49 / 64
マリエとカナリアの場合のバレンタイン
しおりを挟む
とあるテラスでマリア達のお茶会の様子を見ていた一人、マリエは優雅に紅茶を飲んでいた。
そして何故かカナリアも隣に立ち、呆れていた。
「ふん、やはりあの王子二人が残ったのね…」
つまらなそうに薔薇模様の扇を煽って溜息を吐いた。
カナリアは遠くから次々倒れていった男達を見てマリアのマフィンを見ながら震えていた。
「あの子、手先器用だから料理とか得意だと思ってたけど…何あの殺人鬼お菓子は」
「ふふ、可愛いらしいマリアでしょう」
愛しい目でマリアの様子を見て楽しむマリエにカナリアは呆れた顔でその場を立ち去る。
「…あー、私とりあえず用事あるんで。失礼しまーす」
カナリアと、入れ違いでトムがマリエの元に来た。
「マリエお嬢様らしくない、イタズラですね?こんな遠回しな事をして」
トムは椅子に座っていたマリエの後ろで話しをかける。
「…私はね、妹のマリアが可愛いのよ」
「えぇ知ってます」
「…トム知ってた?あの子小さい頃から…私の後ろについてきてきたけどね…いつも、そう私を通してエリオス様を見ていたのよ」
「僕はマリアお嬢様の一番はマリエお嬢様だと今でもそう思いますが…?」
「ふふ…一番とかそういう問題ではないのよ。…もしあの子がエリオス様を慕っている事を気づいたのであれば私は応援すべきだと思うけど…相手は王子。この先、色々と苦労と試練があるわ。まだあの子は知らない事が沢山あるの。だから私はー」
「見守りましょう。マリアお嬢様を。彼女は貴女の妹で強い方ですよ」
ニコッと微笑むトムにマリエは頰を赤らめた。
「ふふ、そうね。でも私ねやっぱりいつも余裕見せているエリオス様は気に食わないのよ。まだマリアは私から離れて欲しくないわね…」
寂しそうにしていたマリエにトムは薔薇の花束を渡した。
「まだまだお嬢様達には敵いませんが…はい、これ。薔薇の花がまた沢山咲きました。どうか受け取ってください」
ヘラッとたぬき顔で照れて笑うトムにマリエはまた顔を赤らめた。
「…っ。あ、あああ、貴方は本当ずるい男だわ…」
カナリアは人気のないベンチに座り、自分が作ったチョコレートプリンとフルーツゼリーを見ながら
「ま、ヒロインちゃんの手作りなんて誰も食べないもんね。トム先輩…薔薇の花束持ってたから渡したんだろうし」
自分の作ったチョコレートプリンを黙々と一人で食べていたら、
「情報屋、お前手作りなんてガラじゃねえだろう」
目の前には顔が青いスクアーロが立っていた。マリアのマフィンを食べて倒れたのが原因だとカナリアは知っていた。
「その情報屋という呼び方やめてもらえますかー、チョロアーロ」
反抗的な態度のカナリアにスクアーロは可愛くねぇなとボヤいていた。スクアーロはカナリアが食べていた
ゼリーを見てひょいっと手にとった。
「…渡さそうとして渡さなかったのか?トムに」
「だから何んですかー」
「ふーん…食ってい?」
「は?…別にいいけど…」
スクアーロは無言で食べた。カナリアも自分のチョコレートプリンを黙々と食べた。
長い沈黙が続いた。
食べ終わったスクアーロはフゥとひと息ついて
「悪かったな。前にトムはやめとけよと言って」
「やめるも何も別になんとも思ってないし…」
また長い沈黙が続いた。
スクアーロは席を立ち、
「ゼリー美味かった。今度はトムにきちんと渡せよ?ま、渡したらマリエ嬢に殺されるかもなー。じゃあな
カナリア」
「貴方も“お友達“に遠慮ばかりして、マリアに自分の気持ちを言えずじまいならないようにね。
スクアーロ」
スクアーロは目が丸くなり、ハハッと笑った。
「お前やっぱり性格悪いわ」
そう言って立ち去った。そんなスクアーロに舌を出すカナリア。
「攻略キャラでは一番好みでない貴方に言われたくないわ」
そう呟き、教室へ戻った。
そして何故かカナリアも隣に立ち、呆れていた。
「ふん、やはりあの王子二人が残ったのね…」
つまらなそうに薔薇模様の扇を煽って溜息を吐いた。
カナリアは遠くから次々倒れていった男達を見てマリアのマフィンを見ながら震えていた。
「あの子、手先器用だから料理とか得意だと思ってたけど…何あの殺人鬼お菓子は」
「ふふ、可愛いらしいマリアでしょう」
愛しい目でマリアの様子を見て楽しむマリエにカナリアは呆れた顔でその場を立ち去る。
「…あー、私とりあえず用事あるんで。失礼しまーす」
カナリアと、入れ違いでトムがマリエの元に来た。
「マリエお嬢様らしくない、イタズラですね?こんな遠回しな事をして」
トムは椅子に座っていたマリエの後ろで話しをかける。
「…私はね、妹のマリアが可愛いのよ」
「えぇ知ってます」
「…トム知ってた?あの子小さい頃から…私の後ろについてきてきたけどね…いつも、そう私を通してエリオス様を見ていたのよ」
「僕はマリアお嬢様の一番はマリエお嬢様だと今でもそう思いますが…?」
