龍人のvrmmo

オレンジ狐

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8話

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さて、師匠はもう起きているか...

カラカラカラ.........ガタッ!

!?

ドタドタ!

「キョ、キョウ~!」

がしっ

そう叫びながら抱きついてくる

な、なんなんだ、急に

「は、はい?どうかされましたか?」

そう聞くと泣きながら

「ぼ、僕、いなくなっちゃったかと思って...起きたらいないし、どこ行ったかなんてわからないし...」

そうこぼす

ほう、それはつまり...

「私が逃げ出した、と思ったということですか?」

そうきくと、顔を歪め

「だ、だって、前弟子になった旅人さんも起きたらいなくなってて...」

そう、だんだんモゴモゴと言い始める

そうか、逃げ出した、か

「師匠」

そう感情を乗せずに言うと、肩を揺らしながらこちらを見る

「私が何も言わずに立ち去る様な者に見えた、と」

そう言うと、慌てた様に手を振りながら

「で、でも!みんなそうだったから...」

「私も同じだ、と」

尋ねるのではなく、淡々と言葉を発する
それを聞いて、小さく頷く

そうかそうか...

「師匠、一つ言っておきましょう」

そう言って、しっかりと目を見つめると、ココウラも視線を合わせる

「私は何も言わずに立ち去ったりなどしません。それは、私がその様な態度をとることを嫌っているからです。それに...」

そこで一度区切ると、ニッと笑い

「私は貴方から、何も盗めていません」

そう言うと、パチクリと瞬きをした後、ヘニャリと笑い、力を抜く

「そっか、そうだよね。まだ、何も教えてないよね...」

その言葉を聞き、頷くと

「ええ、そうですよ...ああ、それと...」

そう言うと、首を傾げながらこちらを見る

「ただいま帰りました。遅くなってすみません」

そう言うと、目を輝かせながら

「うん、うん!おかえり!何も書き置きがなかったから、心配したんだよ!」

そう言って、少し怒った様な表情をする
それを見て、苦笑いを浮かべると

「すみません、書くものを持っていなかったので...知り合いに久しぶりに会ってきました」

そう言うと、ニッコリ笑って

「うん!許す!まずは、朝のランニングからするよ!」

そう言う

それもいいが...

「まず先に、朝食の支度をしましょう。帰る時にはお腹が空いているはずですから」

そう言うと、少し考える様な仕草をした後頷く

「そうだね!帰ったら温めるだけだと楽だしね!」

そう言うと、台所に向かって歩き出し、キョウもそれについて行く






あ、そうだ

「師匠は走り込みの準備をお願いします」

そう言うと、首を傾げ

「?僕も手伝うよ?」

そう言ってくる
それに対して

「いえ、家事は弟子の仕事ですから。それに走り込み、結構好きなんです。だから、お願いします」

そう言うと、まだ不思議そうにしながら

「そう?じゃあ、こっちはよろしく頼むね」

そう言って、元来た道を戻っていく

流石に昨日の二の舞はごめんだ...
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