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第63話 勧誘 (S)
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「ん?」
今日は用事があった。
そのため、狩りを早めに終えホールまで戻ってきたのだが……そこである2人組と遭遇する。
10代半ばの、可愛らしい感じの女の子と。
40代ほどに見える男性の二人組だ。
「初めまして。お二人もここで狩りをされているのですか?」
その二人組に、恵さんが話しかけた。
その目的は一目瞭然である。
勧誘、もしくはその前段階の接触や情報収集だ。
このダンジョン『死霊術師の園』はAランクの中でも、最高レベルの難易度を誇っている。
まあその分経験値も多い訳だけど、ここでペア狩りできる人間というのは極々限られている。
僕達がここでペア狩りできているのは、聖騎士というクラスがアンデッドに強い事と、恵さんと僕のユニークスキルの相性が凄くいいためだ。
普通は、相当な強さでないとペア狩りは成立しない。
つまりこの場で遭遇した二人は、とんでもなく優秀である可能性が高いって事さ。
まあこの二人も偶々相性が良くてって可能性もあるけど、それでも僕達と同等レベルと考えるなら、十分勧誘に値するレベルだ。
じゃなきゃ、僕はキャッスルギルドに入れてないだろうしね。
因みに、他の大手ギルドに所属している可能性もある訳だけど……
可能性はそこまで高くないと思う。
恵さんはその手の情報に詳しいみたいだからね。
Aランクに来れる、大手ギルド所属のシーカーはほぼ網羅してるはず。
まあ最近入ったばっかりって可能性もあるから、断言はできないけど。
「貴方は?」
二人組の男性の方が、声をかけた恵さんに尋ねる。
少し警戒している様だ。
まあ顔見知りでもない人物に、こんな場所で声をかけられたら当然ではある。
「初めまして。私はキャッスルギルド所属のシーカー、大城恵と言います」
「キャッスルギルドの大城恵?って、ひょっとして大城大成さんのお孫さんの?」
女の子の方は、うちのギルドマスターを知っているようだ。
まあ大手ギルドのマスターだし、シーカー協会のホームページのトップページにも映ってるぐらいの人だから当然か。
「はい。大城大成は私の祖父です」
「じゃあ君が大気さんの……」
「あら、父の事をご存じなのですか?」
大気さんはマスターの息子さんで、うちでサブマスターを務めている。
「ああ……君のお父さんとお爺さんには、以前命を助けて貰った事があるからね」
どうやら、男性の方はマスターやサブマスターとかかわりがある様だ。
けど、命を助けて貰ったという割に表情が優れないような……気のせいだろうか?
で、それとは対照的に恵さんはスッゴクいい笑顔だ。
貸しがあるって事は、勧誘しやすいって事だからね。
きっと心の中でウッキウキのはず。
「そうだったんですね」
「っと、自己紹介がまだだったね。俺は竜崎守。で、こっちが」
「姪っ子の天魔輪廻です!」
どうやら二人は親戚同士でダンジョンに籠っている様だ。
「初めまして。僕はキャッスルギルド所属の神木聖と言います」
僕も自己紹介しておく。
「あ、君の事はネットで見た事があるよ」
「ははは、どうも」
キャッスルギルドは、新世代の看板として僕を前面に押し出していた。
イメージ戦略って奴だね。
僕自身は別に目立ちたいって訳じゃないんだけど、家族を見返すのに有効だから喜んで応じている。
「私と聖さんもここでペア狩りをしているんですが……せっかくのご縁ですし、もしよければ少し一緒に狩りを致しませんか?」
狩り終わりだというのに、恵さんが一緒に狩りをしないかと言い出した。
勧誘するに当たって、彼らの実力を確認するつもりみたいだね。
用事があったんじゃ?
まあそこまで重要なものでもないから、二人の事を優先したんだと思う。
「あー、えっと……」
竜崎さんが、天魔さんの方を見る。
「うーん……まあ別にいいですよ。私もお二人の事は気になりますしね」
どうやら、決定権は彼女の方にある様だ。
姪っ子に弱い伯父さんって感じかな?
