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第66話 何言ってんだコイツ?
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「となると、新規の狩場は金銭効率を重視すべきか」
これまではとにかく経験値命だった。
だがよくよく考えて、俺にはブーストポーションがある。
そう、経験値が100倍になる奇跡のアイテムが。
クラスアップで必要経験値が10倍になった分を含めても、他のシーカーの10倍速。
なので急いでレベルだけを上げる意味は薄い。
狩りをしてれば、そう遠くない未来にレベル99には到達するだろうからな。
まあレベル上がった方が気持ち良くはあるんだけど、弱点克服のためにも金銭効率を重視しないとな……
「なに言ってるんですかぁ。レベルこそパワーですよ」
「うん、言ってる意味が分からん」
「まあ要は、とっとと幸運を99まで上げた方が結果的には効率が良くなるって事ですよ。レアドロップ率が上がって、より強い敵も倒しやすくなる。基本的に強い敵の方がいい物を落とすんですから、幸運って言う明確な伸びしろがあるうちはレベルを優先した方がいいですよ」
「ふむ……」
まあそれももっともか。
なんか金と経験値で分けて考えてしまったが、レベルが上がってその分強くなれば自然と金銭効率も上がっていく。
そう考えると、レベル上げこそタイパ最強と言えるな。
「じゃあ最初の予定通り……いや、場所自体は変えるか」
1年頑張ったお陰で、俺自身の強さは伸びた。
しかも八咫烏の勇気までいるのだ。
より効率の良い、レベルの高い狩場を選択する方がいいだろう。
「どこかおススメの狩場はあるか?」
「そうですね。Aランクダンジョンの『大地の怒り』とかがおすすめですかねぇ。あそこ、くっそ硬くて馬鹿みたいに攻撃力が高いだけの雑魚が多いですし」
「いや10レベル以上すっ飛ばした魔物を雑魚って……」
ランクによる魔物の強さの差は大きい。
レベル68と69の似た様な特徴の魔物を比べた場合、その強さにそこまで劇的な差はない。
だがこれがCランクの69と、Bランクの70では天と地ほどの差が出て来る。
下手したら『倍以上ステータス違うんじゃね?』ってなる程に。
なので、BランクダンジョンとAランクダンジョンでは次元が違ってくるのだ。
ぶっちゃけ……Cランクダンジョンのボスであるバーサーカー・ラーテルより、Aランクダンジョンの雑魚の方が強いまである。
「まあ勇気が言うんなら狩りは成立するんだろうけど……あんまりきついと数が狩れそうにないんだが?」
楽な相手を狩るのと違って、厳しめの戦いなんて1日にそう何度も出来るものではない。
そういう戦いは消耗が激しいからな。
いくら俺が強くなったとはいえ、Aランクの魔物を楽勝って事はないだろうし。
なにより火力不足はそのままである。
ポンポン狩れるビジョンが全く浮かんでこないぞ。
「大丈夫ですよぉ。今のマスターなら、Aランクの魔物如きに後れは取りませんって。それに私の固有スキルの中に、敵の生命力を半減させるスキルがありますから。火力不足もそんなに気にならないでしょうし」
「そんなえぐいスキル持ってるのかよ……」
1年一緒にいるが、まだまだコイツの事はよく分かっていない。
スキルとか聞いてもはぐらかされてるし、何かと隠したがるからな。
こいつは。
因みに、こいつが最初に使ったスキルリンクは一度選ぶと変更不可だそうな。
なので別のスキルをリンクさせたいなら、スキルレベルの上がるレベル99——勇気は端数繰り上げで50だそうだ――まで上げる必要があるとの事。
「まあボス系には完全耐性があるんで効きませんけどね。あと、Sランク以降の魔物も耐性があって10%とか20%しか削れませんが」
「いや、Sランクの魔物の生命力を2割削れるなら十分すぎるわ」
半分削るってのが異常なだけだ。
まあとにかく、半分削れた状態でスタートするなら、確かに火力問題はある程度緩和されるな。
そして勇気の太鼓判だ。
「わかった。一度行ってみよう」
ま、駄目そうなら別の狩場に変えるだけだ。
一撃死とかしない限り、神出鬼没で逃げるのも簡単だしな。
