スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一

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第6話 ロマン

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「やっぱ5倍から6倍はあるよな」

通路を突き当りまで進み、そして入り口まで戻ってくる間に倒した魔物の数は25匹。
俺の入った通路は分岐が無かったので、横道の探索なんかはしていない。

内訳は行きが15匹。
帰り道でリポップした奴が10匹の、計25匹である。

木刀での攻撃は4発から5発。
これは触手を切り払うのも含めてで、まあ体感2匹に一回以上の確率でクリティカルは出ていた。
まだまだ試行回数が少ないとはいえ、【幸運】のレベル1の効果が5倍前後である核心が高まっていく。

「なんにせよ、頑張ってレベル8まで上げるか」

ベビーテンタクルドッグのレベルは3なので、ここで上げられるのは8までとなる。
俺は今日一日で、そこまで上げ切ってしまうつもりだった。
なにせ、ここに来るのに片道2時間もかかってしまうからな。
何度も往復したくはない。

因みに、一往復1時間半弱ぐらいで。
レベルを8に上げるのに、あと5往復程かかる見通しとなっている。
なので、7時間ぐらいはかかるだろう。
いや、流石にノンストップって訳にはいかないから、休憩も考えたらもっとか。
最初のも合わせれば、全体で10時間ぐらいだな。

5まで上げるのに数時間で済んだのに、たった3つレベルを上げるのにそんなにもかかるのか?

レベルは高くなれば高くなるほど、上がり辛くなっていくからな。
安全マージンをしっかりとって、パーティーで狩りしてる40台のシーカーが、レベルアップに1年かかったなんて話もあるぐらいだ。

まあ強い魔物を狩れれば話は変わって来るんだろうけど、ノーマルクラスじゃそういう訳にも行かないからな。
そんな真似をしたら、死亡率が跳ね上がってしまう。
そしてそこまでして上に登ろうとするシーカーってのは少ない。

なにせレベル40台でも、普通の会社員なんかよりよっぽど稼げてしまう訳だからな。
少し危険だけど稼げる商売。
そう考えているシーカーの方が圧倒的に多いって訳さ。

まあ俺は上を目指すけどな。
【幸運】を駆使して。

そこから黙々と狩を続け、ほぼ想定通りの時間で俺のレベルは8に上がった。
そしてここまでくると、俺はほぼ確信を得る。
【幸運】のレベル1効果が、5倍近くある事を。

今日一日の攻撃回数は、結構な数だったからな。
その上で10から20%程の確率でクリティカルがコンスタントに出ていたので、もう間違いないだろう。

因みに、手に入った魔石の数は41個。
単価400円なので、今日一日で16,400円稼いだことになる。
時給計算だと1,600円を超えているが、これも間違いなく【幸運】の効果が影響しての物だ。
普通なら、絶対こんなに稼げない。

「さて……次はどこに行こうかな」

帰り。
電車に揺られながらスマホでダンジョン情報を確認する。
最初の二つは鉄板ルートとしておススメされているが、それ以降は複数の内からどれかを選択する形になる。

パーティーに入ればまた変わって来るが、俺は暫く誰とも組むつもりはなかった。
一人で行ける所までやってみようと考えている。
その行動に意味はあるのかと問われれば、ロマンだと答えよう。

というのは冗談で……

下手にユニークスキルがばれてしまうと、誘拐されたりするリスクがあるからだ。
アルマイヤさんの時みたいなあれな。
まあ日本と海外じゃ違うから、誘拐までは行かないかもしれないけど……

なのでまあ、ある程度自衛できる力が手に入るまでは一人でやっていく必要があった。
パッと組んだパーティーメンバーなんて、信用に値しないからな。

因みに、スキルの有用性を示して大手ギルドに入れば、保護ガードを付けて貰えるそうだけど……でもそれってカッコ悪いじゃん?
一流を目指す男が、大きなギルドの庇護を受けるとか。

せっかく【幸運】の有用性が分かったんだから、カッコよくいかせて貰う。

ああ、でも、こういうのもロマンに入るのかな。
じゃあやっぱロマンだ。
うん。
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