「では、宜しくお願いしますね」
この後僕達は竜崎さん達と一緒にダンジョン内部へと向かい、互いに狩りの腕前を披露する事に。
そこで見た二人の実力は本物だった。
特に、ヒーロークラスに加え、強力なユニークスキルを持つ竜崎さんの強さは別格といえる物だ。
その強さに恵さんは目を輝かせて二人を勧誘したけど……ギルドに縛られず自由にやって行きたいと、断られてしまう。
勧誘失敗である。
ま、恵さんは諦めてないみたいだけどね。
◇◆◇
―—キャッスルギルド・ギルド長執務室。
「おじい様、少しお話を宜しいですか?」
「おお、なんじゃ恵。おじいちゃんに何か用かな?」
「おじい様は、竜崎守さんというシーカーをご存じでしょうか?」
「竜崎守?」
孫である恵の口にした名前に、キャッスルギルドのギルドマスターである大城大成が首を捻る。
「ふむ……聞き覚えの無い名じゃな?その竜崎守という人物がどうかしたのか?」
「実は今日、Aランクダンジョン『死霊術師の園』で竜崎さんと、その姪である天魔さんと狩りをご一緒させて貰ったんです」
「ほほう。あそこでペア狩りをしてるって事は、相当な強さの持ち主の様じゃな」
「はい。それで話を伺った所、竜崎さんが以前おじい様とお父様に命を救われた事があるとおっしゃってまして」
「命を救った?ふむ……」
大成が顎に手をやり、考え込んで思い出そうとする。
「ううむ、思い出せんのう。人間、歳は取りたくないもんじゃ」
が、答えは出てこなかった。
「そうですか……」
「その様子じゃと、勧誘は失敗した様じゃな」
「ええ。貸しのある状態なので、勧誘は簡単だと思っていたのですが……」
恵が肩を落とす。
確実と思っていた物が手から零れ落ちた事で、相当落胆したのだろう。
それが超が付く程優秀なシーカーだから猶更である。
そしてその勧誘を諦めきれなかったからこそ、情報を引き出すべく祖父の元へと彼女はやって来たのだ。
「ふむ……その竜崎という男は、どういった感じの男だったんじゃ?」
「見た目は特に目立った特徴のない中年の男性で、クラスは究極素体というヒーロークラスです」
「ん?ヒーロークラスの究極素体……おお!思い出したぞ!」
クラスを聞き、竜崎の事を思い出した大成が自らの手をポンと打つ。
「その男、変身して戦っておったじゃろ」
「あ、はい。思い出されたのですね」
「なるほどなるほど。確か引退したはずじゃが、どうやら復帰した様じゃな」
「ええ、最近復帰されたそうで」
「なるほどのう……まあそれじゃあ、うちには入らんじゃろうなぁ」
「え?なぜですか?」
祖父の言葉に、恵が顔を顰めた。
「おじい様達は命の恩人になるのでは?」
「恵よ。お父さんとお母さんが結ばれた切っ掛けの話を覚えとるか?」
「え、ええ。確かダンジョン内でお母さまの危機的状況をお父様達が救い、お母さまがお父様を好きになった……と」
急に祖父が脈絡の無い事を聞いて来た事に訝しみながらも、恵は聞かれた事に答えた。
「うむ。その時一緒にいたのが……竜崎守という男じゃ」
「え?それじゃまさか、お母さまの昔の恋人だったって事ですか?」
「付き合ってはいなかった様じゃが、話を聞く限り、竜崎と言う男は惚れておった様じゃな」
「ああ、それで……」
惚れた相手を奪ったのが自分の父で、その相手と同じギルドに入るのを避けた。
そう考え、恵が断られた理由に納得する。
「それじゃ、ギルドに勧誘するのは簡単ではないみたいですね」
「ま、うちに入るのは気まずかろうな」
「一応、やれるだけやってみます。たとえ気まずくても、お爺様達に命の借りがある訳ですし。その辺りをくすぐって行けば……では、お爺様。お話しありがとうございました。私は用事がありますので、失礼します」
用が済み、さっさと執務室から出ていく孫に寂しい物を感じながら大成が呟く。
「そうか。あの男が復帰したか……」
