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第1章 騎士団長と不吉な黒をまとう少年
第20話 婚姻(下)
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私は、ルースとの正式な婚姻の届出を神殿へ提出した。
ルースの気が変わられてはいけないと、あの後、即提出した。
神殿長、神官長、副神官長といった神殿のお歴々の方々は、私と元神官のルースが婚姻することに驚いていた。
侯爵家子息の私と、神殿の前に捨てられていた不吉な黒をまとう少年の婚姻である。
年齢差も大きく、貴賤の差も甚だしい。何度も「本気ですか」と問いただされ、正気まで疑われたが、私は正気であったし、本気だった。
というか、すごく失礼なことを言われている気はしたが、そこは我慢の一手だった。
届出が受理され、私は天にも昇る気持ちで一度、屋敷に戻った。
後は、騎士団長の職を辞するだけだ。
王都の騎士団の仕事に愛着はあり、やりがいも感じていたのだが、それもルースへの愛とは比べ物にならない。
そもそも、侯爵家領地にも騎士団はあるので、そこで剣を奮うことができる。
私は騎士団長の職を辞するため、その後、すぐさま王宮へ向かった。
「ならん」
国王ロベルトの返事がそれだった。
「そなたは騎士団の要。それを辞することは許さない」
私を睥睨しつつ、彼はそう言った。
辞職届は受理されなかった。
ルースの気が変わられてはいけないと、あの後、即提出した。
神殿長、神官長、副神官長といった神殿のお歴々の方々は、私と元神官のルースが婚姻することに驚いていた。
侯爵家子息の私と、神殿の前に捨てられていた不吉な黒をまとう少年の婚姻である。
年齢差も大きく、貴賤の差も甚だしい。何度も「本気ですか」と問いただされ、正気まで疑われたが、私は正気であったし、本気だった。
というか、すごく失礼なことを言われている気はしたが、そこは我慢の一手だった。
届出が受理され、私は天にも昇る気持ちで一度、屋敷に戻った。
後は、騎士団長の職を辞するだけだ。
王都の騎士団の仕事に愛着はあり、やりがいも感じていたのだが、それもルースへの愛とは比べ物にならない。
そもそも、侯爵家領地にも騎士団はあるので、そこで剣を奮うことができる。
私は騎士団長の職を辞するため、その後、すぐさま王宮へ向かった。
「ならん」
国王ロベルトの返事がそれだった。
「そなたは騎士団の要。それを辞することは許さない」
私を睥睨しつつ、彼はそう言った。
辞職届は受理されなかった。
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