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エリオスの後悔
しおりを挟む「少年!こっちおいで!一緒に食べよう!!」
銀髪の女の子が僕の手を引っ張りだしチョコレートケーキを一緒に食べようと誘ってくれたのが、彼女との出会いだった。
彼女の言動、行動はとにかく令嬢らしくない。
アホ…いや、お転婆な子で見ていて飽きないし楽しい。
周りからのプレッシャーに押しつぶされていたとき、彼女はいつも明るく笑顔を向けてくれたのが救いだった。
一緒に馬鹿な事をし、笑いあっていきたいとそう願う。
マリア・クリスタルティーン。
僕の最愛の人だ。
最近彼女は挙動不審な態度を僕にとる。声をかけると
オロオロし始め、また何かあると野菜を渡してくる。
なぜ、野菜???
勿論彼女のプレゼントは喜んで受け取るさ。
…ただ最近どうも欲深くなり過ぎたかもしれない。
サン国の王子、アスラ王子がきてからだ。
彼は僕が欲しているスターローズが豊富な国だ。
あの国はマリアが好みそうな食事ばかりだ。彼女の自由をあの国はもっている。
彼はマリアを愛しい眼差しで彼女を見つめるのが気にくわない。
マリアも彼を愛称名でうさぎさんと呼ぶのはとても羨ましい。
もう彼女を手放したくない、いっそ監禁しようかとも考えていた。
マリアを妃にしたいとアスラ王子は彼女に告白をしていたのを見て、嫉妬をし、彼女に八つ当たりをしてしまった。
自分の心の狭さに後悔した…。とても情けなくて後悔した。
マリアがアスラ王子にさらわれて、すぐに追いかけ彼を生き地獄を味わってもらいたいがそうはいかない。
これから南の森へ行かなければならないから。
僕は手首を縛られて拘束されたマリエ嬢とそばにいるトム、数人の騎士団員を連れて南の森へ向かった。
南の森へ行くと両国の旗が見え、両国の王達の間に
クリスタルティーン家当主達がサン国の兵に取り抑えられて今にでも首を切られそうな状況だった。
クリスタルティーン家は三大貴族で国の重要人物。
その当主を亡き者にしたら、どうなるか私の父、馬鹿な王はわかってて拘束をゆるしたのだろうか。
そばにいたマリエ嬢はクリスタルティーン家当主を見つけ
「お父様!お母様!」
そう叫んで彼らの方へ駆け寄っていった。マリエ嬢のそばにいたトムも彼女のそばから離れようとせず、マリエ嬢のほうへ行こうとしたのを僕は止めた。
「トムっ」
そう声をかけたがトムは相変わらずニコッと僕に向けて彼女の元へいった。
「マッ!マリエ!トム君!何故逃げなかった!ここは危険なんだぞ!あ、くぉら!そこの兵!私の娘に乱暴な事をするな!」
「貴方…少しは落ちつきなさいな。…マリエ、貴女までここにくる必要はなかったのよ…何処か遠くに、トム君と一緒に愛の逃避行も許したのに」
「お父様、お母様を置いて私が逃げるとでも?私は逃げも隠れもいたしませんわ」
「ふふ、そう…とても勇敢なお姫様を我が家はもったわね。トム君も…ごめんなさいね」
「い、いえ、僕はマリエお嬢様のそばにいたいだけなので…」
「え、おい!俺は愛の逃避行は許さないぞ!?」
「てめーは少し黙れ、すぐに捕まるヘマをしやがって」
「…すんませんした」
うん。クリスタルティーン家、あいかわらず緊張感のない家だね。
今君達殺される寸前なのに、家の中で会話してるみたいに話してる。
さて、僕は両国の間に入った。息をすぅっと吸い声を張り上げる。
「スター国の王よ!サン国の王よ!今回のクリスタルティーン家がされているのは濡れ衣です!今一度話し合いをするべきだ!」
サン国の王は私の声が届いてないようだった。ずっと私の父、国王を睨んでいる。
「スター国の国王も、一時の感情に惑わされてはならないのに!国王っ!!」
あぁ、相変わらずあの人は耳を傾けてくれない。小さい頃は色々と話しあって関係は良好だったのにいつのまにか冷え切った親子関係になってしまった。マリアとの婚約を無しにしてからだ。
たぶん、王としての重圧や沢山知らないところで決断しなければならなかったのだろう。
僕は昔、王達に何があったのかは大抵調べていた。
だからといって…こんな事をする国は国ではなくなる。
マリアなら、なんて呼ぶかな。魔王とか言って叫ぶかな…君ならあの人をなんて呼び叫ぶだろうか。
「…っ…このっ!バカ親父きいてくれっ!!!」
ピクリとスター国の王はエリオスのほうをみた。
「エリオスか…そんなに汗だくになってみっともないぞ」
サン国の王もようやく僕の存在に気付き
「お前の息子か、、ふん。なんともあの時のお前にそっくりだ。みっともないのはお前に似てるんだな」
「みっともない、貴方達に言われたくはありませんね」
サン国は顔を真っ赤にし
「ぶっ!無礼だぞ!やはりスター国は気にいらん!あの王子から殺せ!!!」
「サン国の王!貴様!まて!…エリオス!!!この場からされ!」
いつも冷静で何を考えてるかわからないスター国の王である父も流石に焦ってるね。
僕は自分の剣を持ち構える、二人とも本当…ムカつくよ。
僕は拘束されたマリエ嬢達を見た。うん、真っ直ぐに僕を見て笑顔になり
“思う存分に暴れてくださいませ“
と口を動かした。
サン国の兵達数十人僕の方へ向かってきた。
背後からはスター国の兵達も援護しようと動きだしたが僕は止めた。
「あぁ、君達はいいよ。そろそろ騎士が一人やってくるだろうし。あ、もう一人も、かな」
騎士団兵達は首を傾げた瞬間
「エリオス!!わりぃ!遅くなった!」
「エリオス王子。貴方のいうとおりに他貴族、他国に要請しました。サン国の兵の半分は既に終わってます」
スクアーロとクロがやってきた。
「うん、ようやくきたね。さて…と」
三人は並んで向かってくるサン国の兵に剣をむける。
「今、とにかく僕の虫どころが悪いんだ。この馬鹿な国王二人にはお仕置きが必要だよね」
爽やかな笑顔で王二人に向けて話すエリオスに皆顔を青ざめていた。
その時ー
「エーリーオースー!!!」
聞きたかった声、会いたかった君、あやまって抱きしめたい。
彼女だ。
そう、声が聞こえるほうへ振り向くと、愛しいマリアが少し上の崖から現れた。
「マリア…?」
あれ、マリア…ポケットにパンパンと何かをいれてるけど…それは何だい?
うん、たぶんスクアーロ達が知ってるものだよね。スクアーロ顔青くなってさっきまで威勢よかったのにプルプル手が震えてるんだもの。
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