当時、大城大成は、命を救った竜崎守に根気強くパーティー勧誘した過去がある――その時点では息子夫婦の交際は始まっていなかった。
ヒーロークラスかつ、強力なユニークスキルを持つ竜崎守は稀有な存在だっからだ。
だが結局、その首を縦に振らせる事は出来なかった。
「もし彼が応じてくれていたら、キャッスルギルドはこんな物ではなかったじゃろうな」
キャッスルギルドは日本有数のギルドである。
だが竜崎守が所属し、順調に育っていれば、もう一段階高い位置、それこそ日本最大のギルドにもなれた可能性もあった。
「しかし……孫はどうにも仕事熱心で困るのう」
仕事熱心なのは素晴らしい事だ。
だが祖父としては、いつまでも子供のままでいてくれた方が嬉しい。
仕事の話だけをしてさっさと出ていった孫に、そんな一抹の寂しさを大城大成は覚えるのだった。
「爺ちゃんとしては寂しい限りじゃ。そういえば……光も、もうずいぶんと顔を見せておらんのう」
光は恵の妹である。
「へそを曲げさせてしまったからのう。しかしいくら孫の頼みでも、変質者をギルドに入れる訳にはいかんかったからのう……困ったもんじゃ」
大城光は、半年ほど前に有名になったとあるシーカーを勧誘しようと祖父や父に持ち掛け、却下された事でへそを曲げてしまっていた。
そのため、それ以来祖父である大成の元に顔を見せなくなったのだ。
「はぁ……孫達よ。おじいちゃんは寂しいぞ」
孫大好きの大城大成は、寂しさから哀愁漂う言葉を吐くのだった。
今日は用事があった。
そのため、狩りを早めに終えホールまで戻ってきたのだが……そこである2人組と遭遇する。
10代半ばの、可愛らしい感じの女の子と。
40代ほどに見える男性の二人組だ。
「初めまして。お二人もここで狩りをされているのですか?」
その二人組に、恵さんが話しかけた。
その目的は一目瞭然である。
勧誘、もしくはその前段階の接触や情報収集だ。
このダンジョン『死霊術師の園』はAランクの中でも、最高レベルの難易度を誇っている。
まあその分経験値も多い訳だけど、ここでペア狩りできる人間というのは極々限られている。
僕達がここでペア狩りできているのは、聖騎士というクラスがアンデッドに強い事と、恵さんと僕のユニークスキルの相性が凄くいいためだ。
普通は、相当な強さでないとペア狩りは成立しない。
つまりこの場で遭遇した二人は、とんでもなく優秀である可能性が高いって事さ。
まあこの二人も偶々相性が良くてって可能性もあるけど、それでも僕達と同等レベルと考えるなら、十分勧誘に値するレベルだ。
じゃなきゃ、僕はキャッスルギルドに入れてないだろうしね。
因みに、他の大手ギルドに所属している可能性もある訳だけど……
可能性はそこまで高くないと思う。
恵さんはその手の情報に詳しいみたいだからね。
Aランクに来れる、大手ギルド所属のシーカーはほぼ網羅してるはず。
まあ最近入ったばっかりって可能性もあるから、断言はできないけど。
「貴方は?」
二人組の男性の方が、声をかけた恵さんに尋ねる。
少し警戒している様だ。
まあ顔見知りでもない人物に、こんな場所で声をかけられたら当然ではある。
「初めまして。私はキャッスルギルド所属のシーカー、大城恵と言います」
「キャッスルギルドの大城恵?って、ひょっとして大城大成さんのお孫さんの?」
女の子の方は、うちのギルドマスターを知っているようだ。
まあ大手ギルドのマスターだし、シーカー協会のホームページのトップページにも映ってるぐらいの人だから当然か。
「はい。大城大成は私の祖父です」
「じゃあ君が大気さんの……」
「あら、父の事をご存じなのですか?」
大気さんはマスターの息子さんで、うちでサブマスターを務めている。
「ああ……君のお父さんとお爺さんには、以前命を助けて貰った事があるからね」
どうやら、男性の方はマスターやサブマスターとかかわりがある様だ。
けど、命を助けて貰ったという割に表情が優れないような……気のせいだろうか?
