【完結】悪役令嬢の妹に転生しちゃったけど推しはお姉様だから全力で断罪破滅から守らせていただきます!

くま

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え?人生二度目初告白されたよ!

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「いや、大根とプチトマトは違くないかな?」

と、一人ツッコミ中。

なんで私はエリオスに大根とプチトマトをプレゼントよ?!よく考えたら田舎のおばあちゃんが孫とかに渡すような感じじゃん!?色気がまったくないわ!

「…はぁ…」


…皆んな、恋をしたことがあるのかな?

誰かを好きになってその人の事毎日考えてたり、ドキドキワクワクなのかな。
姉様推しのはずがいつのまにかエリオスが気になっていた。いや、今でも姉様が好きよ!!でも、ちょっと違うんだよね。
私は前世では恋愛という恋愛経験なかったなあ。
あ、幼稚園の先生の斎藤先生は初恋だったかもなー。

よくよく考えてみたら…
姉様はどうなのかな?ゲームではエリオスが初恋相手だったけど…実際本当に何も思ってなかったのかな。
エリオスは今好きな人…いるのかな。
とりあえず、プチトマト…また渡そうかな。


「あ、メイドさん達にトマトと大根の入れ物籠をもらいに行かなきゃ!」

屋敷のキッチンに近くへいくとメイド達の話声が聞こえてきた。

「今日もスターローズ入ってきたわよー。これをお医者様に持っていってちょうだい」

「いやあーそれにしても、このスターローズってかなりの高値なんでしょう?やっぱお金持ちっていいわねえ」

「これ一本で数百万よ!庶民には無理無理!この一本でさ、百人の命は助かるらしいわ」


「マリア様の為にエリオス様やマリエ様達もあちこち商人や、医者などに声をかけて隣国の方に交渉してるんでしょー?凄いわよねえ。
でもさ、一人の為よりも、私達庶民の事も考えてもらいたいわよ。薬代だけでも、かなりかかるし!」

「アンタ、誰かに聞こえちゃうでしょ。早く仕事場に戻りましょ!」

メイド達は私に気付かずパタパタと自分の持ち場へ戻っていった。


「マリアお嬢様?どうされましたか?」
ハッと振り向くとクロがいた。

「ううん…あ!このトマトと大根をいれる籠を探しるんだけどいいのないかな?」

「それでしたら、少々お待ちください。可愛らしい籠があるので持ってきます」

「あ、クロ。因みにスターローズって買い占めてるものは何処かで保管してるのかな?」

「スターローズですか?お嬢様の大事な薬の源なので枯れないようにあちらのトムが栽培している薔薇園の隣にスターローズを沢山保管してますのでご安心してください」

「あートムの薔薇園のほうね!そっか!ありがとう!」







朝にプチトマトと大根を籠に入れてもらい、午後のお昼過ぎに丁度エリオスとスクアーロの二人が女子生徒に囲まれていた。彼女達はエリオスの婚約者候補だわ。

いつもの日常と風景。彼は王子でメインヒーローで一番人気だった。今でも男女問わず人気。

「次の放課後はサン国の王子と剣の試合をなさるのですよね!エリオス様なら必ず勝てますわあ!」

「スクアーロ様が一番剣の腕がいいのですわよ?次回はおふたりの試合もみてみたいですわね!何わともあれ、今回の王子同士の対戦は楽しみですわっ!頑張ってくださいませ」

「エリオス様、このお守りのブローチを受け取ってくださいまし!」


彼女達はキラキラしたブローチや、綺麗なプレゼントをエリオスに渡していた。メイクも髪型もエリオスに見せる為に朝早く綺麗に仕上げたのだろうと思う。
私はプチトマトと土まみれの大根…。そしてメイクすらしてない!髪はウェーブでくねくね!

「よく考えたら…長い付き合いだけどあまりエリオスの事知らないかも?」


「マリア?ボーとしてどうしたの?」

声をした方へ振り向くとうさぎさん達だった。
忍者君は私を見るなり、フッと何処かへまた逃げていった。なんで、逃げるの!?!
仲良くなろーよ!忍者君!
そんな忍者君の様子をうさぎさんやキルさん、ラウル君は笑っていた。

「そのトマトは…マリアが育てたの?」

うさぎさんは私が育てたプチトマトに興味があるようで自分が趣味でプチトマトと大根を育ててる事を話したら
そばにいたキルさんとラウル君は
「貴女はご令嬢なのに、変わったお方ですね。この国はマナーなどに大変厳しいと聞いてますが…」

「俺、おまえみたいな自由な奴は嫌いでないぜ!」

「あはは、ありがとうー!やっぱ令嬢らしくないよね!でもね、私何か作ったりするのは好きなの」



「うん、いいと思うよ。私はマリアが好きな事をすれば良いと思う。…ねぇマリア。サン国へ来ない?」


「へ??」


うさぎさんはプチトマトを持っている私の両手を優しく握って笑顔を向けてくれた。


「…サン国は君の心臓に良いとされているスターローズがとても豊富だし、料理などもマリアが好む物ばかり。
沢山トマトを育てても良いし、何より気兼ねなく、自由でいられるよ」

うさぎさんは真剣な顔で私に言ってきてくれた。

「えーと、遊びに??冬休みあたりかな?」

「ふふ、違うよ…あのね、僕の妃になって欲しいんだ」

ほほー妃ね!うんうん!妃かー!

…ん?!


「ふぁ!!?」


マリア・クリスタルティーン。人生二度で初めての告白されました!
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