経営勇者アドミニスト

suzukiworld

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0.勇者レータ、死す

貧乏勇者と鼻笑い魔王の対峙

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「ふっ……よくぞここまで来たな、勇者よ」

「ああ、随分と長い道のりだったがな。ようやく辿り着いたぞ、魔王」

「そのようだな。せっかく来てもらったが、お主には消えてもらおう」

「それはこちらのセリフだ。今こそお前を討ち、世界に平和を取り戻す!」


 勇者レータ=アドミニストは魔王を倒すべく、魔王城を襲撃していた。当然魔王に出会うまでに城内で何度も魔物に襲われはしたが、勇者の圧倒的な力を前にしては全て雑魚も同然であった。
 魔王の目前に立った今、レータの身体にはかすり傷1つない。魔王と対峙するに当たって、理想の状況と言っても過言ではない。しかし、彼には問題点がある――――

 魔王が叫ぶ。


「ッハ!そんな貧弱な装備でよく言えたものだな!!」


 勇者は叫び返す。


「うるさい!金を稼ぐ暇は全部修行に使ったんだよ。覚悟しろ!」


 勇者の装備は頭から足先に至るまで全て木製の防具であった。右手にある鈍色を放っている剣が唯一まともな装備であるが、その剣も切れ味はあまり良くなさそうである。所謂”冒険初心者の装備セット”だ。


「「うおおおおお!!!」」


 勇者は焦るかのように魔王へ突撃する。魔王もそれに応えるように地を蹴った。同時に吠え、そして衝撃がぶつかり合う。
 ここに、勇者と魔王の戦いが始まった。
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