絶滅危惧種オメガと異世界アルファ

さこ

文字の大きさ
31 / 39

惨劇

しおりを挟む

 そのとき何が起こったのか、誰も問うことすらしなかった。

 俺はそれどころではなかったし、その場に残った他の面子アルファらには瞬時に「理解できてしまったこと」だからだ。

 だから、これは後で聞いた話になる。


 ──爲永ためながの奥の手はモアサナイトが知り得ないモノだった。

 この世界の過去に飛来した「神」が遺したオーパーツ。
 それは認識した持ち主の身体に埋め込まれ、任意の動作により具象化される。
 どういった目的で、どういった意図で、どういった状況を想定してつくられたモノなのかも解明されていない。
 ただ、爲永が突き止めたのは使い方だ。

 その別世界の武器は、対象の人、ひとりを粉砕する。


 ◇ ◇ ◇


 降り注ぐ肉片。

 その意味を考えるよりも、
 先に身体が動いた。──アレを取り逃したら終わる。そんなの認めない。絶対に終わらせない。

 周囲の状況がストップモーションみたいに見える。 ──まだ呆然としてる誰か。

 ──粉砕された身体はからっぽ。
 ──腕を下ろした誰か。
 ──俺を庇おうとする身体。擦り抜ける。

 実際、ほんの少しだけ時間が止まっていたのかもしれない。だって他のぜんぶの動きが止まってるなかで、唯一うごいているからわかった。

 ふわりと漂う実体のない光の塊。ぽわぽわとたよりなく明滅している。

「おいで」
 反応が無いのは声が届いていないからか。

 ──半狂乱に叫ぶ男の声がうしろに。時間、うごいた。はやく。

「こっちにおいで」 呼びかけてみても、ふわ、ふわ、と呑気に漂っている。「そっちは駄目」
 はじめてなのに感覚でわかる。アレを引き留めるのはとても難しい。ソラに行くことしか考えてない。

 ここがソラでよかった。迷ってる。どっちに行けばいいのかわからなくなってる。

 ──まわりが騒がしくなった。けど構っていられない。目の前のアレに集中する。

 手を伸ばして届かない。左右に手を動かす。ちっともこっちに注意を向けてくれない。考えろ。手を振っても見てくれないのはあたりまえだ。目がない。声が届かないのはあたりまえだ。耳が無い。
 やりかたを変える。心に直接呼びかけてみる。魂がむき出しだからいけるはず──あ。笑ってる? テンプレってなんだよ。
 ともあれ本人が気付いてくれた。ふわ、ふわと漂いながら、わずかに近づいてくる。自分自身をうまく操縦出来ていない感じが焦ったい。てのひらで覆うようにして引き寄せてみると、大人しくついてきてくれた。

「なかじま」

 ──手の中の魂が、ぶつくさと文句を言うので相変わらずなことに笑ってしまった。
 うん、ごめん。でも、なんとかするからさ。
 とりあえず身体、どうしようか。作ろうか。
 たぶん俺を全部注いでも足りないけどやろう。迷って決断──なんて悠長なプロセスを踏んでる暇も、怯んでる余裕もない。すると光の塊がちかちかとあわてたみたいに目の前を交差する。生きが良いな。

 ひとの残骸の中心まで歩いていく。ぺちゃぺちゃと足の裏が滑付ぬめつく。……あァ。踏んでごめん。
まどか。ほら」
 知ってる声に呼ばれたけれど反応してる暇が無いから無視。ほんとに時間がないのだ。無理矢理手を繋がれて。うるさいな。
 満たされる力。あれ? なんだ。こうすればよかったのか。
「いける」
「そう」
 短い応答。
 手をかざすとソレにまわりの光が吸い込まれてく。しゅわっとシャボン玉のような煌めきのあとに周辺が真っ暗闇になった。すぐあとにまばゆい光に包まれる。

