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ティータイム
しおりを挟む「へえ。あのおっさん、そんな名前だったんだ」 仲嶋の台詞には恨みも何の温度もなくて、テレビ越しのニュースを聞いた時のような平坦な表情。冷たさすらない。完全に他人事だ。「通りで金針さんが途中でいなくなったわけだわ」
危篤?
「……どういう意味」
一方、こっちは全く受け止めきれていない。
「死にそうってことだろ」
「なんでだ? そんなの聞いてない」
「俺も知らんて」 くいっと袖を引っ張っられて再び座らされる。……座らされたから、自分が無意識に立ち上がっていた事を知る。「落ち着け」
「だって、嘘だろ。さっきまでちゃんと、生きてたのに」
「落ち着けっての。まだ生きてるんだろ」
「あ、あそうだよね」
おかしいな。
俺はなんでここまで動揺してんだ?
言ってしまえば、爲永なんて俺に必要な人じゃない。傲慢で怖いし、好きな人間じゃないし友達ですらない。命を助けたって感謝すらされないし……いや求めてないけど。そもそも何度か殺されかけた。それも理由、アレほんの弾みだと思う……考えてみればホント散々な酷い扱いを受けてきたな。あの人、俺を視界に入れるのすら嫌ってる気がする。いなくても良くないか? ──嫌だ。
だって、爲永がいなくなったら俺だけになる。ひとりきりの。違うだろ。俺にはナイトがいる。でも嫌だ。置いてかれる。
なんで消えるの?
生きる価値がなくなったから?
「……ああもう」
頭を抱えてテーブルに突っ伏す。嵐みたいに荒れ狂う感情が全く制御できなくて、そんな自分に戸惑う。
とりあえず爲永のところに行かなきゃ……考えた途端に強く、行きたくないって思う。なにも見たくない。だって、期待されても困る。俺に何ができる? 治癒?
無理だろ。本人に生きる気力がない。
大体、何もできなかったら俺が爲永の死を看取るのか? 無理。
「まどか、そこで寝るな邪魔。頭どけろ」
声に顔を上げた。
「……?」
席に戻ってきた仲嶋が左手に下げてるのは……ポット?
白くて花柄の、年代物のやつ。右手にはトレーを持っている。
どこから調達してきたんだろう。というか戻ってきたって事はいなくなっていたのか? 全然気が付かなかった。でもテーブルのおにぎりの皿は片付けられてるし。それなりに時間経ってる? 俺、どれだけ呆然としてた?
静かに混乱する俺を余所に、仲嶋は右手のトレーをテーブルに乗せる。
「ホント、言えばなんでも出てくるなここ」
トレーの上には急須と、湯飲みふたつと、茶筒。
悠長に茶を淹れてる場合かって不満をぶつけたくなって、やめる。
怖くて動けない自分が言えた義理じゃなかった。
すると仲嶋が視線を宙に彷徨わせる。
「ガーデン、今聞いていいか?」
『いつでもどうぞ、ナカジマ』
……?
違和感。
ガーデン君との会話は飛空艇との会話と同じだから艦内ならどこででも出来る。ガーデン君は人の姿を取る必要は無いのだ。けどつい無意識に姿を探してしまうって心情はわかる。だから違和感の正体はそれじゃなくて別の。……口調? ……あ。わかった。単にガーデン君と仲嶋の会話をほとんど聞いたことがないから珍しいんだ。でも──答えを掴みかけたところで仲嶋の台詞に思考を中断される。
「おっさんの容態ってさ」
「爲永さんをおっさんて」 台詞を遮るためだけに口を開く。「呼ぶ人はじめてみたんだけど。仲嶋すごいな」
危篤とかの話題はちょっと待って。ちょっとだけ待って欲しい。まだ向き合いたくない。
「すごいのはお前の方じゃね?」 仲嶋はぽぺん、と軽い音を立てて茶筒の蓋を開ける。「まどか以外にあの人を爲永って呼ぶ奴、いないだろ」
「……なに言ってんだ? ただの名字だろ」
「それだよ」
「え?」
「俺なんてどう呼んでいいかわかんなくて金針さんに聞いたもん」
急須の中にいかにも適当に茶葉を放り込む。
「秘書さんに? 妙なこと気にするんだな」
「営業の鏡だろ?」
「普通に名字で呼べばいいだろ」
──あの花柄の古いポットは上のボタンをぐっと押すとお湯が出てくる仕組みらしい。
「普通ね。まァ金針さんも好きに呼んで良いって言ったけどさ」 急須にポットのお湯がじょーじょーと注がれていく。「普通はあの人、下々からアルファって呼ばれてるんだってな。流石本物」
「サスガの意味がわかんない」
