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第七章 世界を回すは女達
騎士団長、敗北す
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[アリスティリア視点]
四方侯令嬢のお姉様方、お母様方とのお茶会の間、エヴァン様は壁でラフィンさん達と並んで立っていました。
こちらに呼ぼうとしても、皆様に「大丈夫だから、気にしないの」と、止められてしまいました。
「アリスがいない間は…」
「マリアステラ様が…」
わたしが拐われていた間に何があったかを、次々と語られていくのを黙って聞いているしかありません。
とりあえず、お兄様達とお母様がすごかったのは、よく分かりました。戻ったらお父様に優しくしなければなりませんね。
そこからは、わたしとエヴァン様の婚姻式の話になりました。
婚約式飛ばしての婚姻式です。
理由はわたしが〈妊娠確定〉だからだそうです。
お腹が大きくなる前にする事が決まったとかで、再来月にはするのだとか。
グランラディアでの婚姻式に、参加したいと各国の王族や重鎮の皆様が言われたとか。
しかも聖王様が自ら司祭を務めたいと仰ったらしく、高位貴族としては異例の神聖国ブランディアでの婚姻式になるそうです。
王太子夫妻の時より豪華な気がしますが、良いのでしょうか?
首を傾げている間に、ドレスの話になっていました。
最早、戦場です…………。
お忙しい時のオーディル様の執務室でも、ここまで殺気立ってはいなかったと記憶してます。
当事者である私は、口を挟む隙もありません。
「リアの衣装は、私が作ると決めています!」
そんな戦場にエヴァン様が割り込んで行かれました。
さすがは騎士団長です。
会話に入れず、呆然となっている私にラフィンさんが声をかけました。
「お嬢様。よろしければ、あちらに参りましょう…」
促された場所を見れば、一人用の小さなテーブルセットが用意されていました。
いつの間に用意されたのか、同じ『護衛メイド』として、感心してしまいます。
私もまだまだ頑張らねばっ!!
※※※※※※※※
[フェリテ視点]
始まったドレス談義。余りの迫力のせいか、お嬢様は呆然としてました。
ラフィンがすかさず一人用の小さなテーブルを用意して、お嬢様を案内してます。
先程まで、屍になりかけていた若様は、お嬢様の婚礼衣装の話が始まるなり乱入しました。
それはそうでしょう。
今回、お嬢様と若様の婚姻式は、神聖国ブランディアで行うとの事。
婚姻式用のドレス。
その後の披露宴用のドレス。
グランラディアでの貴族達に対しての披露宴用のドレス。
中央候として、領内でのお披露目パレード用のドレス。
そして、四方侯の皆様方の領地へご挨拶に向かう際に、それぞれの象徴の色をドレスに使用しなければなりません。
合計8枚のドレスが必要な訳で、お嬢様を溺愛なさっている若様が、作らないはずありません!
《縫製》スキルもカンスト間近だしねぇ……。
婚約式すっ飛ばしての婚姻式なので、ドレスが1枚減っているのですが、
「…8枚…。ドレスだけで8…枚…」
離れた場所でそれを聞いたお嬢様。泣きそうな顔をして呟いてます。
「大丈夫ですよ、お嬢様。エヴァン様が作られますから、お嬢様の出番は仮縫いからです」
「仮縫いから…」
ラフィンの言葉にお嬢様は遠くを見るような目に。
分かります…。
お嬢様に用意された部屋のタンスの中以外にも、衣装部屋にも大量の若様手製の衣装の山。下着以外、ほとんどあります。揃ってます!
アクセサリーだって、ほとんど若様手製です。
ド ン 引 き で す ね !
分かります!
今だって皆様方と言い争っていらっしゃいます。
あの方、騎士団長のはずなんですが、お嬢様絡むと何になりたいのか全く分からなくなりますね。
《ストーカー》スキル生えるまでは、あそこまでではなかったんですけどねぇ……。
そうこう見守ってるうちに話しがついたようです。
奥様がものすごくご機嫌です。怖い。
「では、婚姻式とパレード用のドレスのデザインはエヴァンが、披露宴用のドレスはわたくしと、マリアステラ様が。訪問用のドレスは、それぞれの四方侯の皆様方ということで♪」
「必要な材料は、エイデル商会で手配いたしますわ」
皆様、ものすごく良い笑顔ですが、カサンドラ様がニヤリと笑みを浮かべ、若様を見てます。
「…何か?」
眉を顰めながら、若様が声をかけてます。
「ねえ、エヴァン様。ドレスの仮縫いを始めましたら、アリスとの共寝はしてはいけませんのよ」
「は?」
カサンドラ様の口撃に、若様が固まります。
「あぁ、そうですわ。エヴァン。仮縫いが始まれば、アリスさんに触れてはなりませんよ。体型が変わってしまいますからね。いえ、まだ帰られてませんでしたわね。婚姻式までの短い間ですけど、伯爵家に戻って、ご家族の時間を過ごされた方がよろしいわね」
「……母上?」
「そうそう。伯爵家に戻っても、たまにはわたくしとお茶をしてくださいね♪」
若様、完全敗北です。
凍りついたかのように動きません。
若様。
世の息子や旦那様は母親たる奥方には勝てないそうですよ。
ご愁傷さまです…………。
四方侯令嬢のお姉様方、お母様方とのお茶会の間、エヴァン様は壁でラフィンさん達と並んで立っていました。
こちらに呼ぼうとしても、皆様に「大丈夫だから、気にしないの」と、止められてしまいました。
「アリスがいない間は…」
「マリアステラ様が…」
わたしが拐われていた間に何があったかを、次々と語られていくのを黙って聞いているしかありません。
とりあえず、お兄様達とお母様がすごかったのは、よく分かりました。戻ったらお父様に優しくしなければなりませんね。
そこからは、わたしとエヴァン様の婚姻式の話になりました。
婚約式飛ばしての婚姻式です。
理由はわたしが〈妊娠確定〉だからだそうです。
お腹が大きくなる前にする事が決まったとかで、再来月にはするのだとか。
グランラディアでの婚姻式に、参加したいと各国の王族や重鎮の皆様が言われたとか。
しかも聖王様が自ら司祭を務めたいと仰ったらしく、高位貴族としては異例の神聖国ブランディアでの婚姻式になるそうです。
王太子夫妻の時より豪華な気がしますが、良いのでしょうか?
