絶滅危惧種オメガと異世界アルファ

さこ

文字の大きさ
28 / 39

来客。もしくは人攫い

しおりを挟む

 起きられん。

 半覚醒状態のぼーっとした頭で一体どのくらい眠っていたのかを考える。たぶん一晩。だと思うけど。最近は自分の体感が信用出来ない。今は朝なのか、夜なのか。時間の感覚は元より狂っている。そもそも朝日が差して 目が覚めるって経験がここではほとんど出来ない。

 だって太陽が当たっていれば昼だし、太陽がみえなければ夜だし。
 ……うん? それって当たり前じゃないのか。いやでもガーデン君の気分で昼夜がコロコロ入れ替わるのはふつうじゃないよな?

 マズイ。

 だんだん何が普通かわからなくなってきている。飛空艇が昼の領域と夜の領域を自在に移動できてしまうのがいけないんだとおもうけど。時差ボケどころじゃないっての。……。ああうん、冷静に考えて異常だな。なんなのかなこの機動力。船の性能について突き詰めると怖くなるから深く考えない。うん置いとこう。

 起きることができないのは別の問題だし。

 腰に巻かれた腕をジトリと眺める。腕というパーツひとつ、それだけでも──普段それほど太くもみえないってのに、改めてみると筋肉の付き方にも無駄がなくて素晴らしくバランスが良い。つくづく俺の理想の体型だ。……わかんなくなる。こうなりたかったのか、それともこれが欲しかったのか。そっと触れると抵抗なく持ち上がる。ほっとして腕から抜け出そうとしたら、むずがるような仕草で抱え直された。
 ぐえっとなるんだけど!? 加減してくれ加減!
 ……寝てるなら無理か。それなら、とぴしぱしと叩いてみるが全然反応しない。遠慮なく体重を預けてみてもぴくともしない。……あー。もしかしてアルファは強いから一度寝たら起きないのかな。
 だって、草食動物はより早く危険を察知するために眠りが浅い。なら逆に肉食はよく眠るってことになる。あやふやな知識から強引に結論づける。
 モアサナイトは起きない。
 ……悪戯いたずらしてやろうか。

 すん、と首筋のにおいを嗅がれて硬直する。
「びっ」
 ……くりした。びっくりした! そろりと振り向いてみれば、肩越しに甘い微笑みと目が合う。

「おはよう」

「……おは、よう」 呆けてしまう。だって! 不意打ちの破壊力が! こういう幸せには慣れてないから止めてほしい。無駄にどきどきする。「ってかナイト、俺より先に起きてたのかよだまさ」
「騙された?」
 ナイトは悪戯っぽく笑う。
「……てはないけど。離してくれる?」
「大丈夫」
 ちゅ、と口づけられる。だいじょうぶって何が? 何がだ!? 甘すぎて胸焼けする全然だいじょうぶじゃない。
「あああ、もう恥ずかしいからヤメ!」
 もう一度ぐぐっと腕を突っ張るが、まるで抵抗を感じていない調子で抱え直された上に子供を宥めるように頭を撫でられた。
まどかは俺しか見えてないのに恥ずかしい?」
「……うん?」
 なぜだか、背筋が冷えた。
 声色に、若干の不穏が含まれてるように感じたのは気のせいか。……でも手つきは優しい。わからない。これ、機嫌良いのか悪いのかどっちだ?

 相変わらず腕を離してくれないってことは、良くはないな。

 ええ……一晩かけたのに? 足りないのは何だ? えー……愛情表現とか?
 少し迷って伸びをして唇を掠め取ってみた。
「起きようぜ?」
「……」
 もっと気軽に愛情表現が出来るような人間なら良かったけど、自分にはこれが精一杯だ。一応、頑張った方。いや嘘。無茶苦茶勇気を振り絞った。なのに反応は薄いのだった。
 ……ちぇ。

