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(E)エヴァン・ゲリュオン
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「は?」
何が起こったのか分からず、俺は目を丸める。
「なんだこりゃ?一体何が起きた?」
それは突然の事だった。
急に視界が暗転したかと思えば、俺は先程までいた場所とは全く違う場所にいたのだ。
――そこは見た事のない様な物が大量に置いてある、小さな室内。
何と無しに自分の右手を見ると、そこに愛用している斧はなかった。
何処かで落としたのか?
いや、それ以前にこれは本当に俺の手か?
俺の目に映る右手は、自分の物と考えるにはあまりに小さく見えた。
「何で手袋なんかしてるんだ?だいたい、俺の手はもっとゴツい――うっ!?」
その時急に、頭に何かが、情報――誰かの記憶と思しき者が一気に流れ込んで来た。
その不快感に俺は頭を押さえる。
――それは俺の知らない男の記憶。
「山田……太郎?」
まったく知らない男だ。
そしてその男の記憶から、此処が自分の生まれた世界でない事が――この場所が山田太郎の部屋だと理解できた。
「こりゃあ、いったい……つか、この記憶がマジなら……」
驚くべき事に、その記憶の中には俺の――
「俺は殺される運命だったって事か?」
――エヴァン・ゲリュオンの未来の情報もあった。
「いや、ゲームだから……いやそもそも、何でんそんな遊戯に俺が出てるってんだ?」
意味が分からず混乱する。
もはや何が何だか。
「くっ……慌ててもしょうがねぇ。落ち着け。とにかく落ち着いて、今分かっている事を整理するぞ」
まず第一に――
「今の俺は……」
視線を動かす。
机の上にある鏡には、黒髪の男の顔が映っていた。
それは流れ込んだ記憶にある、山田太郎と言う男の顔だ。
「山田太郎って奴の体に入ってるって事だ」
第二に――
「ここは俺の知らない。山田太郎って奴の住んでいる異世界」
今の俺がいるのは、山田太郎が一人暮らししていた高層マンション。
窓から外を眺めると、見た事のない様な建物が並んだ街並みが足元に広がっていた。
以前までいた世界では、考えられない様な光景だ。
第三に――
「異世界人であるはずの山田太郎は、俺の事を知っていた。ゲームを通じてだが……」
『ジャスティスヒーロー』というゲームの登場人物。
主人公の姉である、ヘレナを殺した事で敵役として断罪される敵。
それが俺、エヴァン・ゲリュオンだ。
「名前は確認してないが……多分、さっき殺した赤毛の村娘がヘレナって女だろうな」
山田太郎の記憶の中にある女の顔と、さっき殺した女の顔が一致する。
死の間際に主人公の名前――レイヤと叫んでいた事からも、それは疑いようがない。
「て事は、あのままだったら俺はマジで死んでた訳か……」
幼少期の情報まで一致している事を考えると、偶然ゲーム内に俺と瓜二つの、名前も境遇も同じ奴がフィクションとして登場していたとは思えない。
そう考えると、ゲームは俺の未来を暗示していたと考えて間違いないだろう。
「悪運に感謝って所か?」
主人公であるレイヤには、悪人を見つけ出す魔法があった。
それから逃げ延びるのは至難の業だ。
だが異世界なら、そもそも別人の体なら、流石に俺を殺しにここまでやってくる心配はない。
つまり、俺は生き伸びたのだ。
ならばこれは正に悪運――
「いや、これは本当にただの悪運か?」
ただの運と断ずるには、余りに奇妙すぎる。
入って来た山田太郎の記憶とのすり合わせで、此処がどういった場所で、自分の状況は概ね把握する事は出来た。
だが、肝心な、最も重要な部分が分かっていない。
それは――
「なんで俺が異世界人の体に入ったのか……だ」
偶然たまたま異世界人の体に入った?
そんな寝言を唱えるほど、俺も馬鹿ではない。
もし山田太郎が俺の情報を持っていなかったなら、それも絶対にないとは言い切れなかっただろう。
だがこの世界には、俺の出ているゲームが存在している。
そんな世界の住人の体の中に入ったのが、ただの偶然だなんて……絶対ないと俺は断言できる。
「どう考えても……誰かが、何らかの目的でって考えないと説明がつかん」
だが誰が?
エヴァン・ゲリュオンである自分の知識に、そんな荒唐無稽な事を成せる人物の情報はない。
山田太郎の方だが……少々怪しい奴が一人いるにはいるが、まあそいつでも流石にそんな真似は無理だろうと、俺は山田太郎の知識から判断する。
「ちっ……原因も分からず、誰かの掌で踊らされる。あんまり気持ちのいいもんじゃねーな」
結果だけ見れば、命を救って貰えたと言えるだろう。
だが相手の目的が分からない以上、いつ自分が使い捨ての駒にされてもおかしくないのだ。
そんな状況で喜べるほど能天気なら、俺は悪逆非道の山賊なんてやっていない。
「ん?」
耳元で『ピロリン』と音が鳴り、目の前に黄色い半透明のパネルが表示される。
そのパネルには、メッセージと書かれた便箋マークが表示されていた。
送り主名は山田太郎の知り合いである、小赤継利と言う男からだ。
「メールか……」
自分の世界に無い物に、少しだけ驚かされる。
これはこの体の両目――義眼に仕込まれているシステムだ。
――山田太郎は、とある事情から脳以外のパーツを全て失っていた。
現在はそれら全てを人工物等で代替し、なんとか生きている状態である。
「こう言うのを改造人間。いや、人体のほぼ全てを失ってる訳だから――」
山田太郎の知識から、相応しい単語を俺は選別する。
「人造人間と言った方がしっくりくるか」
何が起こったのか分からず、俺は目を丸める。
「なんだこりゃ?一体何が起きた?」
それは突然の事だった。
急に視界が暗転したかと思えば、俺は先程までいた場所とは全く違う場所にいたのだ。
――そこは見た事のない様な物が大量に置いてある、小さな室内。
何と無しに自分の右手を見ると、そこに愛用している斧はなかった。
何処かで落としたのか?