じょー。じょー。電源のないアナログなポットのボタンはどこか重そうだ。
「流石だろーが。アルファなんて固有名詞じゃないのにアルファと呼べばあの人の事を指すんだぜ? アルファを騙るベータが腐る程転がっているこの世の中で、だ。……ここまで説明すりゃお前にも凄さがわかる?」
仲嶋はお湯の溜まった急須を片手で持つ。
「……言い聞かせてくれなくてもわかるけど。ベータってアルファの偽物と本物の違いが見分けられたっけ?」
とぽとぽぽ、ふたつの湯飲みにお茶が注がれていく。
「ふん。オメガみたいに嗅ぎ分けられなくてもベータは別の本能でアルファがわかるぜ?」
ベータの本能……あるのか。なら仲嶋は? ぴくりと反応した俺の目を流し見て、仲嶋はなんでか口の端を上げる。
「……どうやって?」
「簡単だ。見りゃわかる──アレが格上の存在だってな。凡人だって虎や熊を目の前にすりゃ敵わないってのは本能でわかるだろ? それと同じな」
湯飲みがひとつ、俺の目の前に置かれる。
「……ありがと」
お礼はしたものの、淹れてくれたお茶をただ眺めてしまう。
「しがないベータは皆、爲永サンと遭遇してはじめて本物を知る。で、巷に溢れる名誉アルファなんざ塵芥同然だっていう現実を思い知るわけ。だから敬意と服従をこめてアレをアルファと呼ぶのさ。名前なんかで軽々しく呼べないさ。おっかねえ」
「嘘だよ。仲嶋、トルマリンさんとか平気じゃん」
「そりゃ、あっちがわきまえてるんだろ。俺の前では親切にオーラ抑えて猫被ってくれている。トルマリンの本当の姿なんて見せてもらった事ないよ」
「……ドライだな」
仲嶋は俺が湯飲みに手を付けないのにもお構いなしでひとりでずずっと茶を啜る。
「まぁ、まどかは爲永サンさんを絶対にアルファとは呼ばないけど?」
指摘にゆるりと頭をあげる。
この友人は雑に見えて、意外と人のことを見てる。
「俺はバースで呼ぶのが嫌いなだけ」
俺も湯のみを手に取る。あったかい。
「あー」 仲嶋はチロッと舌を出して顔を顰めてる。……熱すぎたのか猫舌か。「アルファと違ってオメガは侮蔑するための呼び名になってんな」
「それは構わないんだ」
「……へえ?」
「未来への希望のオメガだ、とか持て囃された時の方が困るよ。俺に種族の行く末を託されてもさ」
「まあ知ったこっちゃないな」
「思ってても言えないし?」
なんとなく笑う。仲嶋に習って俺もずずっとお茶を啜る。
過去から未来、長きに渡る種族の命運なんて個人が背負うには重すぎる。
複雑な心境とは裏腹に、喉を通った熱にほうっと溜息が洩れる。
「つまり、まどかは自分がオメガって呼ばれるのが嫌いだから為永サンもそうだと思って名前で呼んでやってるんだ? やっさしーな」
完全に馬鹿にした口調に首をかしげる。
「仲嶋、喧嘩売ってる?」
「呆れてるだけさ」 吐き捨てるように言われる。「オメガがアルファに同情すんなよ」
「あー……まあ、おこがましいよな」
「違うわ。不毛だっつってんの。あんな奴、同じだけの情なんて返してくれてないんだから──笑うな気持ち悪い」
だって、俺の為に怒ってくれてるのか。
「知ってる。爲永さんだって俺に同情されるなんて御免だろうし、嫌われてるのもわかってるんだけどさ」 気分的には苛立ちでばんばんとテーブル叩きたい気分。しないけど。「仕方ないじゃん。俺はあの人が気になる」
「ふうん。それって恋愛? 裏切り?」
遠慮もなく聞いてくるから逆に気が抜けて笑う。
「違うよ。……でもナイトが信用してくれるかはわかんないなあ」
だから心の底にわだかまってる不安も言える。
相手は心底面倒臭そうな顔をする。
「煽っといてなんだけどややこしくすんなよ?」
「仲嶋ひどくない? 相変わらずで何よりだけど」
「てかお前それで悩んでんの?」
「悩みって別に。爲永さんに対する感情が自分でよくわからなくて気持ち悪いだけ」
「そんなのシンプルに考えりゃわかるだろが……ああ」 仲嶋の声が面白いものを発見した時みたいな響きになったので、首をかしげる。「まどかはオメガだから知らないんだな」
「え。わかるの?」
他人なのに。仲嶋は肩をすくめる。
「それは仲間意識だ」
「……あはは」 乾いた笑いが洩れる。「オメガがアルファに仲間意識って。それこそ嫌がりそう」
「アレを同族のカテゴリーに入れてるから心配すんだろ? 言っとくけどお前、アホみたいに懐でかいぞ」
ふ、と溜息なんだか呆れなんだかわからない息を吐いて、仲嶋が背もたれに背を預けてこっちを向く。