 と思ったんだけど。

 相手はしばらく固まったまま動かない。
「ナイト?」
 よく見たら目を見張ってる? もう一度呼び掛けるとおもむろに俺の肩に頭をもたれ掛けて、はあ、と熱い息を吐く。
「心臓に悪いよ。起きたら君がいて、正気の君からキスをくれるなんて。……嬉しくて殺されそう……」
「……そこまで驚かなくても」 それでも嬉しそうだからほっとする。「じゃ、もう気が済んだよな?」
 が、
「円は切り替えが早いね」 すっと顎を取られて顔をぐりんと戻される。「君が逃げ出したり僕をここから追い払ったりしないならベッドから出してあげてもいいよ」
「……逃げないし」
 つい目を逸らしてしまう。
 逃げるなんて思うわけがないじゃないか。

 ……これ以上鬱陶うっとうしかったらガーデン君に頼んで部屋から締め出してもらおうかなーとは考えたけど。思考を読まれてるのかな?

「いつまで見せつけるつもりだ? バカップル」

 ──え?
 世界中の不機嫌を集めて濃縮したような、地を這うようなこの声には聞き覚えがある。

 ……おもわず視線で間近の瞳に問う。けど、ナイトはなんの反応も示さない。どころかふと微笑んで再び口付けられた。おかげで頭が固定されてナイト以外が見えない。
 え。いや。今ありえない声を聞いた気がするんだけど?
 ナイトは硬直した俺に構わずに、というか明からさまにキスを深くする。ちょちょっとそれより今のは!? 制止したくても、マテすら言えない。
 ……。
 そういえばナイト、いま「しかないのに?」 と聞いてきた。本来なら「しかのに」 じゃ?

「ふっあ、ん」
 余所事を考えるなと奪うように口蓋を舐め上げられる。
「待っ、っふあ」
 身の内側からゾロリと這い上がってくるナニか……それやだ。ぐずぐずになる、その一歩手前で必死で思考を繋ぎ止め──あダメダ。陥落以前に城壁崩れてた。くっそ。首に腕を回して睨みつける。──いいよ。アンタだけを見れば良いんだろうが。
 思っただけでも伝わったのか、ご褒美みたいに舌を甘噛みされた。気分、よくなる。


「で?」
 声に身体がびくんと跳ねた。
「それは俺がいて敢えてやっているのか? 存在を忘れてるのかどっちだ?」
 張り上げてるわけでもないのによく通る、テンション低い癖に耳当たりの良い声。
 ナイトはつまらなそうに肩をすくめる。
「ワザとに決まってるだろう」
 俺はと言えば心臓がばくばくいっている。
「わ……」
 わすれてた。
「円の方は忘れてたようだね」
 わざわざ翻訳するな。
 チッという舌打ちが耳に届いた。

「……嘘」

 愕然としてしまう。なんなん? この自分に裏切られる新感覚。たったいま別の人間の存在を認識したばかりなのに、あっさり流された。
 抱き込まれてるから俺からは不機嫌声の主の姿はロクに見えない。けど、それが言い訳になるわけがなく。ナイトに触られると駄目だ。ほんと──オメガってつがい相手に皆そうなるんだろうか? 自分以外の同胞がいないことを、それを語れる仲間がいないことをはじめて残念だって思った。……理由が薄情すぎるな俺。
 ってか今なんつった?
「……ナイト、ワザとって」
 しかしモアサナイトは俺には応えず、後ろを睨んでいる。俺の背後を。

「どうして……」
 飛空艇に爲永ためなががいるんだ?

