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不穏な動きと囚われたマリア
しおりを挟むな、なんですと!!!口をあんぐりしていたらうさぎさんはまた笑った。
「あははっ!そんなビックリすることかな?
私はマリアを気に入ったんだよ。初めて会った時からね」
「これは…告白…だわよね」
「ははっ…マリア、混乱して言葉がおかしいよ」
え、えーと??私がサン国へ?うさぎさんは私が好き!?
初めての告白!!あれ?こんなのシナリオにないよね?私モブのはず!あ、姉様!姉様は何処かしら?
エリオスにプチトマトと姉様には姉様にはー!
「いや、あのね、うさぎさん…私」
私は好きな人がいるときちんと伝えないと!
そう思った瞬間、背筋がゾクゾクッとした。
うさぎさんと私の間に入ってきたのは、
エリオスだった。
「ねぇ…誰が、誰の、妃だって?」
「あぁ、エリオス王子か」
エリオスとうさぎさんは互いに睨み合っているようだった。
エリオスの後ろには、婚約者候補達がいて私をみては
「まあ!マリア様!サン国の王子から愛の告白ですわね!羨ましいですわあ」
「マリア様には我が国よりもサン国のほうがお似合いかもしれませんわね」
キャッキャと周りは盛り上がる中エリオスは令嬢達に冷たい声で
「…黙りなよ。あともう君達と話す事がないから下がっててもらえるかな」
そう言って令嬢達は泣きそうな顔になって走りさった。
ちょうど、カナちゃんが本を抱えてエリオスとうさぎさんの不穏な空気を感じ離れようとしていたが、そばにいたスクアーロがうさぎさんに剣を向けようとしていたため止めていた。
「ちょっ!バカ!何剣を出してるのよ?!」
「あのサン国の王子!マリアを妃にすると言い出しやがった!」
「はあぁ!!?え、ちょ、マリア!どういうこと…ってめちゃくちゃテンパってるわね。あれは…」
私は何がなんだかわからないけど、よし!エリオスにプチトマトと大根はきちんとプレゼントをしよう!この前喜んでくれてた!ハズ!
「エリオス!あのね、今日もね」
プチトマトと大根を持ってきたから、今度は一緒にこの材料でご飯を作ろうよ。それで、姉様達にも食べてもらって…皆んなとワイワイ楽しんで、
「マリア、いいかげんにして。以前言ったよね?君は無防備すぎると」
あれ、なんだか少し突き放された気がする。
「エリオス、違うんだよ?あのね、私今日エリオスにプチトマトを…あと伝えたいことも」
「プチトマトなんてどうでもいい」
苛立ったエリオスの声が響いた。あれ…なんだか息が急に苦しくて、苦しくて…いつもみたく元気に返事をしなきゃいけないのに。
エリオスはアスラの胸倉を掴み
「君さ、何を企んでるの?」
アスラはクスクスと不気味に笑った。
「…もう、時間だな。君の父…国王は元気かな?」
「…?何を言ってー」
「マリア!貴女スターローズをっ!病院に無料で配っていたと耳にしたけどっ…!!マリア!?」
あれ、姉様だ。怒っている顔から、悲しい顔になってる…
ドガーン!!!
町の方面から大砲の音が聞こえてきた。
学園も揺れて、周りにいた生徒達も騒いでいた。
姉様、クロ、トム、レオ君もかけつけてきてくれた。
姉様だ…私が一番好きで推しの姉様。やっぱり美しいなあ…
なんだろ、少し目が霞んできた。お腹減ったから冬眠しなきゃならんのかなあ…いや、チョコレートケーキを食べてから寝たい。
「マリアッ!」
大きくて優しい手が私の肩と頰に触れた。
エリオスは青ざめた顔をしていた。大丈夫、ごめんね。いつもビックリさせたり、心配させてばかりだったね。
学園の外から、サン国の衛兵が攻めてきた。
「見つけたぞ!エリオス第1王子!貴様達スター国は我が王の首を狙っていると戦争をしかけたな!
そしてクリスタルティーン家の長女!!マリエ・クリスタルティーン!!おまえは我が国の宝となるスターローズの密輸し、クリスタルティーン家はサン国の者を人身売買をしていると報告された!捕らえろ!!」
「なっ!!?そんな事は決して私達はしておりませんわ!そんな事よりもマリアを!あの子に薬を!!」
「マリエお嬢様!」
トムはマリエを庇おうとするが数人の衛兵に取り押さえられた。
カナリアはプルプル震えていた。
「パパ、ママっ!!町の方に火が…!う、うそっ、
わ、私、こんなの知らないわよ…!こんなの日本で知らないっ…」
レオやクロ、エリオスも衛兵に取り押さえられた。
アスラは意識を失ったマリアを抱き抱えた。
「キル、ラウル、ゼン、いくよ」
「「ハッ!」
取り押さえられたエリオスはアスラの方をみて、ニヤリと不敵な笑みをした。
「君…やってくれるね…」
「マリアは私が大事にするよ」
そう笑顔を見せてアスラ達は騒ぎの中消えていった。
「マリア…」
サン国の衛兵の一人が
「おい!王子の首を狩れ!王子さえ殺せば俺達も褒美もらえるぞ!」
エリオスに剣を向けているとエリオスはクスクス笑っていた。不気味なほどに。
「僕は死なないよ。絶対にね」
黒い笑顔を放つエリオスに衛兵は少し怯えるものの、エリオスに剣を向けて首を狙った瞬間、スクアーロがすかさず自分の剣を握り、衛兵数人倒した。
取り押さえられたエリオスが自由になった。
そんなエリオスを見たカナリアは思った。
「やば、あの顔は魔王そのもだわ…何が爽やか王子よ」
世にも恐ろしい姿だったと、多分語り継ぎたいかなと、泣くのをやめたカナリアだった。
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