いや、それ以前にこれは本当に俺の手か?
俺の目に映る右手は、自分の物と考えるにはあまりに小さく見えた。
「何で手袋なんかしてるんだ?だいたい、俺の手はもっとゴツい――うっ!?」
その時急に、頭に何かが、情報――誰かの記憶と思しき者が一気に流れ込んで来た。
その不快感に俺は頭を押さえる。
――それは俺の知らない男の記憶。
「山田……太郎?」
まったく知らない男だ。
そしてその男の記憶から、此処が自分の生まれた世界でない事が――この場所が山田太郎の部屋だと理解できた。
「こりゃあ、いったい……つか、この記憶がマジなら……」
驚くべき事に、その記憶の中には俺の――
「俺は殺される運命だったって事か?」
――エヴァン・ゲリュオンの未来の情報もあった。
「いや、ゲームだから……いやそもそも、何でんそんな遊戯に俺が出てるってんだ?」
意味が分からず混乱する。
もはや何が何だか。
「くっ……慌ててもしょうがねぇ。落ち着け。とにかく落ち着いて、今分かっている事を整理するぞ」
まず第一に――
「今の俺は……」
視線を動かす。
机の上にある鏡には、黒髪の男の顔が映っていた。
それは流れ込んだ記憶にある、山田太郎と言う男の顔だ。
「山田太郎って奴の体に入ってるって事だ」
第二に――
「ここは俺の知らない。山田太郎って奴の住んでいる異世界」
今の俺がいるのは、山田太郎が一人暮らししていた高層マンション。
窓から外を眺めると、見た事のない様な建物が並んだ街並みが足元に広がっていた。
以前までいた世界では、考えられない様な光景だ。
第三に――
「異世界人であるはずの山田太郎は、俺の事を知っていた。ゲームを通じてだが……」
『ジャスティスヒーロー』というゲームの登場人物。
主人公の姉である、ヘレナを殺した事で敵役として断罪される敵。
それが俺、エヴァン・ゲリュオンだ。
「名前は確認してないが……多分、さっき殺した赤毛の村娘がヘレナって女だろうな」
山田太郎の記憶の中にある女の顔と、さっき殺した女の顔が一致する。
死の間際に主人公の名前――レイヤと叫んでいた事からも、それは疑いようがない。
「て事は、あのままだったら俺はマジで死んでた訳か……」
幼少期の情報まで一致している事を考えると、偶然ゲーム内に俺と瓜二つの、名前も境遇も同じ奴がフィクションとして登場していたとは思えない。
そう考えると、ゲームは俺の未来を暗示していたと考えて間違いないだろう。
「悪運に感謝って所か?」
主人公であるレイヤには、悪人を見つけ出す魔法があった。
それから逃げ延びるのは至難の業だ。
だが異世界なら、そもそも別人の体なら、流石に俺を殺しにここまでやってくる心配はない。
つまり、俺は生き伸びたのだ。
ならばこれは正に悪運――
「いや、これは本当にただの悪運か?」
ただの運と断ずるには、余りに奇妙すぎる。
入って来た山田太郎の記憶とのすり合わせで、此処がどういった場所で、自分の状況は概ね把握する事は出来た。
だが、肝心な、最も重要な部分が分かっていない。
それは――
「なんで俺が異世界人の体に入ったのか……だ」
偶然たまたま異世界人の体に入った?
そんな寝言を唱えるほど、俺も馬鹿ではない。
もし山田太郎が俺の情報を持っていなかったなら、それも絶対にないとは言い切れなかっただろう。
だがこの世界には、俺の出ているゲームが存在している。
そんな世界の住人の体の中に入ったのが、ただの偶然だなんて……絶対ないと俺は断言できる。
「どう考えても……誰かが、何らかの目的でって考えないと説明がつかん」
だが誰が?
エヴァン・ゲリュオンである自分の知識に、そんな荒唐無稽な事を成せる人物の情報はない。
山田太郎の方だが……少々怪しい奴が一人いるにはいるが、まあそいつでも流石にそんな真似は無理だろうと、俺は山田太郎の知識から判断する。
「ちっ……原因も分からず、誰かの掌で踊らされる。あんまり気持ちのいいもんじゃねーな」
結果だけ見れば、命を救って貰えたと言えるだろう。
だが相手の目的が分からない以上、いつ自分が使い捨ての駒にされてもおかしくないのだ。
そんな状況で喜べるほど能天気なら、俺は悪逆非道の山賊なんてやっていない。
「ん?」
耳元で『ピロリン』と音が鳴り、目の前に黄色い半透明のパネルが表示される。
そのパネルには、メッセージと書かれた便箋マークが表示されていた。
送り主名は山田太郎の知り合いである、小赤継利と言う男からだ。
「メールか……」
自分の世界に無い物に、少しだけ驚かされる。
これはこの体の両目――義眼に仕込まれているシステムだ。
――山田太郎は、とある事情から脳以外のパーツを全て失っていた。
現在はそれら全てを人工物等で代替し、なんとか生きている状態である。
「こう言うのを改造人間。いや、人体のほぼ全てを失ってる訳だから――」
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