 ナイトは俺の動揺を意に介した様子もなく鷹揚に微笑む。
「円が言ったから招待したんだ」

「は──?」
「──ハッ」 爲永が鼻を鳴らす。「そちらの流儀では拉致を招待と呼ぶのか? ふざけるな」
 殺意を隠さない憎々しげな口調が相変わらずで、懐かしさすら覚える。
「仕方がないよ。僕は貴方を信用していないからね。話し合いの席を設けなければならないならせめて、安全なホームでと考えるのは当然だろう? 円の危険はなるべく減らしておきたい」
「破壊や情報を盗まれる危険性を欠片も考えていないのは馬鹿だからか? それとも性善説でも信じてるのか?」
「そこは問題ない」 嫌っている相手との会話だというのにいっそ優しげにナイトは微笑む。「どうせお前には理解できないだろう?」

 会話は唐突に途切れ、室内がシンと静まり返る。


 ……。
 ごくりと喉を鳴らしてから、口を開く。
「俺、いますごく貴重な瞬間に立ち会ってるんじゃ」
「……円?」
「だってアルファ相手にそんな傲慢な台詞を吐けるのなんて、同じアルファしかありえないよ」
「……オイ、オメガ」
 爲永が俺に冷たい視線を向けてくる。失礼だな。でも味方であるはずのナイトからも呆れた視線を向けられていた。
「円、なんでちょっとわくわくしてるの」
「怪獣大決戦だなあって」
「「ハ?」」
「あ、えーと。二大巨頭の対決って、そう言い表すこともあるような……なかったような? 元祖はガメラ対キングギドラかな? モスラ? 爲永さんわかる?」
「知るか阿呆」
「……人のつがいに」
「巨頭対決って意味なら例えばルパン対ホームズとか、元祖で遡っちゃうとキリが無いけど。ぴったりくるのはやっぱり怪獣だよね。アルファ大戦」 しまった。解説する毎に視線が冷たくなっていく。「……ふたりともやっぱり仲良くないか?」
「円……」
「あはは」 笑ってごまかす。「折角だから爲永さんもゆっくりしてきなよ。船内歩くだけでちょっとした観光になるよ」
 俺が発言するたびに同じ表情をする。ふたり揃って、滅茶苦茶苦々しい顔。
「やっぱりふたり共」
「それ以上言うな」
 爲永の突っ込みが素早い。
「円に話しかけないでくれるかな?」
「いや連れてきたのはナイトだろ。……それはそうと」 ちょっと困って傍らの番を見上げる。「このままここで話し続けるつもりか?」
「……」
 ナイトが言葉に詰まった。

 俺達、まだベッドの上で裸だからね。

 ナイトの思考パターンから推察すると、見せつける為にわざと爲永をこの場に呼んだのだろうけれど──ナチュラルに分析してから我に返る。俺の番、ろくな性格じゃないな。
「まあ俺はこのままでも構わないけど」
「え?」 ナイトが愕然としている。「円、困るよね?」
「別にいい」
「え」
「だってもう今更だろ。爲永さんが構わないなら」
「ちょ、ちょっと待って! 落ち着いて、待ってくれ」
 俺の態度に次第に動揺し始める相手を不思議な気分で眺める。ナイトが落ち着け。焦りすぎだ。
 そりゃ、あからさまに情事の後ってわかるのは気まずいけど生憎、裸を野郎に見られて恥じらう神経は持ち合わせていないし。
 ナイトが恐る恐る口を開く。
「……円、もしかして慣れてるのか?」
「慣れ?」 少し考えて、双方の認識にギャップがあるのだと思い当たる。ああ。「ひょっとしてそっちの世界の男オメガの扱いって、女子みたいになるのか? ここはオメガなんて俺以外いないから他の男と一緒くたに育ったし。そういう意味で見られるのは慣れてる」
「そんな、危険だ」
「そうでもないって」 と言っても納得しなさそうだな。「言ったろ? オメガは忌み嫌われている。だから安心だよ?」
「……円」
「えっと……じゃあ不気味の壁ってわかるかな? 一般の人から見れば、俺は人じゃなくてよく出来た人形と同じなんだよ。綺麗で、気持ちが悪い。だから襲われる危険も無いんだ。爲永さんだって俺のうっすい裸なんてどうでも良いだろ」
「すまない」
「ナイト?」 ナイトが深い溜息をついて、ひとの身体をシーツでくるみだした。とつぜんな?「……俺は荷物じゃないけど?」
「悪かった。君は君の傷に気付いていないっていうのに、僕が考え無しだった。……仕切り直そう」
「ふうん?」

