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未来の旦那様は王子様
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ーー小説の最後にはこう書かれていたーー
【主人公アレクとローズの墓の前で涙を流す銀髪の女性がいた。
ローズの妹のレティシアだ。彼女は、国の王子と結婚をし、二人が永遠に離れないように墓を作り願った。
もう二度と二人を離れ離れにならないように、そっと赤い薔薇を添えて立ち去っていく……】
そう、この部分でお分かりだろう。私レティシアの将来の旦那様は、今目の前にいるエイデン王子なのよね。つまり、私はこの国の王妃になるということだけど……。
妙に感が良いエイデン王子だから、気をつけないと!!!
私の後ろにいるギルは、目が死んでるわ!頭が混乱しているのね!!わかるわ!
ギルは目で訴えていた。
【絶対二人にはバレないように、黙って】
【もちろんよ!】
そう目と目の会話をする私達に、エイデン王子は私の顔を覗きこんできた。
「君、新入り?」
「うへぁ!?あ、はい!失礼しました!エ、エルと申します!厳格な太陽の主君に挨拶をーー」
「今は王子としてきたわけじゃない、堅苦しい挨拶は良い。それよりギルバート」
「…はい、お久しぶりです。エイデン王子」
スッと私を隠すように、前に出て挨拶をするギルバートに、私は少し隠れるように後ろへと下がる。
「レティシアは元気かい?」
え、なんでそこで私の話が出てくるのかしら。ギルは気まずい顔をしながら私の方をチラッと見てから、背筋をピシッとして答える。
「はい、レティシアは…今南国で旅行を満喫中です」
「そうかい。いつもお茶会を誘っているが、なかなか昔のように会えなくてね。君は彼女と兄妹みたいなものだから、後でまた話を聞かせてくれ」
ギルは一瞬ムッとする顔をするものの、涼しい顔で頷いて返事をする。
ジーッと私とギルを見つめるラウル太公様は、
「……二人は髪の色がそっくりだな」
「「は、はい!!?」」
私とギルが声を揃えて出すと、エイデン王子はもう一度私の方を見つめる。
「…ふむ。確かに、髪色が似てるいるね」
ジーと二人に見られ、私は汗だくになるとラウル太公様はハッ!と何かに気づいた。
「………遠くから見てたが、知り合いのようで知り合いじゃないみたいな……なるほどな、そういうことか。エル」
「へ、?!え、なななな何がですか…!!」
私が顔を真っ青になり、ギルは現実逃避をしようと空を見上げ始めていた時、エイデン王子も「…なるほどね」
いや、なるほどって……私が女だとかバレたの!?!
「愛妻家で有名なシーモア公爵に、隠し子がいたなんてビックリだね。まあ、貴族ではよくあることだよ」
「……異母兄弟か…」
私とギルは二人の言葉に固まってしまった。ラウル太公様は私を見て話す。
「シーモア公爵はお前の存在を知ってるのか?」
「へ?え、いや、あの……」
そう私がどう答えるべき迷っていると、エイデン王子も話に入ってきた。
「シーモア公爵は知らないのかい?認知もされなかったとか?君、苦労してたんだね。見るからに貧相な体だ。そんな細さでは騎士に向いてないのでは?」
「エイデン王子…」
あれ、いつもベタ褒めな貴方は何処にいったの。
「私の部下だ。エイデン」
「あぁ、上司が君だからか」
エイデン王子ってこうだっけ?もっと穏やかな感じよね?!
二人から、殺伐とした雰囲気が高まってるきが、、。
ラウル太公様はフウとため息を出してから私の方に向き直した。
「知られてないのか、息子のギルバートは何処かで知ったというわけか。私のブラック騎士団に入った理由は、父を守れるよう力をつけたいと」
「あ、あの、ラウル太公様…?」
「シーモア公爵には私から何も言わないでおこう。とにかく持ち場に戻れ【※猫の餌の時間だ】」
「まあ僕も、別に興味のない事だ。ただ……ギルバート、今気になって可愛がっているだろうけど、もしかしたら僕の家のように、玉座を狙う愚か者かもしれないだろうから気をつけたほうが良い」
そう皮肉めいた事を言い立ち去るエイデン王子と、黙ってそのまま去るラウル太公様の二人を見て、ギルと私は床に座り込む。
「「はあああぁ」」
ギルは軽く私の頭をコツンと叩く。
「俺、寿命縮んだ」
「私も……それよりも…」
「あぁ、そうだな……」
お師匠様(父さん)を不貞した人に、させてしまった……!!!と二人は嘆いてしまった。
「それにしても……久しぶりに会ったエイデン王子だけど、昔から体が弱いし、虫も殺せない人なのに、なんでまた騎士団として入ったのかしら?
