80 / 154
第十章 アリスティリアは人気者
頑張ったでしょう…
しおりを挟む
[ステリナ視点]
魔王国ディクルディアにて、先に城に転移させられていたアリス様ですが、本当の試練は全員が揃ってからでした。
「「………」」
アリス様とラス様のお二人は、並んで笑顔です。目は死んでますけど…。
現在、お二人のためにと作られた輿に揺られながら、王都を巡っていらっしゃいます。見世物ですね。
若様が隣に座るのかと思いきや、流石の若様もこれにはドン引いてましたね。
カイン様はスンッて表情消えてましたし、愚兄は頭抱えてましたね。
ラス様は他人事だと思っておいでだったようで、バスティン様によって姉弟揃って乗せられた時には、この世の終わりのような顔をお二人でしてましたね。
何故、ご自分は他人事だと思われたのでしょうか?
いやだって、お二人のご先祖様のライリーナ様の血筋が見つかったお祝いという名目ですのにね。
我々は担がれて進み出した輿の遥か後ろから、見送りました。ええ、お留守番です。
マテロス様の案内で、お二人の姿を見られる塔へと参りましたよ。
先頭の輿にはバスティン様のお姿が見えます。
その後ろからお二人の乗った輿が付いていきます。
「……あれ。ラスはともかく、アリスは限界じゃないかい?」
カイン様が心配そうに見られてます。
「今は多分、《悟り》を発動させてると思います。戻ってからが不安ですね…」
若様は流石ですね。《ストーカー》のせいでしょうか?アリス様の現状把握半端ないです、怖いわ。
歓声が収まることなくあちこちから聞こえます。
これ、側で聞いてるお二人は、耳が痛くないんですかね?
「…なあ、ステリナ。あのあちこちで光りながら振られてんの、〖ハリセン〗に見えるんだけど……」
赤や青など、色とりどりの光を放ちながら、子供らしき人影が振っているのは間違いなく〖ハリセン〗でした。
「……あれはマリアステラ殿に父が頼んだ特注の品だ……」
マテロス様が顔を背けて仰いました。
止めれなかったのですね、お疲れ様です。
お二人が戻って来たのは、それから半日近くを過ぎてからでしたーーーー。
※※※※※※※※
[エヴァン視点]
「……あの、リア?大丈夫ですか?」
戻ってきたリアは、いつもなら人目を気にするのですが、周りを気にせずに私にしがみついてきました。
「……離れちゃヤダ…」
ポツリと呟きながら、チラッと上目遣いに潤んだ瞳で見上げられては、拒めるはずもなく。
「あー……。うん、アリスは頑張ったよね。ものすごく頑張った。労わってやって、エヴァン……」
同じように疲れているだろうラスに、アリスを任されました。驚きです。
「そうだな。部屋でゆっくり休ませてやるといい…。食事も部屋に運ばせよう…」
「何故だ、マテロス!!我はティリアと食べたいぞ!!」
「今日ぐらい我慢しやがれ!!」
マテロス様の言葉に、バスティン様が騒ぎ出しましたが、頭を叩いて連れていかれました。
「……ラスは私が見るから、アリスは頼んだよ…」
ふらつくラスを連れて、カインも与えられた部屋へと向かいました。
「リア。部屋で休みましょう…」
私の言葉に、リアはしがみついたまま頷きましたが、このままでは動けません。
仕方なく横抱きしましたが、嫌がることなく私の首に腕を回してしがみつく様子に、カルステッド達も只事ではないと心配そうにこちらを見ています。
とりあえず用意された部屋へと入り、ソファに座りましたが、リアは私の膝の上に座ったまま。
二人きりでないのに、これは初めてです。
「……リア?何かありましたか?」
髪を撫でながら尋ねました。
塔から見てる分には、そんなに変わったことは無かったようなのですが…。
「……が……」
「はい?」
「変な人が来るぅ……」
「「「???」」」
一先ずカルステッドをラスの所に向かわせ、少しでも落ち着くように抱きしめ、背中を擦りました。
戻ってきたカルステッドの話を聞き、私達はアリスを思う存分労りましたーーーー。
********
読んでくださりありがとうございます。
現実逃避タイムが増えた為、双子の方も同時進行で更新出来たらと頑張ってますので、宜しければご覧下さい。
次回、怯えるアリスに何が起こったか判明しますw
魔王国ディクルディアにて、先に城に転移させられていたアリス様ですが、本当の試練は全員が揃ってからでした。
「「………」」
アリス様とラス様のお二人は、並んで笑顔です。目は死んでますけど…。
現在、お二人のためにと作られた輿に揺られながら、王都を巡っていらっしゃいます。見世物ですね。
若様が隣に座るのかと思いきや、流石の若様もこれにはドン引いてましたね。
カイン様はスンッて表情消えてましたし、愚兄は頭抱えてましたね。
ラス様は他人事だと思っておいでだったようで、バスティン様によって姉弟揃って乗せられた時には、この世の終わりのような顔をお二人でしてましたね。
何故、ご自分は他人事だと思われたのでしょうか?
