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第七章 世界を回すは女達
お嬢様が尊い…
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[ラフィン視点]
『アリスッ!!』
突然の大規模魔導具の設定変更に試行錯誤し、疲労困憊で寝込んだ夫であるカフィル様をこれ幸いと放置し、本日はお嬢様に会いに来た令嬢の皆様への対応です。
四方侯令嬢の皆様に、奥様、伯爵夫人の計六人がおいでです。
若様がお嬢様をエスコートしてサロンに参られますと、ご令嬢方は皆様一斉に、お嬢様の元に駆け寄られました。
令嬢方の見本となる上位貴族の令嬢らしからぬ行為ですが、それだけお嬢様を心配されていたのでしょう。
デビュタント以来、お嬢様は皆様にそれはそれは可愛がられていたそうですので。
「アリス、アリス。大変な目に合いましたね。大丈夫ですか?」
お嬢様と一番歳の近いフローリア様がお嬢様を抱きしめられました。
「……」
若様の機嫌が少し悪くなりつつあります。
いざという時には、【封印布】をおかけしなければいけなくなるやもしれませんね。
「いきなり拐われて、怖かったでしょう?もう大丈夫ですからね」
「元気そうでよかったわ…」
リズベット様が、アルテッサ様が次々と抱きしめていかれます。
「……アリス。貴女、少し雰囲気が変わりまして?」
カサンドラ様の言葉に、他の皆様が若さまを一斉に睨んでおいでです。お嬢様といえば、真っ赤になっておいでです。本当にお可愛らしいことです。
それにしても若様は、仮面の下でバレてないと思われているでしょうが、私達には分かります。あらぬ方に視線を向けてますね。
婚約前の令嬢を閉じ込めて、本能のままに暴走なさったのです。
ひっきりなしに若さまのご寵愛をお受けになったお嬢様は、色気というものも身に付けられたご様子。
結婚なされているカサンドラ様もお気づきになられたのでしょう。
「アリス。体調はどうです?」
養母のマリアステラ様がそんな中、気負うことなくお嬢様を抱きしめられました。
「はい、お母様。とてもよくしていただいて、アリスは元気ですわ♪」
にっこりと微笑み、お嬢様はマリアステラ様から、奥様をご紹介されました。
「お初にお目にかかります。侯爵夫人。エべリウム伯爵家のアリスティリア・リン・エベリウムと申します」
お嬢様はそれはもう美しいお辞儀をなされ、ご覧になった奥様はほうっと満足気に溜息をつかれています。
「侯爵夫人だなんて呼ばないでちょうだいな。貴女はもう我が家の娘となるのが決まったのですもの。母と呼んでもらいたいわ♪」
「よろしいのですか?」
お嬢様はマリアステラ様をご覧になり、マリアステラ様が頷かれますと、恥ずかしそうに奥様をご覧になりました。
「……不束者ですが、よろしくお願いいたします、お義母様……」
少し恥じらいながら微笑んで言うお嬢様。
奥様ばかりか周りのご令嬢達まで、顔を両手で覆われています。
「……私のアリスが尊い……」
若様は床に崩れ落ちておいででした。
こちらは通常運転の模様でございますーーーー。
『アリスッ!!』
突然の大規模魔導具の設定変更に試行錯誤し、疲労困憊で寝込んだ夫であるカフィル様をこれ幸いと放置し、本日はお嬢様に会いに来た令嬢の皆様への対応です。
四方侯令嬢の皆様に、奥様、伯爵夫人の計六人がおいでです。
若様がお嬢様をエスコートしてサロンに参られますと、ご令嬢方は皆様一斉に、お嬢様の元に駆け寄られました。
令嬢方の見本となる上位貴族の令嬢らしからぬ行為ですが、それだけお嬢様を心配されていたのでしょう。
デビュタント以来、お嬢様は皆様にそれはそれは可愛がられていたそうですので。
「アリス、アリス。大変な目に合いましたね。大丈夫ですか?」
お嬢様と一番歳の近いフローリア様がお嬢様を抱きしめられました。
「……」
若様の機嫌が少し悪くなりつつあります。
いざという時には、【封印布】をおかけしなければいけなくなるやもしれませんね。
「いきなり拐われて、怖かったでしょう?もう大丈夫ですからね」
「元気そうでよかったわ…」
リズベット様が、アルテッサ様が次々と抱きしめていかれます。
「……アリス。貴女、少し雰囲気が変わりまして?」
カサンドラ様の言葉に、他の皆様が若さまを一斉に睨んでおいでです。お嬢様といえば、真っ赤になっておいでです。本当にお可愛らしいことです。
それにしても若様は、仮面の下でバレてないと思われているでしょうが、私達には分かります。あらぬ方に視線を向けてますね。
婚約前の令嬢を閉じ込めて、本能のままに暴走なさったのです。
ひっきりなしに若さまのご寵愛をお受けになったお嬢様は、色気というものも身に付けられたご様子。
結婚なされているカサンドラ様もお気づきになられたのでしょう。
「アリス。体調はどうです?」
養母のマリアステラ様がそんな中、気負うことなくお嬢様を抱きしめられました。
「はい、お母様。とてもよくしていただいて、アリスは元気ですわ♪」
にっこりと微笑み、お嬢様はマリアステラ様から、奥様をご紹介されました。
「お初にお目にかかります。侯爵夫人。エべリウム伯爵家のアリスティリア・リン・エベリウムと申します」
お嬢様はそれはもう美しいお辞儀をなされ、ご覧になった奥様はほうっと満足気に溜息をつかれています。
「侯爵夫人だなんて呼ばないでちょうだいな。貴女はもう我が家の娘となるのが決まったのですもの。母と呼んでもらいたいわ♪」
「よろしいのですか?」
お嬢様はマリアステラ様をご覧になり、マリアステラ様が頷かれますと、恥ずかしそうに奥様をご覧になりました。
「……不束者ですが、よろしくお願いいたします、お義母様……」
少し恥じらいながら微笑んで言うお嬢様。
奥様ばかりか周りのご令嬢達まで、顔を両手で覆われています。
「……私のアリスが尊い……」
若様は床に崩れ落ちておいででした。
こちらは通常運転の模様でございますーーーー。
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