「あ、そうそう。出来たら適正レベルのボスもガンガン狩って行きましょう。ボスは経験値が美味しいですし、お金も一緒に稼げますからね」
「気軽に言うけど、ボスなんてそんなポンポン狩れないぞ。大手ギルドとかが定期的に高ランク帯のボス狩りしてるからな」
Cランクだと、バーサーカー・ラーテルの様に狩られていないボスは多い。
そこまで金銭的に美味しくないってのと、そのレベル帯は生活のために腰掛的な活動をするシーカーが大半だからだ。
なので一々大人数で集まって、危険な魔物を狩ろうって奴は少ない。
経験値もかなり多めで、討伐してレベルが上がってしまうと長い目で見ると損になる可能性もあるしな――Cランクの適性外になってしまうまでに稼げる額が変わって来る。
まあそれでもおいしい奴は結構狩られてる様だし。
聖の動画の時の様にイベント的に狩られるって事もあるけど、基本的にCランクは余っているボスが多い。
だが、Bランク以上になると話は変わって来る。
まずダンジョンの絶対数が減る。
Cランクは国内に200か所ぐらいあるが、Bランクはその半分だ。
つまり、それだけでボスの数が半減してしまう訳である。
そしてBランクのボスは、Cランクの様にドロップが微妙ってのが少ない。
なので基本全部美味しいのだ。
そのため、その大半がリポップ即狩りされている状態となっていると聞く。
「ボス狩りしてるギルドは、巡回を出してボスのリポップを確認してるだろうし……正直、単独で活動してる俺がそこに割って入るってのは相当難しいぞ」
「なーに言ってるんですか。マスターには神出鬼没によるダンジョン移動と、マップの鑑定があるじゃないですか。ボスが出現してるかも一目瞭然なんですから、それを活用すれば頻繁にボスを狩れるはずですよ」
「そうか?そもそもそれをしようとしたら、頻繁にボスのチェックするためダンジョン移動しないと駄目だからかなり手間なんだが?」
ボスがいつ湧くか監視しようとすると、こまめにダンジョンを移る必要がある。
まあ巡回よりましなんだろうけど、それでも個人でそれをやるのはかなり面倒くさい。
「ふふふ。どうやらマスターはまだ気づいていないようですね」
「何がだ?」
「マスターの幸運鑑定で出したマップはなんと……マスターが消さない限り、24時間ずっと表示されますよ。それも複数!」
「え……マジ?」
そういや、ダンジョンから出ても表示は続いてたな。
必要ないからいつもダンジョンから出た時点で消してたけど、あれって同時に複数表示可能だったのか。
こいつ、ほんと何でも知ってるよな。
なんでスキルの持ち主の俺より詳しいんだよ。
「それなら、狩りをしながら見張れるでしょ?まあ複数表示は、慣れるまでちょっと視界があれかもしれませんが……ま、マスターならきっとすぐに慣れますって」
「ふむ……」
確かに、常時モニターできるなら、ボスを見つけるのは難しくないな。
けど――
「ソロはなぁ……狩るのに時間がかかるとなると、人目に晒されるリスクが……」
素早く処理できるならいいが、俺の単独だと絶対に時間がかかる。
となれば、その目撃も自然と増える事に。
タイミングを見計らったギルドの巡回が常にいる訳だから。
「頻繁にソロでボス狩りなんかしてる姿を見られたら、絶対ギルドに睨まれちまう。彼らからしたら、横取りされてるみたいなもんだからな」
ギルドに独占権はない。
が、既得権益者はきっとこう考えるはずだ。
俺達の得物を奪いやがって。
と。
「横取り上等ですよ!マスターは自分のクラスを忘れたんですか!そう!マスターは怪盗です!横取り上等!むしろそれがマスターの使命!」
嫌な使命である。
「だいたい、睨まれたからってどうって事ありませんよ。神出鬼没を持つマスターを捕らえる事なんて誰も出来ませんし」
「まあ、それもそうか……」
変身してるから正体もばれないだろうし……
「いやけど、売る時に足がつかないか?」
ボスを狩まくってそれを売りに出せば、誰が狩っていたか一目瞭然である。
そうなると俺の正体が暴かれるリスクが……
協会を通さないルートは犯罪だし、それはそれで特定されそうな気が……
「ああ、それなら名案がありますよ」
「何か対策があるのか?」
「ええ、大ありです。シーカー登録をすればいいんです!怪盗ダブルGとして!!そしてダブルGとして販売すれば問題解決!!!」