いやだって、お二人のご先祖様のライリーナ様の血筋が見つかったお祝いという名目ですのにね。
我々は担がれて進み出した輿の遥か後ろから、見送りました。ええ、お留守番です。
マテロス様の案内で、お二人の姿を見られる塔へと参りましたよ。
先頭の輿にはバスティン様のお姿が見えます。
その後ろからお二人の乗った輿が付いていきます。
「……あれ。ラスはともかく、アリスは限界じゃないかい?」
カイン様が心配そうに見られてます。
「今は多分、《悟り》を発動させてると思います。戻ってからが不安ですね…」
若様は流石ですね。《ストーカー》のせいでしょうか?アリス様の現状把握半端ないです、怖いわ。
歓声が収まることなくあちこちから聞こえます。
これ、側で聞いてるお二人は、耳が痛くないんですかね?
「…なあ、ステリナ。あのあちこちで光りながら振られてんの、〖ハリセン〗に見えるんだけど……」
赤や青など、色とりどりの光を放ちながら、子供らしき人影が振っているのは間違いなく〖ハリセン〗でした。
「……あれはマリアステラ殿に父が頼んだ特注の品だ……」
マテロス様が顔を背けて仰いました。
止めれなかったのですね、お疲れ様です。
お二人が戻って来たのは、それから半日近くを過ぎてからでしたーーーー。
※※※※※※※※
[エヴァン視点]
「……あの、リア?大丈夫ですか?」
戻ってきたリアは、いつもなら人目を気にするのですが、周りを気にせずに私にしがみついてきました。
「……離れちゃヤダ…」
ポツリと呟きながら、チラッと上目遣いに潤んだ瞳で見上げられては、拒めるはずもなく。
「あー……。うん、アリスは頑張ったよね。ものすごく頑張った。労わってやって、エヴァン……」
同じように疲れているだろうラスに、アリスを任されました。驚きです。
「そうだな。部屋でゆっくり休ませてやるといい…。食事も部屋に運ばせよう…」
「何故だ、マテロス!!我はティリアと食べたいぞ!!」
「今日ぐらい我慢しやがれ!!」
マテロス様の言葉に、バスティン様が騒ぎ出しましたが、頭を叩いて連れていかれました。
「……ラスは私が見るから、アリスは頼んだよ…」
ふらつくラスを連れて、カインも与えられた部屋へと向かいました。
「リア。部屋で休みましょう…」
私の言葉に、リアはしがみついたまま頷きましたが、このままでは動けません。
仕方なく横抱きしましたが、嫌がることなく私の首に腕を回してしがみつく様子に、カルステッド達も只事ではないと心配そうにこちらを見ています。
とりあえず用意された部屋へと入り、ソファに座りましたが、リアは私の膝の上に座ったまま。
二人きりでないのに、これは初めてです。
「……リア?何かありましたか?」
髪を撫でながら尋ねました。
塔から見てる分には、そんなに変わったことは無かったようなのですが…。
「……が……」
「はい?」
「変な人が来るぅ……」
「「「???」」」
一先ずカルステッドをラスの所に向かわせ、少しでも落ち着くように抱きしめ、背中を擦りました。
戻ってきたカルステッドの話を聞き、私達はアリスを思う存分労りましたーーーー。
********
読んでくださりありがとうございます。
現実逃避タイムが増えた為、双子の方も同時進行で更新出来たらと頑張ってますので、宜しければご覧下さい。
次回、怯えるアリスに何が起こったか判明しますw
0
あなたにおすすめの小説
オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない
若松だんご
恋愛
――俺には、将来を誓った相手がいるんです。
お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。
――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。
ほげええっ!?
ちょっ、ちょっと待ってください、課長!
あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?
課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。
――俺のところに来い。
オオカミ課長に、強引に同居させられた。
――この方が、恋人らしいだろ。
うん。そうなんだけど。そうなんですけど。
気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。
イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。
(仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???
すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
Emerald
藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。
叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。
自分にとっては完全に新しい場所。
しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。
仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。
〜main cast〜
結城美咲(Yuki Misaki)
黒瀬 悠(Kurose Haruka)
※作中の地名、団体名は架空のものです。
※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。
※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。
ポリン先生の作品はこちら↓
https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911
https://www.comico.jp/challenge/comic/33031
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる