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第八章 魔導具の聖地?
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[アルテ視点]
「……は?魔導具の提案したから、足りない素材の確保に行く?お前、護衛の仕事どうすんの?」
宿屋からトワレ男爵邸へと移動することになって数日。そろそろ帰りの護衛に付く頃合かと話に来ると、レオの提案した魔導具を作るために不足している素材を集めに行くとか言い出した。
「ガンツさんの許可は取ってあるよ?というか、ガンツさんも欲しいとかで残って完成待つとか言ってたよ?」
「「は?」」
オレもクルトも聞いてないんですけど?
「で、思いっきり個人的な事情だから、私一人でやるから、二人は男爵邸で待って「却下だ、ドアホッ!!」」
さらりととんでもない発言をしてきたレオに食い気味に反対する。
こいつ、オレ達が護衛も兼ねてるって忘れてるだろっ!!
実力では確かに『勇者』であるレオより劣る。それはまあ、情けないけど仕方ない事実だ。だけど、それとこれは別問題だ。今のオレ達はレオのお目付けも兼ねているのだから、単独行動なんかさせれるわけが無いのだ。
「……一体どんな魔導具を作ろうとしているんです?」
溜息をつきながらクルトがそう言う。
「……見てる景色とかをそのまま印刷して持ち歩けるようにできる魔導具と、一定の範囲内の光景を保存して繰り返し見れるようにする魔導具……」
「「…………」」
気まずそうに言うレオの姿に、陛下から聞かされていた話を思い出す。
ガディル殿下の番になったレオは、オレ達と共に歳を取る事が出来なくなった。だから、数年の内に魔族領へと嫁ぎ、滅多にこちらに戻らなくなるだろうと……。
幼い頃に離された両親からさらに離され、 ずっと側にいたエレからも離れなければならなくなったのだ。
いや、離れるというよりは、オレ達に置いていかれることになったのだ。
そりゃ、そんな魔導具があれば……。
クルトもオレと同じ想いなのだろう、目が合うと頷いてきた。
「……ガンツ会頭が待ってんならしゃーねえ。さっさと取りに行って作ってもらうしかねえだろ……」
「そうですね。速やかに済ませてしまいましょう……」
そう言うオレ達を、レオはバカみたいに大口を開けて見ていた。
「……いいの?」
「それこそ、今さらですよ」
「んで、何の素材がいるんだ?」
ポンポンと軽く頭を叩いてやると、にっこりと笑った。
「あのね。氷竜の鱗がいるの!」
その瞬間のオレ達の気持ち。誰か分かるだろうか?
「………氷竜?」
クルトはそう呟いて固まった。
分かる。分かるぞ、クルト!ちょっとそこまで買い物に…的なノリで言われたから、そこまで大したことがないって思ったよな?
まさかのSSランク素材です。しかもーー。
「魔族領にしかいねえじゃねえかーっ!!」
「あ。そうなんだ……」
オレの叫びにキョトンとして答えるレオ。
だから、お前はもう少し考えて動くことを覚えてくれーーーーっ!!
「……は?魔導具の提案したから、足りない素材の確保に行く?お前、護衛の仕事どうすんの?」
宿屋からトワレ男爵邸へと移動することになって数日。そろそろ帰りの護衛に付く頃合かと話に来ると、レオの提案した魔導具を作るために不足している素材を集めに行くとか言い出した。
「ガンツさんの許可は取ってあるよ?というか、ガンツさんも欲しいとかで残って完成待つとか言ってたよ?」
「「は?」」
オレもクルトも聞いてないんですけど?
「で、思いっきり個人的な事情だから、私一人でやるから、二人は男爵邸で待って「却下だ、ドアホッ!!」」
さらりととんでもない発言をしてきたレオに食い気味に反対する。
こいつ、オレ達が護衛も兼ねてるって忘れてるだろっ!!
実力では確かに『勇者』であるレオより劣る。それはまあ、情けないけど仕方ない事実だ。だけど、それとこれは別問題だ。今のオレ達はレオのお目付けも兼ねているのだから、単独行動なんかさせれるわけが無いのだ。
「……一体どんな魔導具を作ろうとしているんです?」
溜息をつきながらクルトがそう言う。
「……見てる景色とかをそのまま印刷して持ち歩けるようにできる魔導具と、一定の範囲内の光景を保存して繰り返し見れるようにする魔導具……」
「「…………」」
気まずそうに言うレオの姿に、陛下から聞かされていた話を思い出す。
ガディル殿下の番になったレオは、オレ達と共に歳を取る事が出来なくなった。だから、数年の内に魔族領へと嫁ぎ、滅多にこちらに戻らなくなるだろうと……。
幼い頃に離された両親からさらに離され、 ずっと側にいたエレからも離れなければならなくなったのだ。
いや、離れるというよりは、オレ達に置いていかれることになったのだ。
そりゃ、そんな魔導具があれば……。
クルトもオレと同じ想いなのだろう、目が合うと頷いてきた。
「……ガンツ会頭が待ってんならしゃーねえ。さっさと取りに行って作ってもらうしかねえだろ……」
「そうですね。速やかに済ませてしまいましょう……」
そう言うオレ達を、レオはバカみたいに大口を開けて見ていた。
「……いいの?」
「それこそ、今さらですよ」
「んで、何の素材がいるんだ?」
ポンポンと軽く頭を叩いてやると、にっこりと笑った。
「あのね。氷竜の鱗がいるの!」
その瞬間のオレ達の気持ち。誰か分かるだろうか?
「………氷竜?」
クルトはそう呟いて固まった。
分かる。分かるぞ、クルト!ちょっとそこまで買い物に…的なノリで言われたから、そこまで大したことがないって思ったよな?
まさかのSSランク素材です。しかもーー。
「魔族領にしかいねえじゃねえかーっ!!」
「あ。そうなんだ……」
オレの叫びにキョトンとして答えるレオ。
だから、お前はもう少し考えて動くことを覚えてくれーーーーっ!!
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