36 / 48
【2話目】
『遅刻しちゃう~』って焦ってたら送ってくれたんだ
しおりを挟む「マジか。バイクで送ってくれるとか、うらやましいんですけどー」
「そうかな」
「あたしん家なんて、遊びに行くから送ってって言っても、『忙しい』で終わられちゃうよ」
「でも、篠田さんが困ってたら助けてくれるでしょ?」
「そりゃそうだよ」
「オレも一緒。『遅刻しちゃう~』って焦ってたら送ってくれたんだ」
「なるほどー」
篠田さんは女の子なのに、平気で大口を開けてケタケタと笑う。
廉太郎が話しやすいと感じるのは、篠田さんのこういうところだ。
なんでもざっくばらんだし、裏表がないのがいい。
女の子らしくない女の子だから話していて楽しいとか言ったら、篠田さんに怒られるだろうか。
「つまり、廉太郎くんの家族はみんな仲がいいのね。うらやましいわ」
ケタケタ笑う篠田さんの後ろから、可愛らしい笑みを浮かべたミサキちゃんが、おっとりとした口調でほわほわと会話に加わる。
元気で活発な篠田さんに対して、ミサキちゃんは、物静かで可愛らしい女の子だ。
くりんと大きな目。
長くてふわふわの髪の毛。
手足がすらりと長くてスタイルもいいし、誰とでも仲良く出来る気さくな性格をしている。
物静かで可愛らしくて性格もいいとくれば、まさに理想の女の子像そのものだ。
だからだろう。ミサキちゃんを好きな子は、クラスだけでなく、学校中にたくさんいる。
一年生からの友だちはクラスが別れても親友だと言ってしょっちゅう遊びにくるし、一度でも同じクラスになったことのある子は男女問わず、いまでもミサキちゃんと仲良くしている。
面倒見がいいから、下級生にだってウケがいい。
たぶん、ミサキちゃんの言葉にいちいち反応している廉太郎の方が気にしすぎなのだとは思う。
思う、けれども。
ーー……ミサキちゃんの発言は、たびたび廉太郎の心の、柔らかい部分に突き刺さる。
0
あなたにおすすめの小説
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
ぼくのだいじなヒーラー
もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。
遊んでほしくて駄々をこねただけなのに
怖い顔で怒っていたお母さん。
そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。
癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。
お子様向けの作品です
ひらがな表記です。
ぜひ読んでみてください。
イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
左左左右右左左 ~いらないモノ、売ります~
菱沼あゆ
児童書・童話
菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。
『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。
旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』
大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる