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EP:16 廻るセカイ

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「っは~~だりィ」

 そう言いながら、孔から茎を抜き取った。
「ん!」
 やや強引に抜かれ。
 一緒に挿入れていたフレディの声も出てしまう。

 そして、暗視スコープゴーグルから、セスナを睨んだ。

「おい! フロイ‼」
「何だよ」

 むっつりとした返事をするフロイ。
日本人アズミを、ちゃんと調教しろよ!?」
 そんな彼に。
 指を差すとそのまま牢獄を後にしてしまう。

「あ! ふ、フロイさん~~」
 フレディも抜き、ズボンを慌ててあげて。
 ベルトをカチャカチャ、と鳴らす。

「行っちゃいますよ! セスナさんが~~」

「ああ」
 腕を組んだままフロイは息を吐くと、
「アズミ。また、来る」
 ぐったりとした、ゲイリーの身体を抱き締める安住に言った。

「来なくたっていい! 変態ども‼」

 ◆

(変態、って言われた…)

 少し、傷ついているフロイに。
 セスナが強い口調で言う。
「俺様は明日から4連休だ。戻って来たら日本人あいつに挿入れっから、きちんと孔を拡げておけよ! 分かったな?!」
「ああ」
「手前の茎は俺様の後に挿入れさせてやる。絶対に、挿入れんじゃねェぞォ‼」
「…ああ」

「あ゛~~腰が馬鹿にだるいったらねェ~~」

「今日っ、2人も食べたらそりゃあ、そうなるでしょうね!」
「あ゛ん?? なんだよ、フレディ」
「いいえ。別に!」
「っち。これだから、子供は困るんだよ」
「2歳しか違わないのに、子供と――…??」

 言い合いする内にフレディの視線が、
(袖口に、汚れ? シミがついて、るのかな?)
 その存在に気がついた。

「? あんだよ、フレディ‼」

 カツン、カツン――…。

 真っ暗な廊下を、3人は突き進んで行く。
 しかし。
 暗視スコープゴーグルから、その汚れは丸見えだった。

「あの。袖口…汚れてますよ?」

「!? っはァ゛??」

 セスナは歩幅を大きく広げ、駆け出して行く。
 その様子に、フレディはフロイに聞いた。

「あれって、その、あれではなく…それ、ですよね?」

「ああ。恐らくな」

 ダガダガダガ――…ッッ‼

 ガッシャ――ン‼

「何だって汚れたんだよ! クソじゃねェだろォなァ゛!」

 セスナは監視室に向かった。
 そこには身だしなみ用の鏡があったからだ。
「私の見間違いでしたか? セスナさん」
 次いで、フレディとフロイが戻った。
 腕には暗視スコープゴーグルが巻かれていた。

「糞の臭いがしねェ」

 唖然とした表情で、二人に聞いた。

「これは、…血なのか!?」

「なんだったらいいんだよ。君は」

 冷徹にフロイが言い放つと、
「!?」
 暗視スコープゴーグルに手を伸ばして、駈け出そうとする勢いのセスナ。

 ――を、フロイが腕を伸ばし動きを止めさせた。

「離せよ! 離せよ‼ フロイィイイイッッ‼」
「どこに行くつもりだ。セスナ。君は」

「っど、どこだっていいだろォうが‼」

「アズミの牢獄には行かせない。行く必要もない」
「必要なないってはどういう要件だ! あァ゛んン?!」
「君が行ったところで囚人を煽るだけだ。それにもうじき看守も交代だ」

「っくそ! 離せよ‼」

 少し狼狽えながら、セスナは息を整えた。
 朝の看守と交代後。

 彼、セスナ=ボンゾイは休暇に入る。

「あいつ、本当に…初めて、っだ…う゛!」

 セスナは口元を手で覆い走った。

「ふぅ。意外と繊細だったんですね。セスナさん」
「ああ。意外と繊細だったんだな。セスナは」

 行先は――便所だ。
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