最弱クラスと言われている死霊術師、前世記憶でサブサブクラスまで得て最強無敵になる~最強ネクロマンサーは全てを蹂躙する~

榊与一

文字の大きさ
45 / 81

第45話 大成功

しおりを挟む
死霊の森で無事リッチーを僕にした俺は、クレアを連れて故郷の街へと向かう。
その途中、立ち寄った街の宿で一泊したら――

「戦争?そりゃまた随分物騒な話ですね」

なんか護衛さんがやって来て、急に戦争が始まりそうだと俺に告げた。
東のガガーン帝国が、隣国のカサノバ王国に攻め込む準備が着々と進んでいるらしい。

ゲーム内でも戦争なんかのストーリーはあったが、それは基本攻城戦関連の話である。
大人数でのPVPは嫌いじゃなかったので、俺も良く参加していた。

まあ最終的には、俺が姿を現すだけで城持ちが放棄する事態になってしまい、つまらなくなったので参加しなくなったが……
無人の城制圧したって、面白くもなんともないからな。

ネットの専用掲示板では、よく俺がどこどこに出現!的な事が書き込まれ。
まるで台風扱いだった事を思い出す。

「心配ないとは思うが、間違っても近づくな」

戦争が起きれば、この国にも多少は影響が出るだろう。
隣国だしな。

だが近づきさえしなければ、基本問題ない。
護衛さんが態々警戒を促したのは、これから向かう生まれ故郷付近の迷宮が、カサノバ王国との国境近くに位置する為だろうと思われる。

「勿論。誰も好き好んで戦争なんかに首は突っ込みませんよ」

ゲームならともかく、リアルで人殺しを進んでする気にはなれないからな。
もちろん殺されるのも嫌だし。

「ならいい」

「今日はその忠告にだけ来たんですか?」

迷宮へクレアを連れ込む――この言い方だと嫌らしく聞こえるな。訂正――
同行する許可はもうとってある。
護衛に関しては問題ないそうだ。
流石、カンストは伊達じゃない。

「これをお前に渡しておく」

そう言うと、護衛さんが革袋を俺に手渡して来た。
中を確認すると――

「エリクサーですか」

――虹色の液体の入った瓶が5本入っている。
エリクサーだ。

エリクサー。

神秘の霊薬と言われているポーションで、飲むとHPとMPが瞬時に全快する効果を持っている。
連続使用制限時間クールタイムが長いのでがぶ飲みは効かないが、回復アイテムとしては最高級品だ。

その製作にはSランクの魔宝玉を必要とする為、お値段はかなり高い。
ヘブンスオンラインだと、一つ80M(メガ)前後――8千万円――ぐらいしていた。
この世界だとSランク魔宝玉の産出量がすくなそうなので、きっともっとするだろう。

それを5本もポンと用意するとか、流石侯爵家である。

「お嬢様の護衛は万全を期すつもりだが、一応、万一の保険として渡しておく」

「了解」

使うような事態になる狩りをする気は更々ないが、くれるというのなら拒む理由はない。
有難く受け取らせてもらう。

「あ、そういや前から聞きたかったんですけど」

「なんだ?」

「隠密スキルって、どうやって維持してるんです?」

護衛さんや、他の二人――クレアの護衛は全部で三人らしい。他は見た事ないけど――は、常に姿を消して行動している。
レベル10の隠密スキルを使用しているのだとは思うが、透明化は維持中結構な速度でMPを消費してしまう。
いくらレベルがカンストしていたとしても、常時使用と言うのは現実的ではなかった。

普通に考えるなら、何らかのマジックアイテムだ。
それも、俺が知らない。

「……特殊なマジックアイテムだ。MP消費を軽減するタイプのな」

MP消費軽減か……

今の俺なら、レベル上げ用のMPは十分に確保出来ているので、消費MPの軽減は必須ではない。
だがないより、あった方がいいのは確実だ。
まあ余裕があったなら、その内手に入れに行くのもいいだろう。

そう思い、俺は護衛さんに入手方法を尋ねた。

「成程。それって、どうやって手に入れるんです?」

まあ理想は、護衛さんからただで入手する事だ。
が……流石に強力なマジックアイテムを、そうぽんぽん譲ってはくれないだろう。

「Sランクの魔宝玉を用意して、ゼゼコへ依頼すればいい。アサシンリングという名だ」

「名前からして……」

「暗殺者専用の装備だ。お前が身に着けても意味はないだろう」

ちっ、暗殺者専用かよ。
じゃあいらないな。
一応クレアなら使えるんだろうが、あいつの為にSランクの魔宝玉を消費してまで用意する気にはなれない。

迷宮で手に入れるSランクの魔宝玉は、全てゼゼコの店でエリクサーの精製に回すつもりだからな。

エリクサー精製には二つの方法があった。
錬金術師クラスの人間に精製してもらうか、ゼゼコに依頼して作ってもらうかだ。

どちらも必要となる素材は同じ。
ただしゼゼコは強欲なので、錬金術師に頼むより遥かに高額な依頼料――金貨200枚(2千万円位)――を取られる事になる。

値段だけで言うなら、間違いなく錬金術師に依頼した方が安上がりだ。
だが俺はゼゼコに依頼する。

何故か?

理由は簡単だ。
ゼゼコに精製して貰った場合、1%程の確率で大成功が発生するからである。

そして大成功時に手に入るのが――俺の求める、アルティメット・エリクサーだ。

レジェンド装備を落とすボスは、これが無いと話にならないからな。
Sランクの魔宝玉を集めて、ガンガン依頼していかないと。

「用件が他にないのなら、私は行くぞ」

そう言い残して、護衛さんは去って行った。

「明日も早いし、とっとと寝るか」

死霊の森の辺りから、生まれ故郷の街へは馬車で3週間ほどの距離がある。
以前は馬車で移動したが、今回は徒歩だった。
正確にはダッシュだ。

レベルが上がり、ステータスが上がった今、馬車に乗るより走った方がはるかに速いからな。
10日もあればつくだろう。

クレアはちょっと不満そうだったが、そんな物は知った事ではない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。 ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。 観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中… ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。 それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。 帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく… さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

町工場の専務が異世界に転生しました。辺境伯の嫡男として生きて行きます!

トリガー
ファンタジー
町工場の専務が女神の力で異世界に転生します。剣や魔法を使い成長していく異世界ファンタジー

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...