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1話
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目を開けて広がっていたのは白い空間だった
「...ここは、」
何なんだ、ここは...
呆然と立ち尽くしていると後ろから声が聞こえてきた
「ようこそ東雲様。私はナビゲーターのウラディアと申します。これからキャラクター作成に入りますが、質問はありますか?」
少し驚きながらも振り返ってみると、
メイド服を着た背の高い女性が立っていた
「...えっと、ウラディア殿、何故私の名を?」
不思議に思い、そう問うと
「はい、インターネットに接続していただいた際に個人情報をインプットさせていただきました。
それと、私の事はどうぞ呼び捨てで構いません」
そう、微笑みながら答えてくれた
その自然な表情に少し気を緩め答えた
「...その、敬語やこの呼び方はどうも抜けなくて、質問に答えて下さりありがとうございます」
それを聞き、少し驚いた表情をした後
また微笑み訪ねてきた
「はい、それでは、キャラクター作成に移らせてもらいますが、構いませんか?」
その表情の豊かさに驚きながらも
こちらも笑みを浮かべてかえす
「はい、構いません」
その返答に頷くと、半透明のアバターが浮かび上がる
「それでは、作成に移ります。
まず、性別は女性のままで構いませんか?」
「はい」
そう答えると、女性とわかるような体つきになった
「次に、お名前は何にいたしますか?」
これはもう決めていた
「カタカナで〈キョウ〉でお願いします」
「かしこまりました。それでは次はに移ります。ゲーム内での貴方の体は、貴方の現実の体を元にしますか?」
その問いには少しだけ悩んだ
新しい自分として全く別にしてもいいが、
感覚が変わるのはそれはそれで嫌だ
その葛藤に気づいたのか
「大丈夫です。今のままでも綺麗ですよ」
と笑いかけてくれた
そういう事ではないだが
悩んだ末決めた
「...そう、ですね。その場合、少し変化を加える事は出来ますか?」
「はい、可能です」
「なら、現実の体を元にする方でお願いします」
その答えを聞き、少し嬉しそうにしながら話しかけてくる
「かしこまりました。細かい設定は種族が決まってからになりますので、種族決めに移ります。
種族の決め方は2つあり、レアな種族はなれないものの自分の好きな種族を選べるやり方。もう1つは、ガチャを引いて頂くやり方です。こちらは稀にレア種族が出る事があります。どちらにいたしますか?」
ガチャ、か。いいかもしれないが...
「えっと、ガチャの方のデメリットは何ですか?」
その問いに少し慌てると
「ごほん...失礼しました、伝え忘れていたようです。
ガチャの場合引いた種族を変える事は出来ません。また、このゲームはやり直しが効きません。
その為、選んだ種族を貫いてもらう事になります」
そう言って、真剣な目で見てきた
正直悩むが、レア種族と言うものには興味がある
「そうですか...決めました。ガチャの方でお願いします。」
そう言うと、もう一度確認してくる
「変更は出来ませんがよろしいですか?」
変える気はない
「はい」
そう言って頷くと
この場には不釣り合いなガチャガチャが出てくる
「それでは、こちらを引いて下さい」
その声に頷き、回す
ガチャ、ガポン!
「まあ」
うん?どうかしたのか?
「おめでとうございます。レア種族ですね」
興味があったとはいえ、まさか本当に当たるとは
「何という種族ですか?」
「龍人(りゅうじん)と言われる種族です。
おや、しかも黒ですね」
黒、と言うのは何だろう
「黒、と言うと?」
その問いに自慢げに
「はい!とてもレアな種族です!...おほん。黒龍人は白龍人という種族と共に最も低い確率の種族です。引いたのは貴方が初めてですね。
この種族は【黒魔法】と言う特殊な魔法を使う事が出来ます」
何というか、厨二な響きだな
「えっと、それ以外は?」
その問いに、あれ?という顔をしながら
「え?え、えっとですね、【飛行】や【龍語】なども使えますよ。後全体的にステータスが高いですね」
【龍語】か、面白そうだな
「楽しめそうですね」
「はい!ぜひ楽しんでいってください!」
「容姿を決めていいですか?」
「はい!...はっ!そうでした。黒龍人には弱点がございます。」
じゃ、弱点?
