騎士団長はスキル《ストーカー》を極めたい!

ミアキス

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第十章 アリスティリアは人気者

〖ハリセン〗信者?

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[ラスティン視点]

『アリス祭り』とあったから、輿に乗るのは当然、アリスとその伴侶のエヴァンだと思い、自分は関係ないと高をくくってたら、バスティン様にアリスと二人乗せられた。

何の嫌がらせですか?
こんなド派手な輿に乗せられ、王都一周だなんて、この世の終わりでしかない……。
それでも動き出したら諦めるしかなく、アリスと二人、貼り付けた笑顔で、手を振り続けた。
勿論、互いの目は死んでいたと思う。

手を振っていると、ふと視線の先にチカチカと色とりどりの光が目に付いた。

「…………」

〖ハリセン〗の先端が光っているのだ。
それを子供達が、僕達の名を叫びながら降っているのだ!

ーーこれ、絶対。母上噛んでるだろ……。

チラリと横目で見たアリスは限界が近かったんだろう。
どうやら《悟り》スキルを使っているようだ。

たまに、アリスのドレスを模した服を着た少女が、〖ハリセン〗を振り回しながら、アリスの名を叫んでいる。

「……」

アリスの心はここにはいなかった。

そんなこんなで、何とか苦行を終えて戻ってみると、今度は輿を担いでいた連中に、アリスが囲まれた。

「????」

いっぱいいっぱいのアリスは、訳も分からず涙目。

何なんだ。こいつらは?

しばらく見てると、一人がアリスに手を伸ばした。

「アリスティリア様…。お願いします!我々を打って下さい!!」

「「は?」」

思わず声が重なったよね。

「あの、意味が分かりません……」

アリスが泣きそうな顔で僕を見た。

「〖ハリセン〗を……。アリスティリア様がお持ちの【神器】〖ハリセン〗で、我々を打って頂きたいのです!!」

ーー変態だ。変態がアリスに近寄っている。

『お願いします!アリスティリア様っ!!』

男達に集団でそう迫られた恐怖で、アリスの手には〖ハリセン〗が現れた。

『おおっ!!紛れもなく〖ハリセン〗!!』

手を伸ばして近寄ろうとする男達。

「い、いやあああぁぁぁぁぁぁっ!!」

アリスは恐怖のあまりか、目を閉じたままブンブンと〖ハリセン〗を振り回した。

恍惚な顔で吹っ飛んでいく男達の集団。
これは、恐怖でしかない。

『護衛メイド』としての性分か、目を閉じていても、ちゃんと個々に当てて吹っ飛ばしていくアリス。

「あぁ、遅かったか…」

駆けつけたマテロス様は、アリスの様子に膝をついた。

「…マテロス様。彼らは一体…」

「あやつらは言うなれば『ハリセン信者』だ…」

「は?」

眉間を指で解しながら、マテロス様が言葉を続けた。

「神の使用している武器の模造品だ。それに触れることは、神へ近づくための一歩だとか言い出したのがいたらしくてな。脳筋共がティリアに〖ハリセン〗で打たれることが、神へと辿り着く道の一つとかを信じてる連中なんだ……」

何だ、それ。アリスには迷惑でしかないだろ……。

視線を向けた先では、ゼーゼーと肩で息をしつつも、目がイッちゃってるアリス。
信者達は全員吹っ飛んでいた。

「……変態、怖い……」

ポツリと呟いたアリス。

今日はエヴァンに任せて、アリスをゆっくり休ませてやらないとダメだろう。

アリスの事なら、もはやエヴァンに適うものはいないんだから。

認めたくないけどなっ!!!
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