79 / 81
第79話 ガントレット
しおりを挟む
「三日なら上等か」
下僕更新の魔物は国の西側、それも端の方に住処がある
トーラの街は逆の東端にあるので、西から東に突っ切る形で移動した訳だが、それにかかった期間が三日だ。
我ながら随分足の速くなった事である。
これぞステータスの暴力って奴よ。
因みに、今回は一人で来ている。
クレアと一緒だと、往来にかかる時間が伸びてしまうからな。
期間が延びれば、その分魔宝玉集めが後回しになってしまうので奴はお留守番だ。
さて、新しく下僕として加えるモンスターだが……
「お、いた」
双眼鏡を覗くと、草原を2体1組で動く人型のモンスターの姿が見えた。
オーガだ。
まあもちろん、ただのオーガではないが。
金属製の大剣を手にした、巨大な体躯をしている奴はオーガウォーリアー。
通常オーガの完全上位種だ。
そのすぐ後ろにいる、こん棒みたいなぶっとい杖を持っている少し小柄な奴は、オーガヒーラー。
こっちはヒーリング・デスフラワーの上位種と考えて貰えばいいだろう。
「取り敢えず、こいつらを3セットだな」
オーガウォーリアーのレベルは224で、魔力やMPが爆増している事を除けば、それ以外はノーマルの2割増し位の基礎ステータスとなっている。
但し、名前に付いている事からも分る様にこいつは戦士だ。
そのため戦士のクラススキルである、戦士マスタリー【10】を持っていた。
効果はHPが50%上昇し、剣斧槍鈍器弓装備時筋力が100%上昇するという強力な物で、これのお陰で、筋力は実質7、000オーバーとなっている。
因みに、接収時にはこの手のモンスター自身のスキルによる強化は反映されない。
そのためこいつを吸収しても、残念ながら能力の劇的向上は見込めなかった
何故モンスターのスキルによる上昇が反映されないのか、だが。
その理由はいたって簡単だ。
そういう仕様だから。
FIN
んで、オーガヒーラーの方はレベル220。
ステータスはオーガからMPと魔力を増やした感じだ。
こいつもヒーラー系のマスタリーを持っているが、MPと魔力が増えるタイプなので、強さ的にはノーマルと大差なかったりする。
要は雑魚だ。
まあヒーラーがオーガ並みの殴り合いをする時点で弱くはないのだが、残念ながら今の俺の敵ではない。
「腕試しの意味もあるし、下僕は出さずに一人でやるか」
今の俺なら、2体1でもそれ程苦労しないだろう。
新装備もあるしな。
――奇跡のガントレット。
これを身に着けると、近接攻撃時10%確率でクリティカルが発生する様になる。
更に筋力まで10%アップする効果まで付いており、ゼゼコのラインナップに無い、死を弄ぶ秘術限定の強装備だ。
効果を知ったクレアが自分にこそふさわしいとか寝言をほざいていたが、当然ガン無視である。
強力な効果だけあって必要な死のエネルギーは40万とかなり高かったが、作って後悔無しだ。
え?
何でそんなにエネルギーが溜まってるのかって?
実は下僕をころころする事でも、死のエネルギーは吸収する事が出来たのだ。
そのため、レベル上げをしていけば自然とエネルギーを溜める事が出来た。
この1月ちょっとで溜まった分の細かい内訳は――
100キロ範囲で勝手に吸収したエネルギーが7万程。
俺が下僕を狩って得た分が、3万5千。
そして、一緒にレベル上げしていたクレアとアイシアが35万だ。
二人の分が異常に多い?