「黒龍人は夜を統べる者の為、日の光に弱いのです。どうぞお気をつけ下さい。それでは容姿を決めていきます。注意点としては、髪は黒色で、瞳は金色なのが確定されてしまっています。
その為、東雲様が主に変更できるのは、輪郭と髪型のみとなってしまいます」
それぐらいならまあいいかな
「構いません。なら髪は首が見えるほど短く、後肌の色を褐色にしてもいいですか?」
あまり現実の体に似ていない方がいいと思うし
それに対し、苦笑いを浮かべながら言う
「すみません、黒龍人の肌は白統一です」
そ、そうなのか。なら髪だけでいいかな
「なら髪を短くするだけでお願いします」
それに対しにっこり笑うと
「かしこまりました。補足ですが、このゲームでは、基本的にステータスを見えないようにしています。その為、レベルが上がったからと言ってステータスを割り振ったりしません。また、スキルは行動によって得る事が出来ます。例えば【剣術】はそのスキルを持った人に教えを請う事によって得る事が出来ます」
なるほど
「このゲームには様々なスキルがあります。
たくさん走れば【走る】を得る事が出来たりします。ぜひ、様々な行動をしてみてください」
それを聞き頷くと
「それと、スキルやレベルの確認の時は、メニューと強く思ってください。試しにやりますか?」
謹んで遠慮しておく
首を横に振ると
「それでは意識を移します。貴方がこのゲームを心から楽しめる事を願います」
そうだ
「最後に1つだけ聞いてもよろしいですか?」
それに首をかしげると頷いた
「貴方たちは、生きていますか?」
それを聞き、とても驚いた表情をした
そして微笑むと、
「さあ、どうでしょう。それは貴方が見て決めて下さいませ」
そう意味深い言葉を残し、視界はまた白く染まった
「...ここは、」
何なんだ、ここは...
呆然と立ち尽くしていると後ろから声が聞こえてきた
「ようこそ東雲様。私はナビゲーターのウラディアと申します。これからキャラクター作成に入りますが、質問はありますか?」
少し驚きながらも振り返ってみると、
メイド服を着た背の高い女性が立っていた
「...えっと、ウラディア殿、何故私の名を?」
不思議に思い、そう問うと
「はい、インターネットに接続していただいた際に個人情報をインプットさせていただきました。
それと、私の事はどうぞ呼び捨てで構いません」
そう、微笑みながら答えてくれた
その自然な表情に少し気を緩め答えた
「...その、敬語やこの呼び方はどうも抜けなくて、質問に答えて下さりありがとうございます」
それを聞き、少し驚いた表情をした後
また微笑み訪ねてきた
「はい、それでは、キャラクター作成に移らせてもらいますが、構いませんか?」
その表情の豊かさに驚きながらも
こちらも笑みを浮かべてかえす
「はい、構いません」
その返答に頷くと、半透明のアバターが浮かび上がる
「それでは、作成に移ります。
まず、性別は女性のままで構いませんか?」
「はい」
そう答えると、女性とわかるような体つきになった
「次に、お名前は何にいたしますか?」
これはもう決めていた
「カタカナで〈キョウ〉でお願いします」
「かしこまりました。それでは次はに移ります。ゲーム内での貴方の体は、貴方の現実の体を元にしますか?」
その問いには少しだけ悩んだ
新しい自分として全く別にしてもいいが、
感覚が変わるのはそれはそれで嫌だ
その葛藤に気づいたのか
「大丈夫です。今のままでも綺麗ですよ」
と笑いかけてくれた
そういう事ではないだが
悩んだ末決めた
「...そう、ですね。その場合、少し変化を加える事は出来ますか?」
「はい、可能です」
「なら、現実の体を元にする方でお願いします」
その答えを聞き、少し嬉しそうにしながら話しかけてくる
「かしこまりました。細かい設定は種族が決まってからになりますので、種族決めに移ります。
種族の決め方は2つあり、レアな種族はなれないものの自分の好きな種族を選べるやり方。もう1つは、ガチャを引いて頂くやり方です。こちらは稀にレア種族が出る事があります。どちらにいたしますか?」
ガチャ、か。いいかもしれないが...
