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「愛してる」 そう言って私は崖を飛び降りた。

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「愛してる」
そう言って私は崖を飛び降りた。

夏休み真っ只中の猛暑日。私は部活が終わって家までの道を歩いていた。その時、少し前に付き合っている彼氏が見えた。しかし、さっき「今日は一緒に帰れない」と言っていたけどな、、?まぁ、聞いてみればわかる事だ。聞こうとして、近づいた時。うだるような暑さも流れるような汗もどうでも良くなるような冷たい現実がそこにはあった。隣にいる女は誰だ。私の頭の中は真っ白となった。そこに追い打ちをかけるようにお互いに恥ずかしそうな顔をしながら関節キスだなんだと言い合っている。これ以上その光景を見たくなくて私は行き先もわからず走り出していた。気づくと私は海岸に座り込んでいた。彼と一緒に来た場所だ。思い返しているうちに行ってみたい場所ができた。私と彼が付き合った場所。少し小高い山、というか崖。
頂上に着いて、彼に電話をかける。
「ねぇ、今日一緒に歩いていた女の子は、誰?」
「いや、、それは、」
言い訳を並べる彼。ここに来た時点でやることは決まっていた。ここから始まって、終わるんだ。
私のこの気持ちが嘘にならないように。彼の心に私が一生残ってくれるように。そして私のこの気持ちが無くならないように。この気持ちを閉じ込めたまま、死のう。

「愛してる」
そう言って私は崖を飛び降りた。

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