いいや、むしろ俺の分が少ないのだ。
二人が俺の下僕を倒すと、一匹当たりエネルギーは0,5――小数点以下も表示される――増えるんだが、何故か俺が倒すと5分の1の0,1しか増えない。
スキル説明を見る限り、俺が倒した方がエネルギー吸収は多くなる筈なんだが……
まあ自分の下僕だから、その辺り何らかの制限が入っているって事なんだろう。
「おおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ある程度近付いた所でオーガ達が此方に気付き、雄叫びを上げてウォーリアーが突っ込んで来た。
それに続いて、手にした杖と言う名の棍棒を振り回しながらヒーラーも走って来る。
見るからに脳筋仕様だが、これでも回復能力はヒーリング・デスフラワーより遥かに優秀だ。
「よっと」
砂煙を上げて突っ込んで来たオーガウォーリアーの一撃を、横をすり抜ける形で躱す。
その際、相手の脇腹を斬り付けておいた。
そして少し遅れてやって来たヒーラーに、正面から斬り付ける。
≪クリティカル≫
「ぎゅおあぁぁぁ……」
そのままヒーラーは勢いよく地面に倒れ、動かなくなる
「クリティカルだと、このレベルの敵でも一撃か」
発動率は10%と低いが、決まれば効果は抜群だ。
レジェンド装備を落とすボスとの長期戦を想定して、アルティメットエリクサーを大量に用意しようとしてる訳だが、火力の大幅上昇で短期決戦が見込めるならその数を減らす――は、止めておいた方が良いか。
ゲームならギリギリで使えばいいが、痛みの伴う現実だと早め早めの服用が必要になる。
そうじゃないと、戦闘のパフォーマンスが下がってしまうからな。
結局、100個は確保しておくべきだろう。
「おおおぉぉぉぉぉ!!!」
ウォーリアが怒りの雄叫びを上げる。
わき腹の痛みか、それとも仲間をやられた怒りか。
「直ぐに、そこに寝転がってる兄弟そろって俺の下僕にしてやるぞ」
オーガが怒りに任せて大剣を振るう。
だが俺にはかすりもしない。
何せ俺とこいつとでは、敏捷性に5倍もの開きがあるのだ。
技巧のぎの字もない、少し気を付ければ雑な攻撃など当たる筈もない。
俺は攻撃を躱しながら、的確に相手にカウンターを決めていく。
「はい、終わり」
「げ……ぐぼっ……」
俺の剣が、相手の喉元を貫いた。
オーガウォーリアがそのまま動かなくなる。
既存の下僕を処理し、倒した2体を下僕に新たに加える。
この行動を3回程繰り返し交換を終えた俺は、今回の更新の本命である相手の元へと向かう。
下僕更新の魔物は国の西側、それも端の方に住処がある
トーラの街は逆の東端にあるので、西から東に突っ切る形で移動した訳だが、それにかかった期間が三日だ。
我ながら随分足の速くなった事である。
これぞステータスの暴力って奴よ。
因みに、今回は一人で来ている。
クレアと一緒だと、往来にかかる時間が伸びてしまうからな。
期間が延びれば、その分魔宝玉集めが後回しになってしまうので奴はお留守番だ。
さて、新しく下僕として加えるモンスターだが……
「お、いた」
双眼鏡を覗くと、草原を2体1組で動く人型のモンスターの姿が見えた。
オーガだ。
まあもちろん、ただのオーガではないが。
金属製の大剣を手にした、巨大な体躯をしている奴はオーガウォーリアー。
通常オーガの完全上位種だ。
そのすぐ後ろにいる、こん棒みたいなぶっとい杖を持っている少し小柄な奴は、オーガヒーラー。
こっちはヒーリング・デスフラワーの上位種と考えて貰えばいいだろう。
「取り敢えず、こいつらを3セットだな」
オーガウォーリアーのレベルは224で、魔力やMPが爆増している事を除けば、それ以外はノーマルの2割増し位の基礎ステータスとなっている。
但し、名前に付いている事からも分る様にこいつは戦士だ。
そのため戦士のクラススキルである、戦士マスタリー【10】を持っていた。
効果はHPが50%上昇し、剣斧槍鈍器弓装備時筋力が100%上昇するという強力な物で、これのお陰で、筋力は実質7、000オーバーとなっている。
因みに、接収時にはこの手のモンスター自身のスキルによる強化は反映されない。
そのためこいつを吸収しても、残念ながら能力の劇的向上は見込めなかった
何故モンスターのスキルによる上昇が反映されないのか、だが。
その理由はいたって簡単だ。
そういう仕様だから。
FIN
んで、オーガヒーラーの方はレベル220。
ステータスはオーガからMPと魔力を増やした感じだ。
こいつもヒーラー系のマスタリーを持っているが、MPと魔力が増えるタイプなので、強さ的にはノーマルと大差なかったりする。
要は雑魚だ。
まあヒーラーがオーガ並みの殴り合いをする時点で弱くはないのだが、残念ながら今の俺の敵ではない。
「腕試しの意味もあるし、下僕は出さずに一人でやるか」
今の俺なら、2体1でもそれ程苦労しないだろう。
新装備もあるしな。
――奇跡のガントレット。
これを身に着けると、近接攻撃時10%確率でクリティカルが発生する様になる。
更に筋力まで10%アップする効果まで付いており、ゼゼコのラインナップに無い、死を弄ぶ秘術限定の強装備だ。
効果を知ったクレアが自分にこそふさわしいとか寝言をほざいていたが、当然ガン無視である。
強力な効果だけあって必要な死のエネルギーは40万とかなり高かったが、作って後悔無しだ。
え?