首を傾げている間に、ドレスの話になっていました。
最早、戦場です…………。
お忙しい時のオーディル様の執務室でも、ここまで殺気立ってはいなかったと記憶してます。
当事者である私は、口を挟む隙もありません。
「リアの衣装は、私が作ると決めています!」
そんな戦場にエヴァン様が割り込んで行かれました。
さすがは騎士団長です。
会話に入れず、呆然となっている私にラフィンさんが声をかけました。
「お嬢様。よろしければ、あちらに参りましょう…」
促された場所を見れば、一人用の小さなテーブルセットが用意されていました。
いつの間に用意されたのか、同じ『護衛メイド』として、感心してしまいます。
私もまだまだ頑張らねばっ!!
※※※※※※※※
[フェリテ視点]
始まったドレス談義。余りの迫力のせいか、お嬢様は呆然としてました。
ラフィンがすかさず一人用の小さなテーブルを用意して、お嬢様を案内してます。
先程まで、屍になりかけていた若様は、お嬢様の婚礼衣装の話が始まるなり乱入しました。
それはそうでしょう。
今回、お嬢様と若様の婚姻式は、神聖国ブランディアで行うとの事。
婚姻式用のドレス。
その後の披露宴用のドレス。
グランラディアでの貴族達に対しての披露宴用のドレス。
中央候として、領内でのお披露目パレード用のドレス。
そして、四方侯の皆様方の領地へご挨拶に向かう際に、それぞれの象徴の色をドレスに使用しなければなりません。
合計8枚のドレスが必要な訳で、お嬢様を溺愛なさっている若様が、作らないはずありません!
《縫製》スキルもカンスト間近だしねぇ……。
婚約式すっ飛ばしての婚姻式なので、ドレスが1枚減っているのですが、
「…8枚…。ドレスだけで8…枚…」
離れた場所でそれを聞いたお嬢様。泣きそうな顔をして呟いてます。
「大丈夫ですよ、お嬢様。エヴァン様が作られますから、お嬢様の出番は仮縫いからです」
「仮縫いから…」
ラフィンの言葉にお嬢様は遠くを見るような目に。
分かります…。
お嬢様に用意された部屋のタンスの中以外にも、衣装部屋にも大量の若様手製の衣装の山。下着以外、ほとんどあります。揃ってます!
アクセサリーだって、ほとんど若様手製です。
ド ン 引 き で す ね !
分かります!
今だって皆様方と言い争っていらっしゃいます。
あの方、騎士団長のはずなんですが、お嬢様絡むと何になりたいのか全く分からなくなりますね。
《ストーカー》スキル生えるまでは、あそこまでではなかったんですけどねぇ……。
そうこう見守ってるうちに話しがついたようです。
奥様がものすごくご機嫌です。怖い。
「では、婚姻式とパレード用のドレスのデザインはエヴァンが、披露宴用のドレスはわたくしと、マリアステラ様が。訪問用のドレスは、それぞれの四方侯の皆様方ということで♪」
「必要な材料は、エイデル商会で手配いたしますわ」
皆様、ものすごく良い笑顔ですが、カサンドラ様がニヤリと笑みを浮かべ、若様を見てます。
「…何か?」
眉を顰めながら、若様が声をかけてます。
「ねえ、エヴァン様。ドレスの仮縫いを始めましたら、アリスとの共寝はしてはいけませんのよ」
「は?」
カサンドラ様の口撃に、若様が固まります。
「あぁ、そうですわ。エヴァン。仮縫いが始まれば、アリスさんに触れてはなりませんよ。体型が変わってしまいますからね。いえ、まだ帰られてませんでしたわね。婚姻式までの短い間ですけど、伯爵家に戻って、ご家族の時間を過ごされた方がよろしいわね」
「……母上?」
「そうそう。伯爵家に戻っても、たまにはわたくしとお茶をしてくださいね♪」
若様、完全敗北です。
凍りついたかのように動きません。
若様。
世の息子や旦那様は母親たる奥方には勝てないそうですよ。
ご愁傷さまです…………。
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