で、それとは対照的に恵さんはスッゴクいい笑顔だ。
貸しがあるって事は、勧誘しやすいって事だからね。
きっと心の中でウッキウキのはず。
「そうだったんですね」
「っと、自己紹介がまだだったね。俺は竜崎守。で、こっちが」
「姪っ子の天魔輪廻です!」
どうやら二人は親戚同士でダンジョンに籠っている様だ。
「初めまして。僕はキャッスルギルド所属の神木聖と言います」
僕も自己紹介しておく。
「あ、君の事はネットで見た事があるよ」
「ははは、どうも」
キャッスルギルドは、新世代の看板として僕を前面に押し出していた。
イメージ戦略って奴だね。
僕自身は別に目立ちたいって訳じゃないんだけど、家族を見返すのに有効だから喜んで応じている。
「私と聖さんもここでペア狩りをしているんですが……せっかくのご縁ですし、もしよければ少し一緒に狩りを致しませんか?」
狩り終わりだというのに、恵さんが一緒に狩りをしないかと言い出した。
勧誘するに当たって、彼らの実力を確認するつもりみたいだね。
用事があったんじゃ?
まあそこまで重要なものでもないから、二人の事を優先したんだと思う。
「あー、えっと……」
竜崎さんが、天魔さんの方を見る。
「うーん……まあ別にいいですよ。私もお二人の事は気になりますしね」
どうやら、決定権は彼女の方にある様だ。
姪っ子に弱い伯父さんって感じかな?
「では、宜しくお願いしますね」
この後僕達は竜崎さん達と一緒にダンジョン内部へと向かい、互いに狩りの腕前を披露する事に。
そこで見た二人の実力は本物だった。
特に、ヒーロークラスに加え、強力なユニークスキルを持つ竜崎さんの強さは別格といえる物だ。
その強さに恵さんは目を輝かせて二人を勧誘したけど……ギルドに縛られず自由にやって行きたいと、断られてしまう。
勧誘失敗である。
ま、恵さんは諦めてないみたいだけどね。
◇◆◇
―—キャッスルギルド・ギルド長執務室。
「おじい様、少しお話を宜しいですか?」
「おお、なんじゃ恵。おじいちゃんに何か用かな?」
「おじい様は、竜崎守さんというシーカーをご存じでしょうか?」
「竜崎守?」
孫である恵の口にした名前に、キャッスルギルドのギルドマスターである大城大成が首を捻る。
「ふむ……聞き覚えの無い名じゃな?その竜崎守という人物がどうかしたのか?」
「実は今日、Aランクダンジョン『死霊術師の園』で竜崎さんと、その姪である天魔さんと狩りをご一緒させて貰ったんです」
「ほほう。あそこでペア狩りをしてるって事は、相当な強さの持ち主の様じゃな」
「はい。それで話を伺った所、竜崎さんが以前おじい様とお父様に命を救われた事があるとおっしゃってまして」
「命を救った?ふむ……」
大成が顎に手をやり、考え込んで思い出そうとする。
「ううむ、思い出せんのう。人間、歳は取りたくないもんじゃ」
が、答えは出てこなかった。
「そうですか……」
「その様子じゃと、勧誘は失敗した様じゃな」
「ええ。貸しのある状態なので、勧誘は簡単だと思っていたのですが……」
恵が肩を落とす。
確実と思っていた物が手から零れ落ちた事で、相当落胆したのだろう。
それが超が付く程優秀なシーカーだから猶更である。
そしてその勧誘を諦めきれなかったからこそ、情報を引き出すべく祖父の元へと彼女はやって来たのだ。
「ふむ……その竜崎という男は、どういった感じの男だったんじゃ?」