「ふふ…一番とかそういう問題ではないのよ。…もしあの子がエリオス様を慕っている事を気づいたのであれば私は応援すべきだと思うけど…相手は王子。この先、色々と苦労と試練があるわ。まだあの子は知らない事が沢山あるの。だから私はー」
「見守りましょう。マリアお嬢様を。彼女は貴女の妹で強い方ですよ」
ニコッと微笑むトムにマリエは頰を赤らめた。
「ふふ、そうね。でも私ねやっぱりいつも余裕見せているエリオス様は気に食わないのよ。まだマリアは私から離れて欲しくないわね…」
寂しそうにしていたマリエにトムは薔薇の花束を渡した。
「まだまだお嬢様達には敵いませんが…はい、これ。薔薇の花がまた沢山咲きました。どうか受け取ってください」
ヘラッとたぬき顔で照れて笑うトムにマリエはまた顔を赤らめた。
「…っ。あ、あああ、貴方は本当ずるい男だわ…」
カナリアは人気のないベンチに座り、自分が作ったチョコレートプリンとフルーツゼリーを見ながら
「ま、ヒロインちゃんの手作りなんて誰も食べないもんね。トム先輩…薔薇の花束持ってたから渡したんだろうし」
自分の作ったチョコレートプリンを黙々と一人で食べていたら、
「情報屋、お前手作りなんてガラじゃねえだろう」
目の前には顔が青いスクアーロが立っていた。マリアのマフィンを食べて倒れたのが原因だとカナリアは知っていた。
「その情報屋という呼び方やめてもらえますかー、チョロアーロ」
反抗的な態度のカナリアにスクアーロは可愛くねぇなとボヤいていた。スクアーロはカナリアが食べていた
ゼリーを見てひょいっと手にとった。
「…渡さそうとして渡さなかったのか?トムに」
「だから何んですかー」
「ふーん…食ってい?」
「は?…別にいいけど…」
スクアーロは無言で食べた。カナリアも自分のチョコレートプリンを黙々と食べた。
長い沈黙が続いた。
食べ終わったスクアーロはフゥとひと息ついて
「悪かったな。前にトムはやめとけよと言って」
「やめるも何も別になんとも思ってないし…」
また長い沈黙が続いた。
スクアーロは席を立ち、
「ゼリー美味かった。今度はトムにきちんと渡せよ?ま、渡したらマリエ嬢に殺されるかもなー。じゃあな
カナリア」
「貴方も“お友達“に遠慮ばかりして、マリアに自分の気持ちを言えずじまいならないようにね。
スクアーロ」
スクアーロは目が丸くなり、ハハッと笑った。
「お前やっぱり性格悪いわ」
そう言って立ち去った。そんなスクアーロに舌を出すカナリア。
「攻略キャラでは一番好みでない貴方に言われたくないわ」
そう呟き、教室へ戻った。
46
あなたにおすすめの小説
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】
いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。
陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々
だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い
何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ
モブ令嬢、当て馬の恋を応援する
みるくコーヒー
恋愛
侯爵令嬢であるレアルチアは、7歳のある日母に連れられたお茶会で前世の記憶を取り戻し、この世界が概要だけ見た少女マンガの世界であることに気づく。元々、当て馬キャラが大好きな彼女の野望はその瞬間から始まった。必ずや私が当て馬な彼の恋を応援し成就させてみせます!!!と、彼女が暴走する裏側で当て馬キャラのジゼルはレアルチアを囲っていく。ただしアプローチには微塵も気づかれない。噛み合わない2人のすれ違いな恋物語。
【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?
山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、
飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、
気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、
まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、
推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、
思ってたらなぜか主人公を押し退け、
攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・
ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる