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その出会い
とある路地裏
しおりを挟む「ちょっとそこどいて!!!!!!」
なんでか東京駅から真っ直ぐ東へ方向を変えたヴァイスを低空飛行で追っていたら、一般人と見られる私服姿の男が立ちすくんでいた。
なんでこんなところに人がいるんだ。邪魔でしかない。
彼はゆっくりヴァイスを見る。まずい、ヴァイスと目が合ってしまうと彼が攻撃されてしまう。
急いで彼を死角に隠そうとするが、一足遅くてその黄色い瞳は彼を捉えた。
ああああ、もうっ、どうしてこう上手くいかないの!
ぐァアア、と変な声を上げて電流を彼に注ごうとしているヴァイスの腕みたいな部分を瞬間的に潰し、彼にかかってる重力も軽くしてから担ぎあげた。
「ちょ、待ってよ!」
「待たない!どうしてこんなところにいるのか知らないけど、ヴァイス討伐より一般人保護の方が優先的なの!残念なことにね!」
三田くん!と無線で三田くんを呼び出し、現在地を素早く伝え私がくるまで持ちこたえるように告げる。
まあサポートに紫がいるから大丈夫だろうと思うけど、万が一のことがある。新人くんにだけ任せっきりはまずい。早くこの人を置いて戻らないと…
「おっ、俺はいいからヴァイスを倒さなきゃ!」
「私だってそうしたい!!でもあなたがいると討伐に支障をきたすの!あなたを安全なところに行かすまで、私は戻れない!」
もう!全部こいつのせいだって言うのにごちゃごちゃうるさい!
近くの薄暗いBARに入り込み、驚きながらこちらを見ているBARの主人に頭を下げてから男を荒々しく引き渡した。
「すみません、私はヴァイス討伐軍の不知火と申します。私はすぐに現場に行かなければならないので、この男のことを少し匿って下さい。それでは」
それだけ伝え、「ま、待って」と言う男の言葉は無視しレトロな扉をもう一度開けようとした。
早く、はやく倒さなきゃ。
「待って!!!あの!頑張って!!!」
ハッと、思わず振り返ってしまう。
頑張って、なんて言われたのが久しぶりだからだろうか。
その男はキラキラとした目でこちらを真剣に見つめていた。
不思議だ。こういうキラキラした瞳は苦手だったのに、嫌な気持ちがしない。
ってかこいつ、よく見れば今人気の若手俳優、新河 凛じゃないか?
その無駄に整った顔立ちを少しぽけーっと見つめて、すぐ我に返った。
私ははやく行かなきゃいけない。
それでも何故か私の口角は上がっていて、目の前でまだキラキラしてる男に
「任せとけ」
なんて自信満々に言ってしまった。
私らしくもないな、なんて思いながら今度こそその扉を開けてヴァイス討伐へと向かった。
『あんたちょっと!どこにいるのよ!遅い!こっちはもう耐えられないわよ!!!」
「いやごめん、今から行くわ。すぐ、もうすぐつく」
なんでだろう、今日は私、無敵な気がするんだ。
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