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僕と彼との“偽装結婚”
第三話 そして真実の夫婦に
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二十六歳になっても、公には結婚していないことになっている私に、実家からしつこく見合いの釣り書が送られるようになった。
「……お前と結婚していることを、実家に伝えたい」
私がリスタにそう言うと、彼はびっくりした顔で言い返した。
「え、“偽装結婚”なのに、それを実家に伝えたらマズイでしょう」
リスタと知り合ってから、もう四年が経っていた。
リスタは十六歳になり、私は二十六歳になっていた。
「……見てくれ、この釣り書の山を」
リスタの前に、実家から送られてきた見合い相手の肖像画などを押しやる。
リスタもそれを見て、少し遠い目をしていた。
「……僕と離婚して、この中から新しく選んだ人とちゃんと結婚した方がいいんじゃないですか」
私は即、答えた。
「嫌だ。お前とは離婚しない」
「……お兄さん、だって僕達“偽装結婚”じゃないですか」
私は彼の肩を掴んだ。そのぶ厚い瓶底眼鏡の奥の瞳を見るようにして言った。
「いっそのこと、本当の結婚にしないか。お前と過ごす日々を、けっこう私は気に入っているんだ。リスタ、お前はどうだ」
「…………まぁ」
リスタはぷいと顔を明後日の方角に向けていた。その耳が赤く染まっているのがかわいい。
「お兄さんのことは、嫌いじゃないです」
「相思相愛じゃないか。じゃあ、“偽装結婚”じゃなく、本当の結婚にしよう。そうしよう」
私が勢いのままそう言うと、リスタはぶつぶつと言いながらうなずいていた。
「…………お兄さんは白金階級の冒険者だし、大丈夫かな。もしもの時は、僕が魔力を譲渡して……」
その時、彼の脳裏で、彼の生家であるスシャール家をはじめとした家々と一戦を交えた時、いかにすれば勝利できるか、冷静に計算し始めていたことを、私は知らなかった。
彼が瓶底眼鏡を外し、そばかすを落とし、その天人と呼ばれる美しい姿を見せた時、私は唖然とした。
どこか不安そうな様子の彼は、こう言った。
「この姿でも、僕のことを愛してくれますか……?」
「もちろんだ、リスタ」
即答だった。
彼はとても嬉しそうに笑って私に抱きついた。
そして、私達は真実、夫婦になった。
彼が天人だということは、固く秘したまま、今も過ごしている。
「……お前と結婚していることを、実家に伝えたい」
私がリスタにそう言うと、彼はびっくりした顔で言い返した。
「え、“偽装結婚”なのに、それを実家に伝えたらマズイでしょう」
リスタと知り合ってから、もう四年が経っていた。
リスタは十六歳になり、私は二十六歳になっていた。
「……見てくれ、この釣り書の山を」
リスタの前に、実家から送られてきた見合い相手の肖像画などを押しやる。
リスタもそれを見て、少し遠い目をしていた。
「……僕と離婚して、この中から新しく選んだ人とちゃんと結婚した方がいいんじゃないですか」
私は即、答えた。
「嫌だ。お前とは離婚しない」
「……お兄さん、だって僕達“偽装結婚”じゃないですか」
私は彼の肩を掴んだ。そのぶ厚い瓶底眼鏡の奥の瞳を見るようにして言った。
「いっそのこと、本当の結婚にしないか。お前と過ごす日々を、けっこう私は気に入っているんだ。リスタ、お前はどうだ」
「…………まぁ」
リスタはぷいと顔を明後日の方角に向けていた。その耳が赤く染まっているのがかわいい。
「お兄さんのことは、嫌いじゃないです」
「相思相愛じゃないか。じゃあ、“偽装結婚”じゃなく、本当の結婚にしよう。そうしよう」
私が勢いのままそう言うと、リスタはぶつぶつと言いながらうなずいていた。
「…………お兄さんは白金階級の冒険者だし、大丈夫かな。もしもの時は、僕が魔力を譲渡して……」
その時、彼の脳裏で、彼の生家であるスシャール家をはじめとした家々と一戦を交えた時、いかにすれば勝利できるか、冷静に計算し始めていたことを、私は知らなかった。
彼が瓶底眼鏡を外し、そばかすを落とし、その天人と呼ばれる美しい姿を見せた時、私は唖然とした。
どこか不安そうな様子の彼は、こう言った。
「この姿でも、僕のことを愛してくれますか……?」
「もちろんだ、リスタ」
即答だった。
彼はとても嬉しそうに笑って私に抱きついた。
そして、私達は真実、夫婦になった。
彼が天人だということは、固く秘したまま、今も過ごしている。
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