「で、どうすんだ?」
どうする? もう一度自分自身に聞いてみる。俺は彼を治療できるか? ──厳しい。
「そりゃ会いに行くよ」
でも口から出た答えはまるきり迷いのないもので、そんな自分に可笑しくなる。
『でしたらマドカ、モアサナイトへの対応を考えておいて下さいね』
「どういう意味? ……あ。ナイト、爲永さんのところにいるのか」
『看病ではなく監視が目的ですが』
「……少しのあいだナイトを追い出せないかな?」
「なんで?」
仲嶋が聞いてくる。
『モアサナイトはあなたの邪魔はしませんよ?』
「知ってるよ。ナイトは本心ではたとえ爲永さんを排除したいって思ってても俺の言うことなら聞いてくれる」
でもそれは嫌なのだ。
「はん。以心伝心か? ベータの俺にはわからない感覚だな」
ベータか……湯飲みを抱えたまま考え込んで顔を上げたら仲嶋がじっと俺を観察してたからビクッとした。
「な、何かな?」
……さっきからちょくちょく試されてる気がするのは気のせいだと思いたい。
「じゃあまどか、お前に聞けばわかるかな」
「な、にを?」
「どうしてモアサナイトさんはまどかにおっさんの危篤を隠そうとしたんだ? この期に及んで死にかけの人間が危険ってこたないだろ」
「それは……」
『勿論、危険だからですよ。モアサナイト達は何より爲永晶虎にあなた方を道連れにされる事を危惧しています』
ガーデン君からのフォローが入った。
「道連れ」 仲嶋は胡乱げ。「攫うんじゃなく、殺すって意味?」
『仰るとおり。どうもナカジマは他人事に見ているようですが覚えておいて下さい。弱っていても油断できないのがアルファです。存在が消えかかっている時こそ脅威と考えるべきです』
ガーデン君、さっきも似たような台詞を言ってなかったか? と思ったけどあの時の仲嶋は寝てたんだった。
「はいはい」 不穏で物騒な警告をされた割に仲嶋の反応は緩い。「ならまどか、トルマリンに付き添いを頼めば? お前が頼めばアイツは上司に逆らってでも協力するよ? 変に個人的恨みもないだろうし」
「……無理カナー?」
個人的恨みならあるとおもう。
仲嶋がにこりと笑って聞き返す。
「いつの間にだ?」
「え?」
「だから、爲永サンはいつ、トルマリンに恨まれることをしでかしたんだって聞いてんだよ。アレを怒らせるってよっぽどだよな? なにかあったのかな?」
「……」
笑顔に背筋が冷える。
そうだった。仲嶋は勘が良い。
俺の態度から何かしら感じ取って怪しいって疑うのは当然だ。でも素知らぬ顔で揺さぶりをかけてくるところがタチ悪い。どうせ気付いてるってなら普通に聞いてくれれば吐くんだけど!? これじゃ誘導尋問されてるみたいで余計喋り辛いよ性格悪いな! と言いかけて結局は押し黙る。
……問題はどこまで気付いているか、なのだ。
安い挑発に乗せられて迂闊に口を滑らせるわけにはいかない。だって仲嶋は素直じゃない。ショックを受けても平気な顔をしそうだ。
慎重に。どこまで明かせば大丈夫? 一度バラバラにされて蘇生されたこと? それとも──どうしたって、ダメージは受けるよな……。
最初は気のせいだと思ってた。けど回復した仲嶋から感じる──変わった──という違和感は、気のせいどころか時が経つほどに強くなる一方だ。もしそれが正解だったら俺はどう謝ればいいんだろう。
『一言よろしいですか? 本当に危険なら私はあなた方に知らせていませんよ』
「え?」
『アルファという生き物はオメガの番に対して過保護すぎるのです』
「はあ」 と仲嶋。「俺の認識じゃむしろアルファってオメガを虐げてる印象だけどな」
「……少なくともナイトは過保護」
『十二分に過保護ですね。ですからこういう命令は無視する必要があります。この塩梅が難しいのですがご安心下さい。優秀な私には適宜な対応が可能ですから』
仲嶋が鼻白む。
「……これ暴走してねえ?」
「大丈夫。ガーデン君は通常でこれ」
「それはそれでどうよ。飛空艇ってこうちょいちょい自慢ぶっこんでくるものなのか? 他の飛空艇も同じ?」
『勿論、私が唯一無二です』
「あっそう」
……でもおかけで少し気が抜けた。ガーデン君は仲嶋の気を逸らしてくれたのかもしれない。
ひとつ息をつく。問題は山積みだが、まずは差し迫った方に目を向ける。
「爲永さんところ行ってくる」
「ふうん。俺も一緒に行こっかな。お見舞い」
その提案に肝が冷えた。
