最弱クラスと言われている死霊術師、前世記憶でサブサブクラスまで得て最強無敵になる~最強ネクロマンサーは全てを蹂躙する~

榊与一

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第79話 ガントレット

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「三日なら上等か」

下僕更新の魔物は国の西側、それも端の方に住処がある
トーラの街は逆の東端にあるので、西から東に突っ切る形で移動した訳だが、それにかかった期間が三日だ。
我ながら随分足の速くなった事である。

これぞステータスの暴力って奴よ。

因みに、今回は一人で来ている。
クレアと一緒だと、往来にかかる時間が伸びてしまうからな。
期間が延びれば、その分魔宝玉集めが後回しになってしまうので奴はお留守番だ。

さて、新しく下僕として加えるモンスターだが……

「お、いた」

双眼鏡を覗くと、草原を2体1組で動く人型のモンスターの姿が見えた。
オーガだ。
まあもちろん、ただのオーガではないが。

金属製の大剣を手にした、巨大な体躯をしている奴はオーガウォーリアー。
通常オーガの完全上位種だ。
そのすぐ後ろにいる、こん棒みたいなぶっとい杖を持っている少し小柄な奴は、オーガヒーラー。
こっちはヒーリング・デスフラワーの上位種と考えて貰えばいいだろう。

「取り敢えず、こいつらを3セットだな」

オーガウォーリアーのレベルは224で、魔力やMPが爆増している事を除けば、それ以外はノーマルの2割増し位の基礎ステータスとなっている。

但し、名前に付いている事からも分る様にこいつは戦士だ。
そのため戦士のクラススキルである、戦士マスタリー【10】を持っていた。

効果はHPが50%上昇し、剣斧槍鈍器弓装備時筋力が100%上昇するという強力な物で、これのお陰で、筋力は実質7、000オーバーとなっている。

因みに、接収時にはこの手のモンスター自身のスキルによる強化は反映されない。
そのためこいつを吸収しても、残念ながら能力の劇的向上は見込めなかった

何故モンスターのスキルによる上昇が反映されないのか、だが。
その理由はいたって簡単だ。

そういう仕様だから。

FIN

んで、オーガヒーラーの方はレベル220。
ステータスはオーガからMPと魔力を増やした感じだ。
こいつもヒーラー系のマスタリーを持っているが、MPと魔力が増えるタイプなので、強さ的にはノーマルと大差なかったりする。
要は雑魚だ。

まあヒーラーがオーガ並みの殴り合いをする時点で弱くはないのだが、残念ながら今の俺の敵ではない。

「腕試しの意味もあるし、下僕は出さずに一人でやるか」

今の俺なら、2体1でもそれ程苦労しないだろう。
新装備もあるしな。

――奇跡のガントレット。

これを身に着けると、近接攻撃時10%確率でクリティカルが発生する様になる。
更に筋力まで10%アップする効果まで付いており、ゼゼコのラインナップに無い、死を弄ぶ秘術デス・クラフト限定の強装備だ。
効果を知ったクレアが自分にこそふさわしいとか寝言をほざいていたが、当然ガン無視である。

強力な効果だけあって必要な死のエネルギーは40万とかなり高かったが、作って後悔無しだ。

え?
何でそんなにエネルギーが溜まってるのかって?

実は下僕をころころする事でも、死のエネルギーは吸収する事が出来たのだ。
そのため、レベル上げをしていけば自然とエネルギーを溜める事が出来た。

この1月ちょっとで溜まった分の細かい内訳は――

100キロ範囲で勝手に吸収したエネルギーが7万程。
俺が下僕を狩って得た分が、3万5千。
そして、一緒にレベル上げしていたクレアとアイシアが35万だ。

二人の分が異常に多い?
いいや、むしろ俺の分が少ないのだ。

二人が俺の下僕を倒すと、一匹当たりエネルギーは0,5――小数点以下も表示される――増えるんだが、何故か俺が倒すと5分の1の0,1しか増えない。

スキル説明を見る限り、俺が倒した方がエネルギー吸収は多くなる筈なんだが……
まあ自分の下僕だから、その辺り何らかの制限が入っているって事なんだろう。

「おおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ある程度近付いた所でオーガ達が此方に気付き、雄叫びを上げてウォーリアーが突っ込んで来た。
それに続いて、手にした杖と言う名の棍棒を振り回しながらヒーラーも走って来る。
見るからに脳筋仕様だが、これでも回復能力はヒーリング・デスフラワーより遥かに優秀だ。

「よっと」

砂煙を上げて突っ込んで来たオーガウォーリアーの一撃を、横をすり抜ける形で躱す。
その際、相手の脇腹を斬り付けておいた。
そして少し遅れてやって来たヒーラーに、正面から斬り付ける。

≪クリティカル≫

「ぎゅおあぁぁぁ……」

そのままヒーラーは勢いよく地面に倒れ、動かなくなる

「クリティカルだと、このレベルの敵でも一撃か」

発動率は10%と低いが、決まれば効果は抜群だ。

レジェンド装備を落とすボスとの長期戦を想定して、アルティメットエリクサーを大量に用意しようとしてる訳だが、火力の大幅上昇で短期決戦が見込めるならその数を減らす――は、止めておいた方が良いか。

ゲームならギリギリで使えばいいが、痛みの伴う現実だと早め早めの服用が必要になる。
そうじゃないと、戦闘のパフォーマンスが下がってしまうからな。
結局、100個は確保しておくべきだろう。

「おおおぉぉぉぉぉ!!!」

ウォーリアが怒りの雄叫びを上げる。
わき腹の痛みか、それとも仲間をやられた怒りか。

「直ぐに、そこに寝転がってる兄弟そろって俺の下僕にしてやるぞ」

オーガが怒りに任せて大剣を振るう。
だが俺にはかすりもしない。

何せ俺とこいつとでは、敏捷性に5倍もの開きがあるのだ。
技巧のぎの字もない、少し気を付ければ雑な攻撃など当たる筈もない。
俺は攻撃を躱しながら、的確に相手にカウンターを決めていく。

「はい、終わり」

「げ……ぐぼっ……」

俺の剣が、相手の喉元を貫いた。
オーガウォーリアがそのまま動かなくなる。

既存の下僕を処理し、倒した2体を下僕に新たに加える。
この行動を3回程繰り返し交換を終えた俺は、今回の更新の本命である相手の元へと向かう。
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