙ながらに訴えた。 「私には婚約者がいました…。 彼を愛していました。でも、私とその方の婚約は破棄され、私は意に沿わぬ男性の元へと嫁ぎ、侯爵夫人となったのです。 そう…。誰も覆す事の出来ない王命と言う理不尽な制度によって…。 ですが、理不尽な制度には理不尽な扱いが待っていました…」 裁判開始早々、王命を理不尽だと公衆の面前で公言した彼女。裁判での証言でなければ不敬罪に問われても可笑しくはない発言だ。 だが、彼女はそんな事は全て承知の上であえてこの言葉を発した。   彼女はこれより少し前、嫁ぎ先の侯爵家から彼女の有責で離縁されている。原因は彼女の不貞行為だ。彼女はそれを否定し、この裁判に於いて自身の無実を証明しようとしているのだ。 次々に積み重ねられていく証言に次第に追い込まれていく侯爵家。明らかになっていく真実を傍聴席の貴族達は息を飲んで見守る。 裁判の最後、彼女は傍聴席に向かって訴えかけた。 「王命って何ですか?」と。 ✳︎不定期更新、設定ゆるゆるです。

【12月末日公開終了】これは裏切りですか?

たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。 だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。 そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。