「絶対駄目」
「なんでだよ」
「なんでもなにも、仲嶋は関係ないだろ」
「ええー。俺だけ除け者にするなよ」
「そっちこそ食い下がることないだろ」
本人が覚えてないのが幸いだけど、こっちはトラウマだ。いくら安全だって爲永の前に連れていけるわけがない。仲嶋は無邪気な顔して首を傾げる。
「わかった」 冷めかけの茶を一気に呑んで、むしろ機嫌良く立ち上がる。「一緒に行く必要はないか。ひとりで勝手に行」
「天邪鬼だな!」
「そういう気分なんだもん。さてガーデン」
『はい』
仲嶋は口の端を上げる。
「お前は俺とまどか、どっちの言うことを聞く?」
「え」
何言ってんだ。ガーデン君の答えは決まってる。以前に聞いた。
『──当艦の主はモアサナイトですが、序列はモアサナイトよりも番(つがい)であるマドカの方が上です。命令の最上位はマドカからのものとなりますね』 ……だろう。『ただし、私の行動理念の根本にはオメガの寵遇がありますのでどちらを優先するか一概には決めかねます。ですからそこは穏便にオメガ同士で話し合って決めてくださいますか?』
「は?」
オメガどうし? 言葉の意味がわからない。
「……ガーデン、お前さあ」 硬直した空気の中、呆れたように口を開いたのは仲嶋だった。「俺に隠すのが面倒になっただろ」
「な」
『バレているのに隠す必要がありますか? そもそも私は隠していませんし、マドカもトルマリンも打ち明けそびれていただけでしょう』
「俺、トルマリンとなんかろくに話してないんだけど」
仲嶋とガーデン君の会話を呆然と聞く。
「……な」
そこから二の句が継げない俺に、仲嶋は小首を傾げる。
「ナゲット?」
……どうしよう。
ほんとさっきから認めたくなかったけど、仲嶋が可愛い。
『ナゲットはナカジマの好みでしょう。脈絡がありません。マドカの台詞の続きを予測するなら「な」からですから恐らく「仲嶋」か「何」か』
「冷静な突っ込みは止めろって。いたたまれないから」
顔の作りは変わってない。けど──肌が赤ちゃんみたいだ。唇は艶々とどこか艶めかしく、白目は目の縁まで澄んでいて黒目は光を反射してキラキラと輝いている。……そんなだから本人は嫌味を演出してるつもりだろう仕草が小悪魔っぽくなって、つまり可愛いでしかない。これがワザとならあざといだけなのに、無自覚なところが怖い。これ野に放っちゃいけない奴では。
「な……仲嶋、オメガになっちゃったの?」
俺の問いに仲嶋は片眉を上げる。
「元凶のお前が聞く?」
『マドカが聞きますか』
ユニゾンの突っ込みに思わず身体が仰け反る。
「だ……だって確証がなかったし! そりゃもしかしたらって思ったけど、迂闊なことなんて言えないし……なんで仲嶋の方が詳しいんだよ!?」
仲嶋は肩をすくめる。
「別に詳しくない。ただ身体の調子がさ」
「悪いの!?」
「逆、逆。古傷が消えてんだよ」
「ふるきず」
「ほら、男なんて生きてりゃそれなりに傷こさえてるもんだろ?」
「え……注射跡とか?」
「違うわ! ガキの頃にガラスに突っ込んで踏んだときの足の付け根とか、火傷の痕とかあるじゃん。それが全部リセットされてりゃね?」
話だけで痛みを錯覚して怯んだけれど、ムッとした顔をつくって誤魔化す。
「それ男関係ないじゃん」
「プロレスごっことかしたろ? あとはまあ……根性焼き?」
「なかじまあ」
「涙目になるなよ」
「でもそれだけじゃオメガに変化したってわからないんじゃ……」 はっとする。「オメガの自覚あるの!?」
長年この性別でやってきて、俺が自らのバースを強く自覚したのは生理と発情の時だけだ。
もう発情が?
「いやまったく?」 俺の焦りに反して仲嶋は拍子抜けするほどあっさりと笑う。「バカじゃなきゃ話の流れで察するって。あと飛空艇の態度な」
『はい』
「俺に対する扱いが急に変わったんだよこいつ。やけに俺にかまい倒し出すから」
「それ……」
『ご推察の通り、ナカジマがオメガになって私の中で優先順位が上位に変わりましたから』
「……大丈夫?」
素直に答えるわけはないのだけれど、つい聞いてしまう。
「そんな事よりさ」 仲嶋は答えずに肩をすくめる。「早く行こうぜ? 爲永サンのところ」
明らかにそんな事ではないのだけれど。
爲永も放ってはおけないので溜息を吐いて腰を上げた。
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