「……いきなりギア全開」
 苦笑の響き。──まだだ。
「まだ」
「──どうぞ、君の思うままに」
 ここからはいっそう集中しなければ。
 時間を圧縮──一閉じこめた一瞬のその中で、思い描くようなカタチに向かってパーツを合わせてく。ぶっつけ本番での試行錯誤のうちにコツを掴んでいく。元通りしようとこだわるから難しくなる。細胞の望む方向に修正した方が上手くハマる。ハマったら増殖、複雑な器官ほど丁寧に。でも脳は復元にこだわる──だいじょうぶ。望む方向が同じ。
 複数の作業を同時進行してくから途中で止められない。気が遠くなるけれど気を失ったら失敗する。

 どれくらい経ったのかはわからない。けど経過時間はたぶん数秒。我に返ったときには目の前に真新しい身体ができあがっていた。

 すうすう寝息を立てている肌色──頬はバラ色って表現が浮かぶくらいには血色が良い。怪我は……すっかり傷がないのを確認してようやく息をつく。

 じっと見つめていたらマントでくるまれてみえなくなった。
 ……。そういえば、服まで再生できるわけじゃないから仲嶋は裸だ。
 紙吹雪みたいに細かくなった服の残骸がそのへんに散らばっていて……治療したくせに、おかしなことに今になってから怖くなった。え……それだけばらばらになったのか?
「……ちゃんと仲嶋にみえる?」
「そんなに不安がらなくても大丈夫だよ円。彼はなにひとつ変わっていないから。ほら、パーツだってどこにも余ってないだろう?」
 俺に甘いナイトの評価はイマイチ信用出来ないんだけど。紙吹雪の服に血は残っていなくて……ふわふわして消えそうだった光の塊はもうしっかりと復元した身体に根付いているのが解る。

「……蘇生そんなことができるんだったら……」

 喉が引き攣ったような声に顔を上げる……だけの動作で首がひどく重い。もう限界なんだけど。これ以上、何も考えたくないっていうのに無駄に鋭敏になった眼が無慈悲にみせつけてくる。男のどろりとした感情。
 悔しさ。悲しさ。それから──怒り。混じり合って限界まで膨れ、行き場を失った怒りが、
 ふいにすとんとこぼれ落ちて空しさに変わった。

 指一本動かすのも億劫だったから、感情の色が変わる様をただ眺めてた。

「あのときお前がいたら助けられたのか?」
 絶望の底が抜けて、それより深い闇に落ちたんならそんな眼になるのかもしれない。
「……あのとき?」
「俺の運命が死んだ日」
 知ったことじゃない。
「なんで仲嶋を狙ったの」
「お前が守られていたからだろう」
「理由になんないよ」
 なんであんたが被害者みたいに傷ついてるんだ。
 わめきたい気もしたけれど、溜息しか出ない。怒りに身を震わせるのにも嘆いて泣くのにも体力がいる。そのエネルギーを使うのが勿体ない。

 それからいまだに警戒を解いていないうちのひとりに向き直る。今にも爲永を殺したそうな顔をしてるけれどごめん。これ以上、血は見たくない。
「平気だよ」
「……円さん?」
「もう爲永さんはなにもしてこないから」
 爲永に追撃する気力なんて残ってない。ぽかんと空洞の心があるだけだ。唐突に腑に落ちた。アルファがいなくなるのはこういう時か。

 このまま放っておいたらこの人も消えちゃうんだろうな。理屈じゃなくわかる。
 それを死ぬって言うんだろうけれど。──存在がなくなる。いなくなる。
 この世界の、いなくなった他のアルファたちもこの人みたいな絶望を抱えていたのだろうか。どうせ大切なものを自分で捨てたくせに? 揚げ句の果てに寂しくて耐えられなくなるなんて、勝手だ。頭が良いのにバカなのかな。
 腹立ちと、同じくらい哀れで悲しい。

 秘書さんが動いた。そっと聞いてくる。
「あとの始末は私に任せて下さいますか」
「始末?」
「物騒な意味ではありません。お世話しなければいけないでしょうから。悪いようにはしませんよ」
「……うん。……ごめん」
 謝ると苦笑された。
「こちらの台詞でしょうに」
 言って爲永の傍に向かう。


 そのあとは誰も喋ろうとしない。
 重い沈黙が落ちる──事にはならなかった。

 すかー、すかー。すかー、すかー。

 ……。規則正しい寝息。

 ……まだこの仲嶋がちゃんと仲嶋に戻せてるのか、わからない。精神が傷ついてたりしないのか、記憶を失ってたりしないのか。
 全然分からないし、安心していいわけじゃないっていうのにホッとしそうになって泣きたくなった。