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これまではとにかく経験値命だった。
だがよくよく考えて、俺にはブーストポーションがある。
そう、経験値が100倍になる奇跡のアイテムが。
クラスアップで必要経験値が10倍になった分を含めても、他のシーカーの10倍速。
なので急いでレベルだけを上げる意味は薄い。
狩りをしてれば、そう遠くない未来にレベル99には到達するだろうからな。
まあレベル上がった方が気持ち良くはあるんだけど、弱点克服のためにも金銭効率を重視しないとな……
「なに言ってるんですかぁ。レベルこそパワーですよ」
「うん、言ってる意味が分からん」
「まあ要は、とっとと幸運を99まで上げた方が結果的には効率が良くなるって事ですよ。レアドロップ率が上がって、より強い敵も倒しやすくなる。基本的に強い敵の方がいい物を落とすんですから、幸運って言う明確な伸びしろがあるうちはレベルを優先した方がいいですよ」
「ふむ……」
まあそれももっともか。
なんか金と経験値で分けて考えてしまったが、レベルが上がってその分強くなれば自然と金銭効率も上がっていく。
そう考えると、レベル上げこそタイパ最強と言えるな。
「じゃあ最初の予定通り……いや、場所自体は変えるか」
1年頑張ったお陰で、俺自身の強さは伸びた。
しかも八咫烏の勇気までいるのだ。
より効率の良い、レベルの高い狩場を選択する方がいいだろう。
「どこかおススメの狩場はあるか?」
「そうですね。Aランクダンジョンの『大地の怒り』とかがおすすめですかねぇ。あそこ、くっそ硬くて馬鹿みたいに攻撃力が高いだけの雑魚が多いですし」
「いや10レベル以上すっ飛ばした魔物を雑魚って……」
ランクによる魔物の強さの差は大きい。
レベル68と69の似た様な特徴の魔物を比べた場合、その強さにそこまで劇的な差はない。
だがこれがCランクの69と、Bランクの70では天と地ほどの差が出て来る。
下手したら『倍以上ステータス違うんじゃね?』ってなる程に。
なので、BランクダンジョンとAランクダンジョンでは次元が違ってくるのだ。
ぶっちゃけ……Cランクダンジョンのボスであるバーサーカー・ラーテルより、Aランクダンジョンの雑魚の方が強いまである。
「まあ勇気が言うんなら狩りは成立するんだろうけど……あんまりきついと数が狩れそうにないんだが?」
楽な相手を狩るのと違って、厳しめの戦いなんて1日にそう何度も出来るものではない。
そういう戦いは消耗が激しいからな。
いくら俺が強くなったとはいえ、Aランクの魔物を楽勝って事はないだろうし。
なにより火力不足はそのままである。
ポンポン狩れるビジョンが全く浮かんでこないぞ。
「大丈夫ですよぉ。今のマスターなら、Aランクの魔物如きに後れは取りませんって。それに私の固有スキルの中に、敵の生命力を半減させるスキルがありますから。火力不足もそんなに気にならないでしょうし」
「そんなえぐいスキル持ってるのかよ……」
1年一緒にいるが、まだまだコイツの事はよく分かっていない。
スキルとか聞いてもはぐらかされてるし、何かと隠したがるからな。
こいつは。
因みに、こいつが最初に使ったスキルリンクは一度選ぶと変更不可だそうな。
なので別のスキルをリンクさせたいなら、スキルレベルの上がるレベル99——勇気は端数繰り上げで50だそうだ――まで上げる必要があるとの事。
「まあボス系には完全耐性があるんで効きませんけどね。あと、Sランク以降の魔物も耐性があって10%とか20%しか削れませんが」
「いや、Sランクの魔物の生命力を2割削れるなら十分すぎるわ」
半分削るってのが異常なだけだ。
まあとにかく、半分削れた状態でスタートするなら、確かに火力問題はある程度緩和されるな。
そして勇気の太鼓判だ。
「わかった。一度行ってみよう」
ま、駄目そうなら別の狩場に変えるだけだ。
一撃死とかしない限り、神出鬼没で逃げるのも簡単だしな。
「あ、そうそう。出来たら適正レベルのボスもガンガン狩って行きましょう。ボスは経験値が美味しいですし、お金も一緒に稼げますからね」
「気軽に言うけど、ボスなんてそんなポンポン狩れないぞ。大手ギルドとかが定期的に高ランク帯のボス狩りしてるからな」