「見た目は特に目立った特徴のない中年の男性で、クラスは究極素体というヒーロークラスです」
「ん?ヒーロークラスの究極素体……おお!思い出したぞ!」
クラスを聞き、竜崎の事を思い出した大成が自らの手をポンと打つ。
「その男、変身して戦っておったじゃろ」
「あ、はい。思い出されたのですね」
「なるほどなるほど。確か引退したはずじゃが、どうやら復帰した様じゃな」
「ええ、最近復帰されたそうで」
「なるほどのう……まあそれじゃあ、うちには入らんじゃろうなぁ」
「え?なぜですか?」
祖父の言葉に、恵が顔を顰めた。
「おじい様達は命の恩人になるのでは?」
「恵よ。お父さんとお母さんが結ばれた切っ掛けの話を覚えとるか?」
「え、ええ。確かダンジョン内でお母さまの危機的状況をお父様達が救い、お母さまがお父様を好きになった……と」
急に祖父が脈絡の無い事を聞いて来た事に訝しみながらも、恵は聞かれた事に答えた。
「うむ。その時一緒にいたのが……竜崎守という男じゃ」
「え?それじゃまさか、お母さまの昔の恋人だったって事ですか?」
「付き合ってはいなかった様じゃが、話を聞く限り、竜崎と言う男は惚れておった様じゃな」
「ああ、それで……」
惚れた相手を奪ったのが自分の父で、その相手と同じギルドに入るのを避けた。
そう考え、恵が断られた理由に納得する。
「それじゃ、ギルドに勧誘するのは簡単ではないみたいですね」
「ま、うちに入るのは気まずかろうな」
「一応、やれるだけやってみます。たとえ気まずくても、お爺様達に命の借りがある訳ですし。その辺りをくすぐって行けば……では、お爺様。お話しありがとうございました。私は用事がありますので、失礼します」
用が済み、さっさと執務室から出ていく孫に寂しい物を感じながら大成が呟く。
「そうか。あの男が復帰したか……」
当時、大城大成は、命を救った竜崎守に根気強くパーティー勧誘した過去がある――その時点では息子夫婦の交際は始まっていなかった。
ヒーロークラスかつ、強力なユニークスキルを持つ竜崎守は稀有な存在だっからだ。
だが結局、その首を縦に振らせる事は出来なかった。
「もし彼が応じてくれていたら、キャッスルギルドはこんな物ではなかったじゃろうな」
キャッスルギルドは日本有数のギルドである。
だが竜崎守が所属し、順調に育っていれば、もう一段階高い位置、それこそ日本最大のギルドにもなれた可能性もあった。
「しかし……孫はどうにも仕事熱心で困るのう」
仕事熱心なのは素晴らしい事だ。
だが祖父としては、いつまでも子供のままでいてくれた方が嬉しい。
仕事の話だけをしてさっさと出ていった孫に、そんな一抹の寂しさを大城大成は覚えるのだった。
「爺ちゃんとしては寂しい限りじゃ。そういえば……光も、もうずいぶんと顔を見せておらんのう」
光は恵の妹である。
「へそを曲げさせてしまったからのう。しかしいくら孫の頼みでも、変質者をギルドに入れる訳にはいかんかったからのう……困ったもんじゃ」
大城光は、半年ほど前に有名になったとあるシーカーを勧誘しようと祖父や父に持ち掛け、却下された事でへそを曲げてしまっていた。
そのため、それ以来祖父である大成の元に顔を見せなくなったのだ。
「はぁ……孫達よ。おじいちゃんは寂しいぞ」
孫大好きの大城大成は、寂しさから哀愁漂う言葉を吐くのだった。
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