あんな感じだったかな…」
そう、私が話すとギルは呆れた顔をする。
「気づいてないのはお前だけだよ、はあ」
コツコツと歩くエイデンに、ホワイト騎士団の者が話しかける。
「エイデン王子、こちらにおられたのですね。
城下町で反乱する者がまた見つかりました!」
ピタリと足が止まり、エイデンは冷たい目で彼を見下ろして命令する。
「殺せ。一匹も逃すな」
そう静かに声だけは響く。
【主人公アレクとローズの墓の前で涙を流す銀髪の女性がいた。
ローズの妹のレティシアだ。彼女は、国の王子と結婚をし、二人が永遠に離れないように墓を作り願った。
もう二度と二人を離れ離れにならないように、そっと赤い薔薇を添えて立ち去っていく……】
そう、この部分でお分かりだろう。私レティシアの将来の旦那様は、今目の前にいるエイデン王子なのよね。つまり、私はこの国の王妃になるということだけど……。
妙に感が良いエイデン王子だから、気をつけないと!!!
私の後ろにいるギルは、目が死んでるわ!頭が混乱しているのね!!わかるわ!
ギルは目で訴えていた。
【絶対二人にはバレないように、黙って】
【もちろんよ!】
そう目と目の会話をする私達に、エイデン王子は私の顔を覗きこんできた。
「君、新入り?」
「うへぁ!?あ、はい!失礼しました!エ、エルと申します!厳格な太陽の主君に挨拶をーー」
「今は王子としてきたわけじゃない、堅苦しい挨拶は良い。それよりギルバート」
「…はい、お久しぶりです。エイデン王子」
スッと私を隠すように、前に出て挨拶をするギルバートに、私は少し隠れるように後ろへと下がる。
「レティシアは元気かい?」
え、なんでそこで私の話が出てくるのかしら。ギルは気まずい顔をしながら私の方をチラッと見てから、背筋をピシッとして答える。
「はい、レティシアは…今南国で旅行を満喫中です」
「そうかい。いつもお茶会を誘っているが、なかなか昔のように会えなくてね。君は彼女と兄妹みたいなものだから、後でまた話を聞かせてくれ」
ギルは一瞬ムッとする顔をするものの、涼しい顔で頷いて返事をする。
ジーッと私とギルを見つめるラウル太公様は、
「……二人は髪の色がそっくりだな」
「「は、はい!!?」」
私とギルが声を揃えて出すと、エイデン王子はもう一度私の方を見つめる。
「…ふむ。確かに、髪色が似てるいるね」
ジーと二人に見られ、私は汗だくになるとラウル太公様はハッ!と何かに気づいた。
「………遠くから見てたが、知り合いのようで知り合いじゃないみたいな……なるほどな、そういうことか。エル」
「へ、?!え、なななな何がですか…!!」
私が顔を真っ青になり、ギルは現実逃避をしようと空を見上げ始めていた時、エイデン王子も「…なるほどね」
いや、なるほどって……私が女だとかバレたの!?!
「愛妻家で有名なシーモア公爵に、隠し子がいたなんてビックリだね。まあ、貴族ではよくあることだよ」
「……異母兄弟か…」
私とギルは二人の言葉に固まってしまった。ラウル太公様は私を見て話す。
「シーモア公爵はお前の存在を知ってるのか?」
「へ?え、いや、あの……」
そう私がどう答えるべき迷っていると、エイデン王子も話に入ってきた。
「シーモア公爵は知らないのかい?認知もされなかったとか?君、苦労してたんだね。見るからに貧相な体だ。そんな細さでは騎士に向いてないのでは?」
「エイデン王子…」
あれ、いつもベタ褒めな貴方は何処にいったの。
「私の部下だ。エイデン」
「あぁ、上司が君だからか」
エイデン王子ってこうだっけ?もっと穏やかな感じよね?!
二人から、殺伐とした雰囲気が高まってるきが、、。
ラウル太公様はフウとため息を出してから私の方に向き直した。
「知られてないのか、息子のギルバートは何処かで知ったというわけか。私のブラック騎士団に入った理由は、父を守れるよう力をつけたいと」
「あ、あの、ラウル太公様…?」
「シーモア公爵には私から何も言わないでおこう。とにかく持ち場に戻れ【※猫の餌の時間だ】」
「まあ僕も、別に興味のない事だ。ただ……ギルバート、今気になって可愛がっているだろうけど、もしかしたら僕の家のように、玉座を狙う愚か者かもしれないだろうから気をつけたほうが良い」
そう皮肉めいた事を言い立ち去るエイデン王子と、黙ってそのまま去るラウル太公様の二人を見て、ギルと私は床に座り込む。
「「はあああぁ」」
ギルは軽く私の頭をコツンと叩く。
「俺、寿命縮んだ」
「私も……それよりも…」
「あぁ、そうだな……」
お師匠様(父さん)を不貞した人に、させてしまった……!!!と二人は嘆いてしまった。
「それにしても……久しぶりに会ったエイデン王子だけど、昔から体が弱いし、虫も殺せない人なのに、なんでまた騎士団として入ったのかしら?
あんな感じだったかな…」
そう、私が話すとギルは呆れた顔をする。
「気づいてないのはお前だけだよ、はあ」
コツコツと歩くエイデンに、ホワイト騎士団の者が話しかける。
「エイデン王子、こちらにおられたのですね。
城下町で反乱する者がまた見つかりました!」
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そう静かに声だけは響く。
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