「油断はしてなかったんです」

 ちいさなトルマリンさんの声に顔をあげる。眠ってる相手を起こさないよう気を遣ってるのか。そういえば、仲嶋を抱えてるのはトルマリンさんだ。さっきまで叫び声が聞こえてた気がするのだけれど、途中から奇妙に静かだった。
 こっちも抜け殻みたいだ。

『なにを今更ですよ。初めからわかっていた事じゃないですか。運命を失ったアルファなど手負いの獣と同じです。なりふり構わないから力の差など簡単に覆される。危険な相手だと貴方は充分に認識していた。これだって予測していた展開のひとつです。唯一の不確定要素はマドカでしたが、最適な結果では』
「……油断してなかったのに」
 うつろにおなじ台詞を繰り返す。
『こちらの言葉で窮鼠猫を噛むと言うそうですね』
 トルマリンさんが怖い。
 咄嗟にガーデン君を後ろにかばった。

 ……すごいよく動けたわ俺。自画自賛した途端にふらっと蹌踉よろけて背中を支えられる。当然ナイトの手だ。

 そんな俺を見て、なにを思ったのかはわからない。急に力を無くして座り込む。
 とたんに後悔する。トルマリンさんを悪者みたいに扱って、俺は何様だ。ぜんぶ身から出た錆なのに。
「……ごめんなさい」

「円さんが謝らないで下さい」
『マドカが謝罪する必要はないです』

 ふたつの台詞がハモる。
 でも俺だってわかってる。
「……仲嶋をこんな目に遭わせたのは俺の我が儘のせいだろ。俺、だって寂しいからって甘えて呼んだだけなんだよ。ぜんぜん、危険だなんて考えてなかった」
 唇を噛みしめる。どうして誰も止めてくれなかったんだ……なんて恨みがましく思うのは御門違いだ。
「それは」
「謝ったって意味ないのはわかってるけど」
「円さん、そういう意味で謝らないでと言ったわけじゃ」
 身体が重い。けど、後悔だとか責任だとか、そっちの重さで押しつぶされそう。

 くちゃん、と音がするまでは。

 ……。
 クシャミ?
 ……仲嶋、眠ってるくせにちょいちょい雰囲気ぶち壊しにくるよな。いや悪い空気だから壊してくれて全然構わないんだけど。
 ってそれよりも、
「仲嶋さむいの?」 聞いても依然として眠ったままだけれど、俺の台詞に呼応するようにぶるっと身を震わせた。「……裸をマントだけでくるんでるからじゃ?」
 トルマリンさんがあわあわ慌て出す。
「ええっ? だって咄嗟にこれしか。で、でも寒くはないはずです。防寒としても遮熱としても」
「てか熱出してない? 普段より熱が高かったりしてない?」
「ええ!? わかりませんよ! 俺、直接肌触ったことないですもん!」
 聞いてないよ。
 でも、どおりで頬がバラ色だったわけだ。
「落ち着いて。とりあえずベッドに寝かせようか」
「なな治せないんですか? 円さんの治癒は?」
「えー。俺はこれ以上、手を出さないほうがいいと思うよ。疲れからきた熱じゃないのかな。言ってもみれば一気に身体の全部を酷使したんだもん。細胞が頑張った証拠だよ。いま仲嶋に必要なのは俺より休息」
『静かな寝室を用意しましょう』
「トルマリンさん仲嶋の移動、頼める?」
「はい!」

「円もね」
 とモアサナイト。
「は?」
「疲れてるだろう」
「ナイトは大丈夫? 一緒に力を使ってくれたんだよね」
「うん。幸せだったな」
「そうじゃなくて俺」
「このままだと君は彼が目を覚ますまで看病しそうだからね」
 珍しく台詞を遮られる。
「うん?」
 それがなにか?
 俺の表情を読んでナイトはくすりと笑う。
「眠ると良い」

 前触れもなにもない。そのまま、すぱんと刈り取られたみたいに俺の意識はブラックアウトした。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

処理中です...