「えっと、ガチャの方のデメリットは何ですか?」
その問いに少し慌てると
「ごほん...失礼しました、伝え忘れていたようです。
ガチャの場合引いた種族を変える事は出来ません。また、このゲームはやり直しが効きません。
その為、選んだ種族を貫いてもらう事になります」
そう言って、真剣な目で見てきた
正直悩むが、レア種族と言うものには興味がある
「そうですか...決めました。ガチャの方でお願いします。」
そう言うと、もう一度確認してくる
「変更は出来ませんがよろしいですか?」
変える気はない
「はい」
そう言って頷くと
この場には不釣り合いなガチャガチャが出てくる
「それでは、こちらを引いて下さい」
その声に頷き、回す
ガチャ、ガポン!
「まあ」
うん?どうかしたのか?
「おめでとうございます。レア種族ですね」
興味があったとはいえ、まさか本当に当たるとは
「何という種族ですか?」
「龍人(りゅうじん)と言われる種族です。
おや、しかも黒ですね」
黒、と言うのは何だろう
「黒、と言うと?」
その問いに自慢げに
「はい!とてもレアな種族です!...おほん。黒龍人は白龍人という種族と共に最も低い確率の種族です。引いたのは貴方が初めてですね。
この種族は【黒魔法】と言う特殊な魔法を使う事が出来ます」
何というか、厨二な響きだな
「えっと、それ以外は?」
その問いに、あれ?という顔をしながら
「え?え、えっとですね、【飛行】や【龍語】なども使えますよ。後全体的にステータスが高いですね」
【龍語】か、面白そうだな
「楽しめそうですね」
「はい!ぜひ楽しんでいってください!」
「容姿を決めていいですか?」
「はい!...はっ!そうでした。黒龍人には弱点がございます。」
じゃ、弱点?
「黒龍人は夜を統べる者の為、日の光に弱いのです。どうぞお気をつけ下さい。それでは容姿を決めていきます。注意点としては、髪は黒色で、瞳は金色なのが確定されてしまっています。
その為、東雲様が主に変更できるのは、輪郭と髪型のみとなってしまいます」
それぐらいならまあいいかな
「構いません。なら髪は首が見えるほど短く、後肌の色を褐色にしてもいいですか?」
あまり現実の体に似ていない方がいいと思うし
それに対し、苦笑いを浮かべながら言う
「すみません、黒龍人の肌は白統一です」
そ、そうなのか。なら髪だけでいいかな
「なら髪を短くするだけでお願いします」
それに対しにっこり笑うと
「かしこまりました。補足ですが、このゲームでは、基本的にステータスを見えないようにしています。その為、レベルが上がったからと言ってステータスを割り振ったりしません。また、スキルは行動によって得る事が出来ます。例えば【剣術】はそのスキルを持った人に教えを請う事によって得る事が出来ます」
なるほど
「このゲームには様々なスキルがあります。
たくさん走れば【走る】を得る事が出来たりします。ぜひ、様々な行動をしてみてください」
それを聞き頷くと
「それと、スキルやレベルの確認の時は、メニューと強く思ってください。試しにやりますか?」
謹んで遠慮しておく
首を横に振ると
「それでは意識を移します。貴方がこのゲームを心から楽しめる事を願います」
そうだ
「最後に1つだけ聞いてもよろしいですか?」
それに首をかしげると頷いた
「貴方たちは、生きていますか?」
それを聞き、とても驚いた表情をした
そして微笑むと、
「さあ、どうでしょう。それは貴方が見て決めて下さいませ」
そう意味深い言葉を残し、視界はまた白く染まった
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