「馬鹿が」

 なにか聞こえてきたけれど、珍しくナイトが言い返さない。どうしたのかと見上げれば、言われた台詞に気まずそうな顔をしてた。けどすぐに怒りに燃えた瞳に変わる。
「……そちらに言われる筋合いは無いけどね。番を守らなかったアルファに」
 次の瞬間、ガンと何かが派手に蹴り上げられた音。
「あー……仕切り直すんじゃないのか」
 身体を浮かせかけたナイトの腕を引っ張って止める。ああもう血管浮いてるしこれ。

 すると部屋の入り口の扉が開いて誰かが入ってくる。
『主の支度を待つ間、私が艦内を案内致しましょう』


 ◇ ◇ ◇


「爲永さんへの艦内案内するんじゃなかったのか?」
『しています。音声案内で同時進行中ですよ』
「はあ……便利だね」
『アレは随分やんちゃな御仁ですね。まあ、私はあの程度では壊せませんけれど』
「え……なにされてんの?」
『マドカはもう起きて動き回っても大丈夫なのですか?』
「? 問題ないけど」
『そうですか。色事に関してオメガの回復能力は素晴らしいですよね』
「知らない。なにも知らない」
『通常時との落差の激しさも流石で』
「聞こえない。聞こえないから!」
『ところでマドカ、部屋の外でモアサナイトが待ち構えているのですが』
「……。ちょっと待っててもらってもいいかな」
『了解致しました。閉め出しておきしょう』

 溜息をついて傍らのソファーに沈み込む。シャワー浴びて、着替えて、ようやく人心地がついた。──それなりに緊張してたのだ。
 あの二人、放っておくとすぐに一触即発の雰囲気になる。

「……散々な目にあった」
『ご愁傷さまです』
「身から出た錆だけど。言っとくけど半分はガーデン君のせいだからな」

 ちなみに独り言ではなく、今日のガーデン君は実体だ。
 俺の恨みがましい視線に少年はことりと首を傾げる。……ヒトガタを取っているとこの飛空艇は可愛くてあざとい。
 少年は俺の抗議に何故、と聞き返したりする手間はかけなかった。
『自業自得ですね。私を相手にしてくれなかったからですよ。話は最後まで聞くべきです』
 めっ、という仕草で指を振る。
 声だけのいつもの会話は独り言みたいで寂しいけれど、対面してるとこれはこれで複雑な気分になる。どうなのこれ。
「ガーデン君の容姿を決めたのってこの船を作ったひとの趣味? それとも自分で?」
『素晴らしいでしょう? そして私の話を聞いていないでしょう』
「ちゃんと聞いてるよ」 首を傾げる。「でもなんの話?」
『マドカ、発言が矛盾していますが、ええ、構いません。許しましょう。細かい事に固執して脱線するのは無能の行為ですし、残念ながら私は有能なのです。話とは勿論、貴方とアルファお二方の相性の件です』
 船だからかなあ。まわりくどくて何が言いたいのか理解するのに時間かかるんだけど……って。
「それだよ! ガーデン君が俺に運命の番が他にもいるとか言ったおかげでナイトが前以上に爲永に敵愾心むき出しなんだってば。ほんとやりにくくて困る」
『マドカが困る必要はないでしょう』
「いや散々な目にあったって言ったろ」
『それはマドカもモアサナイトも理解していないからです。私がすごいと言ったのは爲永氏の事ではないですよ。モアサナイトと円の100%の方です』

「……はい?」

『ほらわかってない』
 子供っぽくかわいい仕草でふんぞり返る。
「ガーデン君って何歳? それって飛空艇の年齢と同じになるの?」
『聞いてくださいってばー』
「ナイトの方が相性良いのは当然だもん」
『当然ではありません。控えめに言って奇跡です』
「嘘だね。俺はどっちが運命なのか知ってる」
『比較ではないです。数字。数字に注目して下さい。99ではなくて、100ですよ』

「……うん?」

 どう違うんだそれ。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

処理中です...