スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一

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第141話 分配

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レベル97ボスで手に入ったレアアイテムは、ダメージリカバリーリングと、初レア一点物の分身スキルのスキルブックだ。

ダメージリカバリーリングはタリスマンで、ダメージを受けた際1%の確率で発動して、HPMPSP、それにスタミナが1%回復する効果を持っている。

え?
高レベルボスのレアドロップにしては効果がしょぼい?

そんな事はない。
例えば、このリングを落としたグレートマザーラットの取り巻きを盾クラスタンクが受けた場合、秒間100発じゃすまない程のダメージを受ける事になる――盾で受けても若干ダメージは入るので、ガード時も含めて。
そうなると、毎秒1%以上回復する計算だ。

それでもたった1%と思うかもしれないが、くっそ硬い盾クラスの1%回復は想像以上に大きい。
下手したら、俺のHP100%に匹敵しかねないレベルだ。

まあ流石にそれは少々大げさかもしれないが、この1%の回復で受けれる範囲が大きく変わるのは事実なので、これは間違いなく高レベルの盾クラス垂涎の装備と言っていい。

で、もう一つの分身スキルのスキルブックは、使うと文字通り分身スキルが使えるようになる物だ。
分身は自分と同じステータス、それに自分と同じ状態、要は装備やバフ状況が全く同じ分身を生み出す事ができる強スキルとなっている。

自分がもう一人増える訳だからな。
正に最強!
と言いたい所だが、このスキルには明確な欠点が3つあった。

一つはアクティブスキルや魔法が一切使えない点だ。
なのでスキルや魔法を連発するクラスにとっては、実は微妙だったりする。
殴り合いが苦手なのに、分身は殴り合いしかできない訳だからな。

二つ目は行動の問題。
分身は完全コントロールか、オートの2パターンで運用する事になる。
しかしこのオートの戦闘技術が微妙だそうだ。
勇気曰く『私と訓練する前のマスターレベルです』だそうだ。

訓練前の俺とか、今の俺から見たらほぼゴミレベルだからな。
それぐらい酷かった。
なので自分と同じパフォーマンスは全く期待できない。

じゃあ完全コントロールすればいいと思うかもしれないが、凡人には無理だ。

なにせ体を二つ同時に動かす訳だからな。
感覚も2倍コントロールしないといけないらしいし。
俺がそんな真似したら、本体の動きまでグダグダになるのは目に見えている。

なので完全コントロールで分身を完璧に動かせるのは、勇気の様な超天才だけである――本人談。

で、三つ目の欠点だが……それは燃費である。
発動中はとにかくすごい勢いでMPとSPが減っていくとの事。
怪盗はそこそこその二つは多い方なんだが、それでも他スキルを使用を完全にストップした状態で30秒ももたないレベルとなっている。

以上を総合して、このスキルに俺視点で点数をつけるなら……まあ70点って所かな。
確実に役には立つけど、絶対手に入れておきたいスキルって程でもないって感じだ。

けど……このスキルを限りなく100点に近い形で扱える男が一人いる。
そう、竜崎守だ。

竜崎はほぼアクティブスキルを使わない。
ユニークスキルの変身に遠距離スキルもあるが、基本的にそれも使ってないしな。
なにせ遠距離に攻撃を飛ばすより、走って近付いて殴った方がスキルより早いって化け物だし。
究極スキルはアクティブだが、あれもバフなので、使ってから分身を出せば全く問題ない。

更にアルティメットプレーンは、SPMP共に馬鹿高かったりする。

アクティブスキルも魔法も使わないのに何でそんなに高いんだよ!
そう言いたい所だが、シーカーにはスキルブックがあるからな。
それをフル活用できる前提のステータスなんだろう。

まあ何にせよ、アルティメットプレーンなら軽く1分以上分身を出せ続ける訳だ。

更に付け加えるなら、竜崎守は勇気に匹敵する天才である。
当の勇気自体が認めてる程だからな。
つまり、微妙なオートモードではなく、自分で完全にコントロールして戦えるという訳である。

以上、レアドロップ説明終わり。
因みに、今回手に入れたアイテムは2つとも天魔パーティー行だ。

基本的にレア系は半々なので、聖用に指輪は俺が貰うはずだったんだが――スキルは竜崎の適性が最強すぎてよこせとは言えないし――隠し通路の協力をして貰うって事で彼女達に融通している。

―—Sランクダンジョン『太古』

「こんな所に隠し通路?どこにも見当たらないけど?」

何もない草原の一か所。
そんな場所に、本当に隠し通路があるのかと天魔が俺に聞いて来る。

「ああ、間違いなくここだ」

俺は足元を見つめる。

隠し通路は、必ずしも壁の中にある訳では無い。
今回は足元。
地中だ。

そう俺の鑑定マップが示していた。

さて、それじゃ隠し通路攻略を始めるとしようか。
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