Cランクだと、バーサーカー・ラーテルの様に狩られていないボスは多い。
そこまで金銭的に美味しくないってのと、そのレベル帯は生活のために腰掛的な活動をするシーカーが大半だからだ。
なので一々大人数で集まって、危険な魔物を狩ろうって奴は少ない。
経験値もかなり多めで、討伐してレベルが上がってしまうと長い目で見ると損になる可能性もあるしな――Cランクの適性外になってしまうまでに稼げる額が変わって来る。
まあそれでもおいしい奴は結構狩られてる様だし。
聖の動画の時の様にイベント的に狩られるって事もあるけど、基本的にCランクは余っているボスが多い。
だが、Bランク以上になると話は変わって来る。
まずダンジョンの絶対数が減る。
Cランクは国内に200か所ぐらいあるが、Bランクはその半分だ。
つまり、それだけでボスの数が半減してしまう訳である。
そしてBランクのボスは、Cランクの様にドロップが微妙ってのが少ない。
なので基本全部美味しいのだ。
そのため、その大半がリポップ即狩りされている状態となっていると聞く。
「ボス狩りしてるギルドは、巡回を出してボスのリポップを確認してるだろうし……正直、単独で活動してる俺がそこに割って入るってのは相当難しいぞ」
「なーに言ってるんですか。マスターには神出鬼没によるダンジョン移動と、マップの鑑定があるじゃないですか。ボスが出現してるかも一目瞭然なんですから、それを活用すれば頻繁にボスを狩れるはずですよ」
「そうか?そもそもそれをしようとしたら、頻繁にボスのチェックするためダンジョン移動しないと駄目だからかなり手間なんだが?」
ボスがいつ湧くか監視しようとすると、こまめにダンジョンを移る必要がある。
まあ巡回よりましなんだろうけど、それでも個人でそれをやるのはかなり面倒くさい。
「ふふふ。どうやらマスターはまだ気づいていないようですね」
「何がだ?」
「マスターの幸運鑑定で出したマップはなんと……マスターが消さない限り、24時間ずっと表示されますよ。それも複数!」
「え……マジ?」
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こいつ、ほんと何でも知ってるよな。
なんでスキルの持ち主の俺より詳しいんだよ。
「それなら、狩りをしながら見張れるでしょ?まあ複数表示は、慣れるまでちょっと視界があれかもしれませんが……ま、マスターならきっとすぐに慣れますって」
「ふむ……」
確かに、常時モニターできるなら、ボスを見つけるのは難しくないな。
けど――
「ソロはなぁ……狩るのに時間がかかるとなると、人目に晒されるリスクが……」
素早く処理できるならいいが、俺の単独だと絶対に時間がかかる。
となれば、その目撃も自然と増える事に。
タイミングを見計らったギルドの巡回が常にいる訳だから。
「頻繁にソロでボス狩りなんかしてる姿を見られたら、絶対ギルドに睨まれちまう。彼らからしたら、横取りされてるみたいなもんだからな」
ギルドに独占権はない。
が、既得権益者はきっとこう考えるはずだ。
俺達の得物を奪いやがって。
と。
「横取り上等ですよ!マスターは自分のクラスを忘れたんですか!そう!マスターは怪盗です!横取り上等!むしろそれがマスターの使命!」
嫌な使命である。
「だいたい、睨まれたからってどうって事ありませんよ。神出鬼没を持つマスターを捕らえる事なんて誰も出来ませんし」
「まあ、それもそうか……」
変身してるから正体もばれないだろうし……
「いやけど、売る時に足がつかないか?」
ボスを狩まくってそれを売りに出せば、誰が狩っていたか一目瞭然である。
そうなると俺の正体が暴かれるリスクが……
協会を通さないルートは犯罪だし、それはそれで特定されそうな気が……
「ああ、それなら名案がありますよ」
「何か対策があるのか?」
「ええ、大ありです。シーカー登録をすればいいんです!怪盗ダブルGとして!!そしてダブルGとして販売すれば問題解決!!!」
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良かったら読んでください!
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