何でそんなにエネルギーが溜まってるのかって?
実は下僕をころころする事でも、死のエネルギーは吸収する事が出来たのだ。
そのため、レベル上げをしていけば自然とエネルギーを溜める事が出来た。
この1月ちょっとで溜まった分の細かい内訳は――
100キロ範囲で勝手に吸収したエネルギーが7万程。
俺が下僕を狩って得た分が、3万5千。
そして、一緒にレベル上げしていたクレアとアイシアが35万だ。
二人の分が異常に多い?
いいや、むしろ俺の分が少ないのだ。
二人が俺の下僕を倒すと、一匹当たりエネルギーは0,5――小数点以下も表示される――増えるんだが、何故か俺が倒すと5分の1の0,1しか増えない。
スキル説明を見る限り、俺が倒した方がエネルギー吸収は多くなる筈なんだが……
まあ自分の下僕だから、その辺り何らかの制限が入っているって事なんだろう。
「おおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ある程度近付いた所でオーガ達が此方に気付き、雄叫びを上げてウォーリアーが突っ込んで来た。
それに続いて、手にした杖と言う名の棍棒を振り回しながらヒーラーも走って来る。
見るからに脳筋仕様だが、これでも回復能力はヒーリング・デスフラワーより遥かに優秀だ。
「よっと」
砂煙を上げて突っ込んで来たオーガウォーリアーの一撃を、横をすり抜ける形で躱す。
その際、相手の脇腹を斬り付けておいた。
そして少し遅れてやって来たヒーラーに、正面から斬り付ける。
≪クリティカル≫
「ぎゅおあぁぁぁ……」
そのままヒーラーは勢いよく地面に倒れ、動かなくなる
「クリティカルだと、このレベルの敵でも一撃か」
発動率は10%と低いが、決まれば効果は抜群だ。
レジェンド装備を落とすボスとの長期戦を想定して、アルティメットエリクサーを大量に用意しようとしてる訳だが、火力の大幅上昇で短期決戦が見込めるならその数を減らす――は、止めておいた方が良いか。
ゲームならギリギリで使えばいいが、痛みの伴う現実だと早め早めの服用が必要になる。
そうじゃないと、戦闘のパフォーマンスが下がってしまうからな。
結局、100個は確保しておくべきだろう。
「おおおぉぉぉぉぉ!!!」
ウォーリアが怒りの雄叫びを上げる。
わき腹の痛みか、それとも仲間をやられた怒りか。
「直ぐに、そこに寝転がってる兄弟そろって俺の下僕にしてやるぞ」
オーガが怒りに任せて大剣を振るう。
だが俺にはかすりもしない。
何せ俺とこいつとでは、敏捷性に5倍もの開きがあるのだ。
技巧のぎの字もない、少し気を付ければ雑な攻撃など当たる筈もない。
俺は攻撃を躱しながら、的確に相手にカウンターを決めていく。
「はい、終わり」
「げ……ぐぼっ……」
俺の剣が、相手の喉元を貫いた。
オーガウォーリアがそのまま動かなくなる。
既存の下僕を処理し、倒した2体を下僕に新たに加える。
この行動を3回程繰り返し交換を終えた俺は、今回の更新の本命である相手の元へと向かう。
11
あなたにおすすめの小説
帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる